「どうして、もっと怒らないの?」とは、筆者、荒井さんへの、障がい当事者運動の先駆者、横田弘さんの問いかけである。
原一男監督の映画、「さようならCP」のなかで、のたうちまわりながら歩き、いざり、「健全者」にカメラを向け、詩を朗読するCP者(脳性麻痺患者)、横田弘。わたしたちは、映像のなかでしか「横田弘」を見ることができない。重度障がい者は、いまだに、施設に、住居に、閉じ込められたままである。
障がいを差別視する(とされる)言葉は、Political Correctness(政治的公正さ)の観点から、「使ってはいけない言葉」となり、実際に使われなくなった。しかし、シニフィアンが規制され、シニフィェが不在のままとは、なんという倒錯だろう。
あらためて、ハッとさせられる指摘もあった。エコロジカル思想は、右派ナショナリズムと結びついたとき、おそるべき優性思想に立ち至る。安倍昭恵のことであるし、それが過激化すれば、植松聖に至るのかもしれない。
対談集なので読みやすい。おすすめである。
原一男監督デビュー作『さようならCP』DVD予告編 急進的な障害者団体をカメラで追った傑作!
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