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3Dとか漫画とかの製作日記。

教室を作る 3<机と椅子>

2011-05-04 14:21:14 | 3D背景
 んじゃ机を作ります。
 SketchUpで多用する機能は今回で出尽くす感じなので、詳細な解説は今回まで。


0.まずは寸法を知る
 今回もネット上に転がってる写真を参考に作るわけですが、まずは机のJIS規格について調べましょう。 何を作るにしても、寸法を現実と合わせておくと配置するとき余計なことを考えなくて済みます。 机や椅子のJIS規格については、こちらのサイトに詳細なサイズが記載されています。 ご参考まで。


1.天板を作る
 では、寸法に沿ってまずは天板を作ります。 長方形とプッシュ&プルツールを使って板を作り、オフセットツールでガイドの線を引いて角を落とします。


 外側の対角線をプッシュ&プルで底まで押し込めば角が落とせます。 ガイドの線は後で消しておきましょう。

 これで天板は完成です。


2.物入れを作る
 次に、机の物入れを作ります。 まず、天板の底にオフセットで一回り小さい長方形と、さらにその一回り小さい長方形を作図します。


 プッシュ&プルで両方とも引っ張って、物入れの外側を作ってしまいましょう。


 このままではただの箱なので、教科書などを入れることができません。 それっぽくなるようにディティールを整えていきましょう。 まず適当な角度で斜めに線を入れます。 左右対象になるように、ガイドの線を入れて正確にやりましょう。


 んで、天板の角を落としたときと同じように、対角線の外側をプッシュ&プルで奥まで押し込みます。


 穴を空けたい方の面に、オフセットツールで5ミリほど小さい形(逆台形になるはず)を作図します。 上部にはガイドの線を引いて、天板との接地面まで繋げましょう。


 プッシュ&プルで押し込みます。 物入れ全体のサイズから5ミリほど短い値を入力してエンターを押すといいでしょう。


 これで、『机の天板』 と、『天板にくっついている厚さ5ミリの物入れ』 ができました。 実際には物入れの厚さが5ミリもあるわけないんですが、漫画の背景に使うレベルの机ですので、フチのサイズに合わせて作ってしまいました。


 ここで、天板の底面、端から3センチほどの位置にガイドの線を入れておきます。 長さは物入れの短辺と同程度の長さでいいと思いますが、左右対象に正確に入れるようにしてください。 SketchUpの推定機能(マウスカーソルを近づけると、複数の端点と並行なガイドが表示される)が役に立つはずです。



3.途中の段階でいったんコンポーネント化する
 さて、次に机の足を作るんですが、その前に、ここまで作ったモデルをひとまとめにしてしまいましょう。 編集メニューから『全てを選択』 をクリック、選択されていることを確認したら、モデル上で右クリック。 表示されるメニューから、『コンポーネントの作成』 を選び、作成ボタンを押します。 これで、今まで作った天板と物入れが、『ひとまとめのパーツ』 = 『コンポーネント』 として登録されました。


 コンポーネント化することにより、パーツ同士を組み合わせるときに、ポリゴン同士が影響し合って形が崩れてしまう、といった事故を防ぐことができます。 また、パーツとして登録されているので、固定された状態のパーツをいつでも呼び出すことができるようになります。 コンポーネント化の恩恵はこれだけではないのですが、いまはとりあえずこれだけ覚えておいて貰えればOKです。


4.パイプ状の足を作る
 では、足を作りましょう。 JIS規格では足の直径は2.2センチなので、半径1.1センチの円を描きます。 高さはJIS規格の4号(身長150センチの人用)を参考に、机の天板の高さ64センチから天板の厚さ2センチを差し引いて、62センチの高さとします。

 さきほど描いた円の中心から、62センチの高さの線を描きます。 さらに物入れと同じ長さ、38センチの線をヨコに引っ張り、再び地面に向かって62センチの垂線を引きます。 推定機能があるので簡単に正確な線が引けるはずです。 あとは、好みに合わせて角を丸めたりして形を整えます。 これが足の『芯』 になります。


 次に、フォローミーツールを選択し、円をクリック。 そのままさっき引いた芯にそって動かしていくと、それだけでパイプが作成されます。 出来上がったパイプを選択し、天板の底に引いたガイドに合わせると、パイプが机にくっつきます。

 ここはさらっと流していますが、曲面を平面をくっつけるのは割と正確な作業が要求されますので、アングルによっては時間がかかるかも知れません。 くっつきづらいなと感じたら、アングルをグリグリ動かして作業しやすい視点に合わせると上手くいくと思います。

 最後に、机の足より一回り小さいサイズのパイプを3本作って(円ツールとプッシュ&プルツールですぐ出来ます)、それで足元のパイプ同士を繋いでしまいましょう。 ディティールアップのために、物入れの背面に穴を空けたりして完成です。

 完成した机は、再び『全て選択』→『コンポーネントの作成』 でコンポーネント化しておきましょう。

 この後、椅子も作るんですが、要領は机と全く同じなので作業工程は割愛します。

 次回はようやく、教室そのもののディティールアップをやっていきます。

<補足>
 パイプの接地面は、床を傷つけないようにゴムだかプラスチックだかで包まれている机が多いので、そう見えるように処理をしています。 手順としては以下の通り。

1.あらかじめ半径1.1センチの円を描いたときに、その外側に半径1.2センチの円を描画しておく。
2.パイプを作ってしまってから、一度パイプ部分を(選択→右クリックでメニュー呼び出し→『非表示』)見えなくする。
3.すると、中の芯が再び見えるようになるので、外側の円を選択してフォローミーツールを使用、適当な高さ(目算で2~3センチ)まで引っ張れば完成。