端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

俺さまの愛だ!

2006-12-24 19:37:16 | テキスト(よろず)
「というわけでぇ、受け取れ」
「何をだ、何を」
「おいおい、まさかじらしてんの?」
「はぁ?」
「…本当に今日、何だか分かってねぇの?」

*****************************

「え、今日?」
「うん、今日って何かあったか?」
「う~ん、ゼロスが言うんだから何かあるはずだよね」
「そうなんだろうけど…。思い当たるもんないんだよな」
「ごめんね、あたしも分からないよ」
「そっか、ありがとなコレット」
「ううん、力になれなくてごめんね」

「何それ、惚気?」
「は?」
「日付」
「日付?」
「それでも分からない?全然ダメだね」
「冷たいなぁ…」
「まさかみんなに聞くつもり?」
「う~ん、分かるまではなぁ」
「…せいぜい呆れられないようにね」
「何でだよ?」
「答えに辿り着いたら、分かるんじゃない?」

「え、何の日か?」
「うん、先生教えてくれよ」
「……。ロイド、今日の日付は分かっている?」
「ジーニアスも言ってたな。日付で気付けって」
「その通りよ」
「え~?分からないから聞いているのに」
「今日の日付は分かっていて?」
「確か…、24日だっけ?」
「あとは、連想ゲームね。一生懸命考えなさい」
「分かったよ」

「24日、ですか?」
「うん、プレセアは何かあるか?」
「はい、パパとケーキを食べました」
「ケーキ?」
「ロイドさんは食べませんでしたか?」
「んー、そう言えば親父がローストチキンを焼いていたっけ」
「ゼロスくんは幸せになりたいんだと思います」
「幸せ?」
「幸せを与えあう日ですから」

「あ、あたしに聞くかい!?」
「なんだよ、しいな」
「あ、あのねぇ!それは惚気にしか聞こえないんだよ!」
「24日って幸せを与えあう日なのか?って聞いただけだろ?」
「それが、惚気なんだよ!」
「え、何で」
「と、とにかく!二人で仲良くしてな!見えないとこでね!」
「み、見えないところで?」

「ふむ、今日が何の日か知りたいのだな?」
「みんなに聞いたんだけど、さっぱり」
「ロイドはどうも疎いようだな。貴族では考えられんことだが」
「そんなに常識?」
「ロイド。今日は12月24日だ。お前の記憶には何がある?」
「親父の焼いたローストチキン」
「では、父上は何と言っていた?」
「ん~」
「無言で出したか?いつも通りだったか?」
「いや、何か…言っていた気がする…」
「思い出せ、全てはそこにある」

「なぜ、私に訊く?」
「だって一応、ち、父親だし?」
「…、私としては複雑なのだがな」
「クルシスに属していたからか?」
「いや…そうじゃない。神子とお前が…そういう関係だと明かされては」
「うん?」
「はぁ…。いいか、ロイド。今日はな、恋人同士ならば特に大切な日なのだ」
「あっ!?」
「ロイド。私がとやかく言う権利はないが…。
 一筋縄ではいかないものを選んだのだな」

***********************************

「ゼロス!」
「…何だよ、この最低野郎」
「悪かったよ、俺、その…恋人と祝ったことなくてさ、それで」
「……」
「受け取らせてくれ」
「遅いよ、ハニー…」
「うん」
「俺、ショックだったんだよ?」
「うん」
「泣きたかったんだよ?」
「今日はうんと啼け」
「一晩中?」
「…一晩中」



「だから惚気だって言うんだよ!」
「ロイドは本当に”乙女心”に鈍いから」
「これもあの子の良さ…、というべきかしら」
「でも、ゼロスくん可哀想です」
「うむ、無粋だな」
「あたし嘘ついちゃいました、知らないって」
「…ロイドよ。私はどう見守ればいいのだ…」

2 コメント

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Unknown (悪豆こと黒兎。)
2006-12-26 03:02:31
昨日読ませていただいたのですが、
何故か昨日は重くてコメント開けなくて、
今更コメント。

聖夜にええモン拝ませていただきました。
ナムナム。
乙女ゼロスはモエモエですな!(オイ
ウッヒョヒョーイ!!
そしてがんばれお父さん笑。
むしろゼロスのお義父さん(オイ

みんなに幸あれ!

ルクティアはまだー?


関係ないが、
ジョニ男さんを誰と絡ませればいいのか
わからなくて知恵熱中。
ストーリーとか性格とかわからんでいいから、
何か一言言ってくれ(オイ
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うぬ? (はお)
2006-12-26 19:43:41
る…ルクティア?
約束したっけ?

んー。
そうねぇ…。
リオンじゃないかぁ?(精一杯考えた結果)
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