にらみ合って、動かない。
両者剣の柄に利き手を添えて、今にも引き抜こうとしている。
保護者は、その様子を窺いつつ、フリザードを飛ばしあっている。
こちらも全く動かない。
沈黙を破ったのは、ティーダだった。
「ここはどこだ、お前は何だ、腹出しってありえなくね!?」
「俺だって知らねぇ、お前は誰だ、左右非対称ってありえなくね!?」
ルークも負けじと返す。
「「どっちもどっちだ」」
保護者組がダイヤモンドダストを飛ばしながら、つっこむ。
ぬぬぬぬ、と声に出しながらルークとティーダはにらみ合う。
さあて、どうしたものかとジェイドが思っていたそのとき。
ティーダが動いた。
攻撃か!?と身構えたが、彼は踵を返して走り去った。
その動きにアーロンも動く。
「お、おい!」
ルークがたまらず、声をかける。
アーロンは、一言。
「貴様らには関係ない!!」
そこに焦燥感が見て取れて、ジェイドはふむ…とつぶやくに止まった。
**********************
「先ほどの彼らも、おそらく我々と同じようにしてここに来た可能性があります。
というか、それしかないでしょう」
「何故ですの?」
「我々の格好もなかなか個性的ですが、彼らの格好も個性的でした。
あんな服を着ている民族、国は知りません」
「あの人たち、いかにも金持ってませんって感じでしたね~」
「戦い慣れているようだったから、きっと、用心棒か何かをしているわね」
「それで? 追いかけてみるのかい?」
「決まってるだろ!追いかけて、殴る!」
「私怨で行動を決めないでよぅ~!」とアニス。
ルークは自分のファッションを指摘されたことが腹立たしいのだ。
たったそれだけのことで、恨みがましく思うとは何とも子供くさい。
しかし、ここにいつまでいてもしょうがないので追いかけることに決めた。
巨大人形トクナガを先頭にして、はぐれないように移動する。
そう走らないうちに、喧騒が聞こえてきた。
先ほどの声と、嫌と言うほど聞きなれた声。
ジェイドはピタッと動きを止めて、くるりと方向転換をしようとする。
「うっわ~…」と言ったガイの感想が全てを物語っていた。
そこに。
六神将たちがいた。
**********************
ユウナの口笛が聞こえた。
筋肉が軋むのが分かったが、急旋回と急発進はやむを得なかった。
あそこにはキマリとワッカ、ルールーと遠距離攻撃を得意とするメンツしかいない。
油断した、そう悔いながら走る距離はいつかの砂漠を思い起こさせた。
ユウナが攫われ、シーモアと結婚する映像が映し出されて。
自分がユウナを死へ導こうとしていた愚かさを呪いながら、早く着け!と念じた。
あの焦燥感、罪悪感。
拭いきれないドロドロとした何かがいつも自分の中にあった。
ユウナの姿を捉えた。
側にはヒゲ面で髪を高い位置でくくっている男がいた。
ためらうことなく、剣を抜き払い、ジャンプして舞い上がる。
「ユウナから離れろぉ!!!」
「ぬおっ!!!!」
つい先ほどまで、ヒゲ男がいた位置に迷うことなく剣が振り下ろされていた。
ユラリと立ち上がると、ユウナの前に立ちはだかる。
遅れてきたアーロンが状況を確認する。
泣いてる男が一人、慰めているのが一人。
ルールーの人形に触っているのが一人、いすに座っているのが一人。
突っ立っているのが三人。
何だ、この連中。
「何をする!」
泣きじゃくりながら、男が叫んだ。
ティーダは、怒りに任せて怒鳴る。
「ユウナの側にいるのは俺だっつーの!あんた、誰だ!」
「私か?私は、ヴァン・グランツ。あ、名刺いる?」
「いらねぇ」
あまりの即答ぶりにヴァンはまた泣き崩れる。
「ああ、閣下っ! 閣下はナイーブなんです!やわらかく接してあげて!」
「いい年こいたおっさんが泣くな!」
「…聞いたか、リグレット!『いい年』だと!」
「ええ、閣下! あなたは『いい年』ですよ!」
「そうだとも、私は『いい年』こいたおっさんだ!」
「「「胸張って言うことじゃないだろ」」」
ティーダと立っている赤髪と緑髪が声をそろえる。
いすに座った男が離れたところで悲鳴を上げた。
視線を向けると、ルールーの人形を触っている。
彼女の人形は動く。
それに悲鳴を上げたのだろうと思っていると。
「このサイズで動くですって~!!!
ちょっと、あなた!コレはどのようにして作ったのです!?
この天才、薔薇のディスト様の腕を持ってさえ実現できなかった、
小型符業人形をあなたのような輩が何故持っているのです!?
さっさと答えなさい!!!!」
ディストが詰め寄っていると、頭に何かが当たった。
何だ?と視線を落とすと、景気よくボッと顔に火を噴く。
ぐわぁ!と声を上げるのもかまわず、とてとてとちみっこい生き物は撤退していく。
帰っていった先には、ルークがいた。
「お前…」
「お前を殴りに来たんだけど、何かそれどころじゃない感じ」
「兄さんっ!?」
「ティアか!会いたかった!なかなか来てくれないから兄さん寂しかったぞ!」
「空なんかに基地を作るから、手間取ってるんじゃないか」
「ガイはロマンがなさすぎる!!」
「ストーップ!!!」
ん?とルークたちが動きを止める。
ティーダが顔を引きつらせながら、状況を整理していく。
「あんたらは知り合いなんだな?」
「ああ、敵対関係」
「おっさんとこの人は兄妹なんだな?」
「ええ…」
「失礼だけど、年は?」
「16よ、兄は27」
一瞬の沈黙。
あ、とユウナが思ったときにはティーダはヴァンに詰め寄っていた。
「てめぇ、さてはロリコンかぁ!!!」
「誤解を招くようなことをぬかすな!」
「さっき、ユウナを口説いてたじゃねぇか!!」
「妹に似ていたから、声をかけただけだ!」
「ふっざけんな!!」
「ふむ、こうして並べてみるとやはりティアのほうが可愛いな」
「ぶっ殺す」「兄さん!」「ダメ、ティーダ!」
**********************
「話を総合すると、みな、バラバラの場所から来たようですし。
我々にいたっては、世界も違うようです」
ジェイドが我々と言いながら、自分たちとティーダたちを指差す。
お互い落ち着いて名を告げあい、腰を下ろした頃には場は重い雰囲気になっていた。
「だけど、言葉は通じる」
「せめてもの救いだ、これで意思の疎通が図れなけりゃキツかった」
「あー、アルベド語みたいな?」
「そうそう。何言ってるか全ッ然わかんなかった」
「あんたはどうみる?」
アーロンがジェイドにたずねる。
ただ静かに口を開く。
「我々は作為的にこの空間に閉じ込められています。
この空間は言わば、るつぼですよ。
我々を閉じ込めた人物が望めば、さらに人数が増えますよ?」
「人物?」
「そうですよね? 筆者」
はい、そのとおりです。
あ…、返事しちゃった…。
**********************
どこへ行くのか、わかりませんぞー!!!!
とりあえず、本当に書きたいのは「アビスでFFⅩ」なので。
次の次(ぉ で入れればいいなぁと思っています。
何気に「3000字」突破してます。
愛だねぇ…。
両者剣の柄に利き手を添えて、今にも引き抜こうとしている。
保護者は、その様子を窺いつつ、フリザードを飛ばしあっている。
こちらも全く動かない。
沈黙を破ったのは、ティーダだった。
「ここはどこだ、お前は何だ、腹出しってありえなくね!?」
「俺だって知らねぇ、お前は誰だ、左右非対称ってありえなくね!?」
ルークも負けじと返す。
「「どっちもどっちだ」」
保護者組がダイヤモンドダストを飛ばしながら、つっこむ。
ぬぬぬぬ、と声に出しながらルークとティーダはにらみ合う。
さあて、どうしたものかとジェイドが思っていたそのとき。
ティーダが動いた。
攻撃か!?と身構えたが、彼は踵を返して走り去った。
その動きにアーロンも動く。
「お、おい!」
ルークがたまらず、声をかける。
アーロンは、一言。
「貴様らには関係ない!!」
そこに焦燥感が見て取れて、ジェイドはふむ…とつぶやくに止まった。
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「先ほどの彼らも、おそらく我々と同じようにしてここに来た可能性があります。
というか、それしかないでしょう」
「何故ですの?」
「我々の格好もなかなか個性的ですが、彼らの格好も個性的でした。
あんな服を着ている民族、国は知りません」
「あの人たち、いかにも金持ってませんって感じでしたね~」
「戦い慣れているようだったから、きっと、用心棒か何かをしているわね」
「それで? 追いかけてみるのかい?」
「決まってるだろ!追いかけて、殴る!」
「私怨で行動を決めないでよぅ~!」とアニス。
ルークは自分のファッションを指摘されたことが腹立たしいのだ。
たったそれだけのことで、恨みがましく思うとは何とも子供くさい。
しかし、ここにいつまでいてもしょうがないので追いかけることに決めた。
巨大人形トクナガを先頭にして、はぐれないように移動する。
そう走らないうちに、喧騒が聞こえてきた。
先ほどの声と、嫌と言うほど聞きなれた声。
ジェイドはピタッと動きを止めて、くるりと方向転換をしようとする。
「うっわ~…」と言ったガイの感想が全てを物語っていた。
そこに。
六神将たちがいた。
**********************
ユウナの口笛が聞こえた。
筋肉が軋むのが分かったが、急旋回と急発進はやむを得なかった。
あそこにはキマリとワッカ、ルールーと遠距離攻撃を得意とするメンツしかいない。
油断した、そう悔いながら走る距離はいつかの砂漠を思い起こさせた。
ユウナが攫われ、シーモアと結婚する映像が映し出されて。
自分がユウナを死へ導こうとしていた愚かさを呪いながら、早く着け!と念じた。
あの焦燥感、罪悪感。
拭いきれないドロドロとした何かがいつも自分の中にあった。
ユウナの姿を捉えた。
側にはヒゲ面で髪を高い位置でくくっている男がいた。
ためらうことなく、剣を抜き払い、ジャンプして舞い上がる。
「ユウナから離れろぉ!!!」
「ぬおっ!!!!」
つい先ほどまで、ヒゲ男がいた位置に迷うことなく剣が振り下ろされていた。
ユラリと立ち上がると、ユウナの前に立ちはだかる。
遅れてきたアーロンが状況を確認する。
泣いてる男が一人、慰めているのが一人。
ルールーの人形に触っているのが一人、いすに座っているのが一人。
突っ立っているのが三人。
何だ、この連中。
「何をする!」
泣きじゃくりながら、男が叫んだ。
ティーダは、怒りに任せて怒鳴る。
「ユウナの側にいるのは俺だっつーの!あんた、誰だ!」
「私か?私は、ヴァン・グランツ。あ、名刺いる?」
「いらねぇ」
あまりの即答ぶりにヴァンはまた泣き崩れる。
「ああ、閣下っ! 閣下はナイーブなんです!やわらかく接してあげて!」
「いい年こいたおっさんが泣くな!」
「…聞いたか、リグレット!『いい年』だと!」
「ええ、閣下! あなたは『いい年』ですよ!」
「そうだとも、私は『いい年』こいたおっさんだ!」
「「「胸張って言うことじゃないだろ」」」
ティーダと立っている赤髪と緑髪が声をそろえる。
いすに座った男が離れたところで悲鳴を上げた。
視線を向けると、ルールーの人形を触っている。
彼女の人形は動く。
それに悲鳴を上げたのだろうと思っていると。
「このサイズで動くですって~!!!
ちょっと、あなた!コレはどのようにして作ったのです!?
この天才、薔薇のディスト様の腕を持ってさえ実現できなかった、
小型符業人形をあなたのような輩が何故持っているのです!?
さっさと答えなさい!!!!」
ディストが詰め寄っていると、頭に何かが当たった。
何だ?と視線を落とすと、景気よくボッと顔に火を噴く。
ぐわぁ!と声を上げるのもかまわず、とてとてとちみっこい生き物は撤退していく。
帰っていった先には、ルークがいた。
「お前…」
「お前を殴りに来たんだけど、何かそれどころじゃない感じ」
「兄さんっ!?」
「ティアか!会いたかった!なかなか来てくれないから兄さん寂しかったぞ!」
「空なんかに基地を作るから、手間取ってるんじゃないか」
「ガイはロマンがなさすぎる!!」
「ストーップ!!!」
ん?とルークたちが動きを止める。
ティーダが顔を引きつらせながら、状況を整理していく。
「あんたらは知り合いなんだな?」
「ああ、敵対関係」
「おっさんとこの人は兄妹なんだな?」
「ええ…」
「失礼だけど、年は?」
「16よ、兄は27」
一瞬の沈黙。
あ、とユウナが思ったときにはティーダはヴァンに詰め寄っていた。
「てめぇ、さてはロリコンかぁ!!!」
「誤解を招くようなことをぬかすな!」
「さっき、ユウナを口説いてたじゃねぇか!!」
「妹に似ていたから、声をかけただけだ!」
「ふっざけんな!!」
「ふむ、こうして並べてみるとやはりティアのほうが可愛いな」
「ぶっ殺す」「兄さん!」「ダメ、ティーダ!」
**********************
「話を総合すると、みな、バラバラの場所から来たようですし。
我々にいたっては、世界も違うようです」
ジェイドが我々と言いながら、自分たちとティーダたちを指差す。
お互い落ち着いて名を告げあい、腰を下ろした頃には場は重い雰囲気になっていた。
「だけど、言葉は通じる」
「せめてもの救いだ、これで意思の疎通が図れなけりゃキツかった」
「あー、アルベド語みたいな?」
「そうそう。何言ってるか全ッ然わかんなかった」
「あんたはどうみる?」
アーロンがジェイドにたずねる。
ただ静かに口を開く。
「我々は作為的にこの空間に閉じ込められています。
この空間は言わば、るつぼですよ。
我々を閉じ込めた人物が望めば、さらに人数が増えますよ?」
「人物?」
「そうですよね? 筆者」
はい、そのとおりです。
あ…、返事しちゃった…。
**********************
どこへ行くのか、わかりませんぞー!!!!
とりあえず、本当に書きたいのは「アビスでFFⅩ」なので。
次の次(ぉ で入れればいいなぁと思っています。
何気に「3000字」突破してます。
愛だねぇ…。
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