端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

馬威駆乗りS

2012-04-11 00:00:00 | BASARA
大学までの道を直列で進む。
見慣れた蒼。
見慣れた紅。
慣れぬは、自分の心持ち。
そわそわしていた理由は、複雑に絡み合い。

Tiger の場合

「案外、早く着きましたな」
「そうだな、道路も空いてたしluckyだった」
「だからといって、毎日の通学には……」
「やーっぱ食うな、ガソリン」

入れたばかりの燃料が、がっつりと減っている。
往復はできるだろうが2往復は厳しそうだ。
自分は、バイトと学業を両立できるほど器用でないし。
ただでさえ、学力面での成績は心許ない。
彼、伊達の支援がなければレポートもどうだか。

『政宗って呼んでねぇの?』

友人の一人から指摘された微妙な距離間。
串に刺さった鳥の唐揚げを食べる手が止まる。
そういえば、名前呼びをしていない。
そのことに元親に言われて気付いた。

『俺は元親だろ?』
『うむ』
『同居人は?』
『佐助』

そこまでいったら、呼べばいいじゃねぇか。
どうした、政宗って呼ぶなとでも言われてるのかよ?

『いや、そのようなことはない』

だったらおかしいじゃねぇか。
明らかにお前の中で優先度が高いあいつが「伊達」で。
俺が名前ってよぅ。

『分かりませぬ、無意識なもので』

手にした串を黙って見つめる。
己の手を見つめて考え込んで何が分かるでもないが。
元親は、臆することなくさらに追及してくる。

『聞いててこっちがヤキモキするぜ。
 矢印はお互いを向いてるくせに、よそよそしいし。
 どこぞの付き合いたてカップルだ、おめぇら!』

カップルと言われて、赤面するのを抑えられない。
伊達とは何でもないのだ、ただの友人。
それで満足だ、何の不満もない。

ホントウカ?

『政宗って呼んでみろ、きっと喜ぶ』
『どうやって?』

自分は口下手だ。
目的を達するための話術なぞ持ち合わせていない。
そもそも意識して、呼び方を変えたことはない。
それを事も無げに言ってのける元親が羨ましい。

『どうって、ノリだ、ノリ!!』
『はぁ』
『それが出来りゃ苦労しねぇってか?
 じゃあよー』

お膳立てしてやっから、それでやってみな。

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おせっかい元親。
タイミング逃すと、呼べないよねーって話。
もちろん、呼ぶな!と言われていても呼ぶに呼べない。
ねぇ、アニキ?

話の展開は、前回の伊達のモノを踏襲。
元親は共通の友人ですが、取ってる授業が全然違うのです。
だから、別の日に、同じような会話をするわけで。

幸村に若干フラグが立ったようです。
自問自答が趣味な彼なら、答えを導き出せるやもしれません。
嗚呼、バイクがすっかり飾りだ…。

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