端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

馬威駆乗りDS

2011-11-19 00:00:00 | BASARA
伊達は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
相手は、ホラね、と笑った。
お互いが一張羅の黒いスーツ。
一人は蒼いネクタイ、もう一人は紅いネクタイ。
紅いネクタイが笑顔のまま言う。

「鳩が豆鉄砲を食らったような顔してますな」

Tiger と Dragon の場合

「……推薦って言ってたが、アンタ、付属校?」
「この大学は単発ですよ」
「……だよなぁ」

もしかしてコネ?
いいえ、一般家庭にそんなのないですよ。
じゃあ……。
スポーツ特待生です。
Ah..., なるほどねぇ。

二人が話しているのは、壇上の脇。
新入生代表として、挨拶をすることになっていたのだ。
伊達は試験でぶっちぎりの成績を修めたとかで。
3月に大学側から打診がきた。
一方の真田は、推薦合格が決まった瞬間に打診がきた。
特に思うところもなかった。
学校長の挨拶が終わって、在校生挨拶へ。
退屈だ、と思っているのはお互い様のようで。
いつもはあまり話さない伊達が口を開きっぱなしだ。

「学力は全然だめで、国語と日本史はよかったんですが。
 この二教科じゃ行けるところってないんですよ」
「せめて、英語と世界史だったらなぁ?」
「で、剣道で一芸入試?したら、選び放題になりまして。
 通いやすくて、学力がそれなりのところを選びました」
「それなりって、ここ、偏差値高いぞ。通常講義大丈夫なのか」
「そのための一芸ですから」

そうじゃなきゃ、何のための制度でしょうや。
さぁ?大会に勝つためじゃね?
強いのですか?
名前、聞いたことねぇなぁ。

壇上で拍手が聞こえる。
在校生の挨拶が終わったようだ。
係りの生徒が慌ただしくセッティングを始める。
それを他人事のように二人は見ていた。

「……バイク乗ってるか?」
「土曜の昼間に、そちらは?」
「毎日、夜間に」
「会わないわけだ」

寂しそうにふと笑う。
その顔を見て、ああ、会いたかったのかと伊達は理解する。
自分もそうであったから。

「学校は?どうやって来てる?」
「電車です、ガソリン代バカにならんでしょう」
「まぁそうだな」

伊達が係りの者に呼ばれる。
一歩足を踏み出す。
すぐそこに、全校生徒が待っている。
伊達は、目線を前に据えたまま真田に話しかけた。

「……日曜の昼間」
「例の通りにおります」
「そうか」

新入生代表として名を呼ばれる。
マイクの前に立ち、優等生を演じ始めた。
真田はそれを見ていた。
ああ、ああいう顔もするのかと。
淡泊な感想しか持ち得なかった。

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会話は意図的に口語っぽくしてます。
なので「に」とか「は」とかがよく抜けてます。
言い回しがちょっと変なのも、私がそういう風に話すからです。

政宗は幸村がここにいることに納得がいってません。
それなりに努力して、センター試験を突破したからです。
推薦とはいえ「疾風ママチャリ」と同級生って微妙な心境だと思います。
学力ではなく、スポーツ推薦と聞いてほっとしたようです。

「日曜の昼間」と言っただけで全てを察する幸村。
「例の通り」とは、暴走一輪車が撮られた通りを指します。
日曜の昼間にあの通りで待ってるからツーリングしようぜ、って誘いです。
大学生は時間だけ有り余ってるんですよね、お金ないけど。

淡々と日常を会話メインで書くことになると思います。
少しでも大学生活の匂いを感じていただけたら幸いです。

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