この世は平和である。
人類が繁栄し、文明は進み、技術は高度。
科学で証明できないものはなく。
謎とされるモノはないとされている。
その認識で間違いない。
表向きは。
「ぎゃっはー!! 死ぬ死ぬ」
「だぁーってろ! 気ぃ散る!」
「あー、そこ左なー」
ぶんっと左にふるった刃は、わずかに味方の鼻を掠める。
悪気はない、緑頭の男は『左』と言われたから左に振るっただけだ。
運悪くその「左側」にいた長鼻の男が再び悲鳴を上げる。
「妖怪に殺される前におめぇに殺されるわ!!」
「手応えがねぇ、どこ行った!?」
「無視かよっ!!」
「斬れてる斬れてる、動きは鈍ってんよ」
「場所!」
「お前の真後ろ」
ザンッ!!
「はい、お疲れさま。
今回も無事退魔出来たみたいねー」
「おぉ…」
見事にズタボロの三人を見ても。
三人の雇い主ナミは心配するでもなく。
依頼主の携帯に成功報酬の請求を始める。
彼女が経営しているこの店は完全に規格外。
「いない」とされている「存在」を消すことを生業とする。
いわゆる「退魔師」と呼ばれる存在であるが。
「退魔」なんて言葉は一般人はまず知らない。
そのため世間から彼らは「掃除屋」なんて呼ばれている。
ちなみに『退魔出来るまで帰ってくるな!』が社訓である。
「あ、明日の9時にニューゲートさんちに掃除ね!
遅れたらただじゃすまないわよ?」
「うわぁ…、半日がかりだ…」
その「表向き」の看板も有効に活用し。
昼間は「清掃業」、夜は「退魔」の仕事をこなしている。
拘束時間は18時間以上のきっちりブラック会社である。
「ところであんたたち。
この請求書の山はどうしてくれるの?」
びらっと見せられた紙はざっとみるに20枚以上。
今回壊したガラス代、水道管修復代、ビルの補修代など。
よくぞこれだけ数えたものだと言うくらい請求される。
「報酬もらってんだろ、そこから出せよ」
「嫌よ、これは私のお金!
給料からさっ引くからね!!」
その給料だって大して貰えていない。
しかし金銭面で口論したところで勝ち目がないので。
別のところで文句を言うことにする。
「壊すな、ってーのが土台無理なんだよ」
「あ、ナミさん、壊してるのはこいつだけだからね」
「……」
「全額あんたに負担してもらうわ。
以後半年はムキュウね」
このムキュウ。
半年無休で働き、無給でご奉仕の意である。
ため息一つつくと緑頭の男は了解と返答した。
よろしいと笑顔の経営者。
長鼻の男は隣の金髪の男にこそっと耳打ち。
「あそこでお前、仲間を売るか?」
「本当のことだろ、あいつが壊した」
「けどよぅ…」
「なんなら助けてやりゃいいだろ、正社員」
「雀の涙だ、期待すんな!」
「胸張るとこじゃねぇなぁ」
そこまで話して真面目顔。
たばこに火をつけ、一息吸う。
「まぁ、運命共同体だからな…」
*********************************************
某兎さんがなかなか面白いことを呟いていたので。
書いてみました、なんちゃって退魔もの。
はっきり言って勢いです。
主人公がどうやってもゾロなのは、仕方ないと思います。
書いてる人がゾロファンなんだもの。
イタリア観光の移動するバスの中で書きました。
3時間バス移動とかもう書くしかなくね?
人類が繁栄し、文明は進み、技術は高度。
科学で証明できないものはなく。
謎とされるモノはないとされている。
その認識で間違いない。
表向きは。
「ぎゃっはー!! 死ぬ死ぬ」
「だぁーってろ! 気ぃ散る!」
「あー、そこ左なー」
ぶんっと左にふるった刃は、わずかに味方の鼻を掠める。
悪気はない、緑頭の男は『左』と言われたから左に振るっただけだ。
運悪くその「左側」にいた長鼻の男が再び悲鳴を上げる。
「妖怪に殺される前におめぇに殺されるわ!!」
「手応えがねぇ、どこ行った!?」
「無視かよっ!!」
「斬れてる斬れてる、動きは鈍ってんよ」
「場所!」
「お前の真後ろ」
ザンッ!!
「はい、お疲れさま。
今回も無事退魔出来たみたいねー」
「おぉ…」
見事にズタボロの三人を見ても。
三人の雇い主ナミは心配するでもなく。
依頼主の携帯に成功報酬の請求を始める。
彼女が経営しているこの店は完全に規格外。
「いない」とされている「存在」を消すことを生業とする。
いわゆる「退魔師」と呼ばれる存在であるが。
「退魔」なんて言葉は一般人はまず知らない。
そのため世間から彼らは「掃除屋」なんて呼ばれている。
ちなみに『退魔出来るまで帰ってくるな!』が社訓である。
「あ、明日の9時にニューゲートさんちに掃除ね!
遅れたらただじゃすまないわよ?」
「うわぁ…、半日がかりだ…」
その「表向き」の看板も有効に活用し。
昼間は「清掃業」、夜は「退魔」の仕事をこなしている。
拘束時間は18時間以上のきっちりブラック会社である。
「ところであんたたち。
この請求書の山はどうしてくれるの?」
びらっと見せられた紙はざっとみるに20枚以上。
今回壊したガラス代、水道管修復代、ビルの補修代など。
よくぞこれだけ数えたものだと言うくらい請求される。
「報酬もらってんだろ、そこから出せよ」
「嫌よ、これは私のお金!
給料からさっ引くからね!!」
その給料だって大して貰えていない。
しかし金銭面で口論したところで勝ち目がないので。
別のところで文句を言うことにする。
「壊すな、ってーのが土台無理なんだよ」
「あ、ナミさん、壊してるのはこいつだけだからね」
「……」
「全額あんたに負担してもらうわ。
以後半年はムキュウね」
このムキュウ。
半年無休で働き、無給でご奉仕の意である。
ため息一つつくと緑頭の男は了解と返答した。
よろしいと笑顔の経営者。
長鼻の男は隣の金髪の男にこそっと耳打ち。
「あそこでお前、仲間を売るか?」
「本当のことだろ、あいつが壊した」
「けどよぅ…」
「なんなら助けてやりゃいいだろ、正社員」
「雀の涙だ、期待すんな!」
「胸張るとこじゃねぇなぁ」
そこまで話して真面目顔。
たばこに火をつけ、一息吸う。
「まぁ、運命共同体だからな…」
*********************************************
某兎さんがなかなか面白いことを呟いていたので。
書いてみました、なんちゃって退魔もの。
はっきり言って勢いです。
主人公がどうやってもゾロなのは、仕方ないと思います。
書いてる人がゾロファンなんだもの。
イタリア観光の移動するバスの中で書きました。
3時間バス移動とかもう書くしかなくね?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます