端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

あなたに逢いたくて

2009-10-31 00:25:38 | テキスト(よろず)
会いたくて会いたくてたまらない。

焔と月

「夕飯までには帰ってこいよ」
「わーってるよ」

ガイに送り出されて。
宿屋から出てきたのはルーク・フォン・ファブレその人。
手ぶらで出ていった彼が。
数時間後、いっぱいのお菓子を持って帰ってくる。
そう、今日はハロウィーンである。

会う人物、ほぼ全員に声をかけ。
笑顔でご挨拶。
その様子に、なぜかお菓子をあげたくなる。

「あんがと、おばちゃん!」
「またおいで」

早々と100人斬り達成。
この調子なら、例年並みの回収率になるだろう。
街をフラつく彼の目の前に。

(あ…)


落ち着かない。
この日はどうにも落ち着かない。
彼が自分の周りにいなくなる。
自分以外の人間に近付く。
自分を見なくなる。
寂しい、悲しい、怖い。
気がついたら、宿を飛び出していた。


走り出した。
会いたい。
どうしても。
街のこの広さがもどかしい。

「あ」
「あ」

自分の前に会いたかった人物。
お互いの息があがっている。

「「……」」

なんと言えばいい?
トリックオアトリート?
違う、言いたいのはそんなことじゃない。

「どこに行くんだ?」
「あ、あなたこそどうしてここに?」

伝えたい言葉はこれじゃない。
飾る言葉なんて持ち合わせていない。

「ティアに会いに来た」
「え?」

街で黒髪の女の人を見たらもうダメだった。
君に会いたくて。
ティアに会いたくて。

「ティアは?」

ルークがそばにいない。
これだけのことが耐えられない。
孤独が耐えられない。
いつから弱くなったんだろう。
いいえ、最初から強くなかった。
誰かがそばにいることの心地よさを知らなかっただけ。

「…あなたを探しにきたの」

絞り出すような声。
こんな自分をさらけ出すのが恥ずかしい。

「「……」」

しばしの沈黙。
ティアは顔を赤らめて下を向き。
ルークは口を少し開けて、呆気にとられた。
そうして、少しの時間の後。
本当に嬉しそうに笑って近付く。
ティアの視界にルークの靴が入ったと思った途端。
腕を引かれて、細い路地へ。

「ここでいい?」

甘える声。
これだけでいい。
抱き寄せられて、ティアは囁く。

「…ばか」

***************************

恒例のルクティアです。
確か、このブログを立ち上げてからずっとこの二人で書いていたはず。
今年は大胆だなぁ。

泣く。
私も会社で泣きまくってますが。
「引くからやめなさい」と言われました。
テキスト向きな発言(ぇ は一切なかったです。
SMAPの楽曲に多かったりします。

いなくていい、なんて奴はいないのさ。

はい、コレ、テキストに出まーす。(ぉ
使いやすいフレーズだと思わんか。
思わないか、残念だ。

コメントを投稿