端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

ハイタッチ!

2012-03-29 00:00:00 | 名コンビな二人に5題
名コンビな二人に5題
- 僕と組むのは 君以外考えられない -

ある日の放課後。
いつものように始まり、いつものように。

「待てぇー!!花村ぁ!!」
「なんで、いっつも俺!?」

ハイタッチ!

「おや、どうしたのですか?」
「白鐘!!俺は、無実だ潔白だ!!」
「は?何がでしょう?」
「あああ!来る!里中が来る!」

落ち着かない様子で、ばたばたと廊下を走っていく。
花村を見送った白鐘は、そのまま里中と対面することになった。
もちろん、彼女が彼を追ってきたからだ。

「どうしたんです?」
「花村と鳴上くん…、マジで何なの……?」
「は?何がでしょう?」
「普通、男友達の額に触る!?」
「触るときもあるんじゃないですか?」
「耳打ちして、顔赤らめたりは?
 絆創膏を指でなぞって『どうしたの?』って訊いたりは!?
 普通?ねぇ、これ、普通!?」
「……何が仰りたいのか、よく分かりました」

そう応えた白鐘の頬は赤い。
聞いただけでこれなのだから、見せつけられた方はもっと目の毒に違いなかった。
あー、貧乏くじ引いたぁ!と里中が頭を掻きむしる。
彼女の席は、鳴上の隣だ。
みたくなくても視界に入るし、聞きたくなくても聞こえる。

「今日はついに、名前呼びですよ……」
「あの仲の良さに…ですか…」

それは、さぞ周囲にピンクオーラが展開したことだろう。
その雰囲気に耐えきれず追いかけた、という里中に白鐘は同情した。
いい加減にしろ!と言いたくもなる。

「なぜ、花村先輩なのですか?」
「鳴上くん、めっちゃ足速いし、男前だし無理。
 花村は雑魚いし、ぎりぎりとっ捕まえられるし」
「当たりやすい、と」
「そういうこと」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

別の放課後、下校時。
校門に向かう折り、校庭に目を向ける。
すると、校門に男子生徒が一人立っていた。
長身に白めの髪。
十中八九、鳴上悠だ。
なんとなしに様子を見ていると、男子生徒が駆けてきた。
茶髪にオレンジ色のヘッドホン。

「悠!」
「陽介!」

校門前でハイタッチ。
下校するだけにしては、妙な光景だ。

「来たぜ、里中の追撃回避5連勝!」
「ああ、さすがだ!」

つまり、それだけ『見せつけた』ということだ。
クラスメイト諸君は、さぞ居心地が悪かろう。
二人は、さっさと歩き出す。
するっと、自然に。
所謂『恋人繋ぎ』をして。

「今日はどこ行く?」
「俺の部屋は?」
「悠、いやらしいことをするから却下」
「えー?」

白鐘は、この言葉を初めて呟いた。
今まで理解できない、などと毛嫌いして申し訳なかった。
これほど、明確な意思表示はない。

「リア充爆発しろ」

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お題にかこつけた「鳴上悠が花村陽介を落とすまでの経緯」
最初からこれは決めてた。
アニメがいけないんです。

色んなコミュを形成したけど。
やっぱり、君が好きです。
一番好きです。
鳴上悠は天然ジゴロ!!

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