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クリントン前国務長官 優勢? もう始まった次期米大統領選

2013-03-26 22:06:06 | ニュース
日本にとっては、早く出てきてもらいたい存在ですね。
アメリカは、オバマの次は民主党でも共和党でも
対中国で強硬路線になりそうです。

クリントン優勢? もう始まった次期米大統領選
2013/3/26 7:00 記事保存

(2013年3月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 引退のスタイルでは、ヒラリー・クリントン氏はまったく月並みだった。現在65歳のクリントン氏は国務長官として4年間の激務を終えて回顧録の執筆に着手したほか、新しいウェブサイトを立ち上げ、国際的な慈善活動の可能性を検討している。先週には同性愛者の結婚を支持する6分間のビデオメッセージを発表した。恩給受給者が進むお決まりの道をたどっているようだ。なるほど、そこにはもう注目すべきものはない。


■着々と地歩を固めるクリントン氏

米国務省を去るクリントン氏(2月1日、ワシントン)=AP

 米国の有権者はようやく昨年の大統領選の疲れが癒えてきたころだろう。しかし、ワシントンではすでに2016年を視野に入れた動きが始まっている。共和党側では、この数週間、上院議員のマルコ・ルビオ氏(フロリダ州選出)とランド・ポール氏(ケンタッキー州選出)が党の看板を巡って激しい戦いを繰り広げている。両者はミット・ロムニー氏が11月6日に大統領選に敗れるまで、選挙戦で力量を示していた。そして、クリントン氏もじりじりと土台を固めつつある。うそだと思うなら、彼女の発言に注目すべきだ。米国政界で、クリントン氏ほど狡猾(こうかつ)にライバルをはねのけてきた人はいない。

 南北戦争の司令官、ウィリアム・テクムセ・シャーマン氏は大統領の座を断る際にこう述べた。「候補に推されても受諾しないし、選ばれても就任しない」。クリントン氏は、オバマ大統領と共に臨んだ60分間の「さよなら」会見で16年の予定を尋ねられて驚きを見せたが、この質問を受けることは予想していただろう。「私も大統領も、明日や来年に何が起こるか予想できません」と彼女は笑った。オバマ大統領は「マスコミの人たちは懲りないね」と語るにとどめ、うまくかわした(実際、両氏が答えにくかったのはこの質問だけだった)。


■クリントン氏出馬を疑わない共和党


 ほとんどの民主主義国では、人々は選挙があれば出馬する。米国では、候補者は常に走り続けている。いつもよりさらに早く選挙に向けた準備が始まったのには3つの理由がある。第一に、共和党はヒラリー・クリントン氏の出馬を疑ったことがない。かつてのファーストレディーの否定はしない発言を、文字通り受け取る向きはない。クリントン氏を党が擁立するかどうかは別として、かつての共和党のライバル、ニュート・ギングリッチ氏は16年の大統領選でクリントン氏を負かすのはとても難しいと昨年12月に発言した。「クリントン氏に勝とうとするのは、まさにスーパーボウル並みの戦いだ」

対立候補は、クリントン氏の他をよせつけない勢いを警戒すべきだろう。オバマ政権で、クリントン氏は米国で最も人気のあるリーダーの座をやすやすと維持してきた。1月下旬に退任したときの支持率は69%。12月のワシントンポスト紙の世論調査では、米国国民の57%が彼女を次期大統領に望むとの結果が出た。ドワイト・アイゼンハワー氏やコリン・パウエル氏のような何人かの例外を除けば、退任した人物がこれほどの支持率を保つことはない。「彼女の立候補を疑う人はそう多くない」。クリントン氏の古くからの友人で資金調達に協力する人物はこう語る。「候補が決まる前のどっちつかずの状態を上手に乗り切ることも、政治ゲームの一部だ」。候補の公式な決定は、早くても15年初頭以前ではないだろう。




オバマ米大統領=左=とミシェル夫人(3月18日、ホワイトハウス)=AP

■政府を見切る世論、現大統領も支持


 第二に、米国の世論は政府に見切りをつけている。財政状況を厳しい表情で語る米国議会に比べ、次期大統領を巡るレース序盤は見ていて面白い。議会の支持率はかろうじて2桁だ。現在進行中の歳出の強制削減措置や、政府債務の上限論議、あるいはいつも通りの予算通過の失敗など、議会は財政にまつわる堂々巡りにかかりきりだ。ワシントンの情報筋によると五分五分の確率で成立しそうな移民制度の改革を例外として、第113回米国議会は前回よりも成果を望めなさそうだ。もし政治をアメリカンジョークに捉えるなら、議会はオチのない退屈な長話だ。

 最後に、オバマ大統領自身が暗にクリントン氏の意向を支持している。異例の共同「さよなら」会見(これまで退官する閣僚と共同会見した大統領はいない)にはじまり、3月1日にはオバマ大統領がクリントン夫妻を招いたパーティーを主催。米国政治において特筆すべき両者の関係は次の段階に入った。クリントン氏が08年11月に国務長官への就任を受諾したとき、条件をつけたかどうかだれも知らない。しかし、米国政治で最も鋭い策士の二人だけに、お互いを読み誤ることはないだろう。

 友人たちは、大統領執務室での毎週のミーティングは正確だが温かみがなかったと表現する。また、クリントン氏はしばしば国務省で歯を食いしばっていたという。過去4年間、ホワイトハウスは国務省が何かを主導しようとしても常に抑え込み、脇へ追いやり、無視してきた。「クリントン氏は真のプロフェッショナルだ。私は彼女から一度も不平を聞いたことがない」。クリントン氏と同様、1月に退任した幹部はそう言う。

■ミシェル夫人のロールモデルか


 そんな不平の言葉も、彼女の回顧録には出てこないだろう(くだらない想像だ。回顧録は14年終わりごろに出版される)。クリントン氏の取り巻きは、オバマ大統領はクリントン氏の大いなる貢献と忠誠心に恩義があると信じている。実際、クリントン氏の在任中のフライト距離は33万マイルと、記録的な数字だ。

 しかし、大統領は恩義を感じないものだ。大統領は自分の関心事だけに注力する。2期目に入った大統領の多くと同様、オバマ大統領にも自身の政権の行く末が徐々に見え始めている。「3期目」を確実にするには、後継者選びが重要だ。

 オバマ大統領の目はさらに先を見ているかもしれない。オバマ大統領がクリントン氏との間で律義な関係を保っているとみる人は多い。これとは対照的に、ミシェル・オバマ夫人は自身の前任者に常に温かい態度で接してきた。日に日に手腕を発揮し、それに比例して支持率も高まるミシェル夫人にとって、これほどのロールモデルがほかにいるだろうか。

日経ネット
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2504Y_V20C13A3000000/

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