端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

馬威駆乗りDS

2012-04-25 00:00:00 | BASARA
バイクを停めて、すぐに元親のいる部室に向かう。
後回しにすると彼がうるさいことが一点。
そして伊達、真田両名とも即時実行が性分なのが一点。
並んで歩く彼らの話題は主に。

Dragon と Tiger の場合

「小十郎がよ、真田のツラ見てぇってよ」
「俺を?なぜです?」
「さあなぁ、あいつの考えることは時々分かんねぇから」
「最近、佐助とやりとりがあるようですぞ」
「マジかよ、妙な連携できてなきゃいいが」

ぶらりぶらりと気怠そうに歩く。
しかし、すれ違う女性が振り向くには十分だった。
視線に慣れている伊達は無視を決め込み。
真田に至っては、慣れていないので全く気付かない。
それをクールと取るか、無愛想と取るかは紙一重だ。
結局、部室に着くまでに5回ほど声をかけられた。

「よっしゃあ!俺の勝ちだ!」
「元親に15人も友達がいるとは思わなかった」
「家康、思ってても言ってくれるな、な?」
「素直に感心しているんだ、駆けつけてくれる仲間がそれだけいて羨ましい」

家康と呼ばれた青年は、腕組みをして仁王立ち。
元親はいつも通りの幅を使った立ち方。
入り口を塞ぐ格好で、中に入れる気ゼロだ。

「帰っていいか」
「いやいやいや、見てってくれよ!
 俺様の『暁丸』は、政宗の功績でもあるんだぜ!?」

なぁ!?と腕を引っ張って部屋の奥へ連れていく。
最初は嫌そうにしていたが。
数式の話が出た途端、伊達の目が変わった。
ああなってしまうと、真田は立ち入れなくなってしまう。
手持ち無沙汰に立っていると、家康青年が笑う。

「取られてしまったな」
「別に取られたなどと……」
「真田は何が得意だ?」
「はぁ、剣道なら得意ですが」
「剣道の真田!?すごいな、まさかこんなところで会えるとは!」
「あの……」
「俺は徳川家康、噂は君の叔父上から聞いているぞ」
「家康って!忠勝叔父さんとこの!?」
「そう、弟子だ。今後ともよろしくな、幸村!」

太陽のように笑う男だな、と真田が思うが早いか。
肩をがっちりホールドされた。
誰だ!?と横を見ると、鬼の剣幕の伊達だ。

「Hey, 随分楽しそうだな?」
「だ、伊達!?」

伊達の表情を真正面から見ている家康。
怪訝な顔が徐々に何やらわかった顔に変わっていく。
腕組みをして、またしても笑顔を作る。

「『真田』を取ってすまなかったな『伊達』」
「……食えねぇやつ」
「え、え?」

「行くぞ」

ゆきむら。

真田の耳が確かに。
伊達の声で紡がれた名前を捕らえる。
おそらく聞きたくてたまらなかった言葉だ。
そうに違いなかった。
彼の顔が見る間に緩む。
そうして。

「待ってくれ、政宗!」

ああ、ようやく言えた。
二人が出ていった部屋で。
優しげに笑う友人二人あり。

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いきなりの登場、徳川家康。
3のビジュアルで頼む。
家康は、元親の仕込みなので名前を知ってます。

> 「取られてしまったな」
> 「別に取られたなどと……」
> 「真田は何が得意だ?」

この流れ、おかしいですよね?
でも、真田は気付きません。
生まれたてのピュアですから。

諸事情ありまして、忠勝は義父ではなく、叔父さんに。
家康と幸村は、この血縁関係が肝です。
このシリーズではどうだか知りませんが。

ちょっと目を離した隙に、知らない男と親しげに。
しかも、名前呼びをされてて、駆けつけた政宗。
相当面白くなかったのでしょうね。
幸村は、驚いたけれど元親が「ノリだ、ノリ!」と言っていたのを思い出して。
政宗!と呼ぶことが出来ましたとさ、めでたしめでたし。

ま。
ここからが本番なんですけどね、予定では。

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