今日は「行政書士の非法定非独占業務」についての続き。
(3)「非法定非独占業務」について(続き)
② 原則として誰が行ってもよい業務であるが、「行政書士たる者が、その知識・経験等を背景とすることによって、依頼者の依頼の趣旨に、より的確に答えることができるであろうと考えられる業務」
については、「行政書士法上認められた典型的『行政書士業務』」の範疇に入らない部分です。
この例として「遺言執行者」を務めてくれる様に遺言で指定された場合を考えてみましょう。
「遺言の作成」の依頼を受け、更に「遺言執行者」を務めてくれる様に(生前口頭でご希望の上)遺言で指定される場合もあるでしょうし、ご自分で「遺言状」を作成なさった方(被相続人)から、生前の業務上の繋がり等で「遺言執行者」を務めてくれる様に遺言で指定される場合もあるでしょう。
(尚、被相続人による執行者の特定指定(指名)は、遺言ですることが必須条件です。民法1006条1項)
〔自筆証書遺言なら遺言者が全文自筆することが必要ですから、或いは「遺言の作成業務」でなく「遺言の作成についての相談業務(書き方の教示)」と考える方が適当かもしれません。・・・「遺言作成」については日を改めて、独立テーマとして又考えてみたいと思います。〕
遺言の執行については、民法1004~1021条に規定されていますが、特殊な委任契約の一種であり(同法1012条2項)、遺言執行者は相続人の代理人とみなされます(同法1015条)。
遺言執行者には、欠格事由も資格条件も法定されていないので、意思能力があれば誰でもなることが出来ると考えられます。(就任した執行者を解任をするためには、正当事由があって解任を家庭裁判所が認めた場合に限られます。同法1019条1項)
遺言執行者としての職務執行は、行政書士業務とは全く関係ないものである、と位置付けることが普通だと思います。
しかし、指定権者(被相続人)の意思が、「指定相手は行政書士であって、そのことから来る知識・経験・見識をみこんで、遺言執行事務を委ねるに適当であると考えた」のであるとすると、やはり「行政書士の行う『業務(非法定非独占業務)』」としてその職務を遂行する、と考えたほうが適当ではないか、と私は思います。
(厳密には「行政書士法上の行政書士業務(法定非独占業務)」とは言えないが、行政書士法上の服務規定を準用又は類推して、行政書士としての「矜持」を持って職務を執行すべきである、と考えます。)
このことは、さらに報酬について「○○(指名された執行者=行政書士)が、定めるところの行政書士報酬額表による。」と遺言に定めてあれば、尚一層はっきりするのではないか、と思います。
〔報酬については、遺言で定めがあればこれに従います(民法1018条1項但書)。定めのない場合は「家庭裁判所が定めることが出来る」(民法同条1項本文)とあるので、無償が原則で有償は特則だと考えられます。〕
本人側(相続人)にとっても、行政書士業務として(=準じて)行ってもらった方が、一般の善管注意義務(同法1012条2項で準用する同法644条)に加えて、行政書士法上の諸義務(例えば守秘義務=行政書士法12条)が明示的に加重されるので、利益となると思われます。
斯様に、「法定外非独占業務」として行う「行政書士の行う業務」がありうる、と考えます。
他士業法等で禁止規定がない限り「法定外非独占業務」は誰が行っても自由な訳ですから、我々行政書士は、「依頼の趣旨」が合法・相当なものである場合には、むしろ積極的にご依頼に応えていくことが行政書士法の目的(「国民の利便に資する」)にも適うことだ、と思います。
(3)「非法定非独占業務」について(続き)
② 原則として誰が行ってもよい業務であるが、「行政書士たる者が、その知識・経験等を背景とすることによって、依頼者の依頼の趣旨に、より的確に答えることができるであろうと考えられる業務」
については、「行政書士法上認められた典型的『行政書士業務』」の範疇に入らない部分です。
この例として「遺言執行者」を務めてくれる様に遺言で指定された場合を考えてみましょう。
「遺言の作成」の依頼を受け、更に「遺言執行者」を務めてくれる様に(生前口頭でご希望の上)遺言で指定される場合もあるでしょうし、ご自分で「遺言状」を作成なさった方(被相続人)から、生前の業務上の繋がり等で「遺言執行者」を務めてくれる様に遺言で指定される場合もあるでしょう。
(尚、被相続人による執行者の特定指定(指名)は、遺言ですることが必須条件です。民法1006条1項)
〔自筆証書遺言なら遺言者が全文自筆することが必要ですから、或いは「遺言の作成業務」でなく「遺言の作成についての相談業務(書き方の教示)」と考える方が適当かもしれません。・・・「遺言作成」については日を改めて、独立テーマとして又考えてみたいと思います。〕
遺言の執行については、民法1004~1021条に規定されていますが、特殊な委任契約の一種であり(同法1012条2項)、遺言執行者は相続人の代理人とみなされます(同法1015条)。
遺言執行者には、欠格事由も資格条件も法定されていないので、意思能力があれば誰でもなることが出来ると考えられます。(就任した執行者を解任をするためには、正当事由があって解任を家庭裁判所が認めた場合に限られます。同法1019条1項)
遺言執行者としての職務執行は、行政書士業務とは全く関係ないものである、と位置付けることが普通だと思います。
しかし、指定権者(被相続人)の意思が、「指定相手は行政書士であって、そのことから来る知識・経験・見識をみこんで、遺言執行事務を委ねるに適当であると考えた」のであるとすると、やはり「行政書士の行う『業務(非法定非独占業務)』」としてその職務を遂行する、と考えたほうが適当ではないか、と私は思います。
(厳密には「行政書士法上の行政書士業務(法定非独占業務)」とは言えないが、行政書士法上の服務規定を準用又は類推して、行政書士としての「矜持」を持って職務を執行すべきである、と考えます。)
このことは、さらに報酬について「○○(指名された執行者=行政書士)が、定めるところの行政書士報酬額表による。」と遺言に定めてあれば、尚一層はっきりするのではないか、と思います。
〔報酬については、遺言で定めがあればこれに従います(民法1018条1項但書)。定めのない場合は「家庭裁判所が定めることが出来る」(民法同条1項本文)とあるので、無償が原則で有償は特則だと考えられます。〕
本人側(相続人)にとっても、行政書士業務として(=準じて)行ってもらった方が、一般の善管注意義務(同法1012条2項で準用する同法644条)に加えて、行政書士法上の諸義務(例えば守秘義務=行政書士法12条)が明示的に加重されるので、利益となると思われます。
斯様に、「法定外非独占業務」として行う「行政書士の行う業務」がありうる、と考えます。
他士業法等で禁止規定がない限り「法定外非独占業務」は誰が行っても自由な訳ですから、我々行政書士は、「依頼の趣旨」が合法・相当なものである場合には、むしろ積極的にご依頼に応えていくことが行政書士法の目的(「国民の利便に資する」)にも適うことだ、と思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます