分かっていて手を出したんだ。
それは言い切れる、間違いない。
「はっ・・・、やべぇ」
目の前にいるのは、複数人。
全員15才くらいになろうという年上だ。
しかも相手は、あの「ザングス一派」。
10歳である自分が対等に闘えるはずもなかったが。
「炎」が扱える分、いけると思ったのは迂闊だった。
如何せん、決定的に「体力の差」がありすぎたのだ。
「どうしたぁ、若人よぉ~」
「ザングス、あなたも若いです」
「早くもお疲れですかぁ?
体力付けにゃダメだぜぇ?」
「あなたの体力は、馬鹿がつくほどありすぎですが」
「ま、頑張ったほうだよ。
おかげさんで、火傷になっちまったしな」
ひらひらと右手を振って見せた。
包帯が巻かれてはいるが、他の連中よりも軽症だった。
炎の直撃を受けたはずなのに、妙だなと思った矢先。
しっかり返答が得られた。
「もう治っているでしょう。
あなたの回復力は異常なのは分かってます。
格好付けなくていいんですよ、ザングス?」
ザングスの横にいる白い人物は、さくさくとコメントしていく。
すっかり毒気を抜かれて、周りがしら~っとしてきた。
確か、俺は今、この間のお礼参りをされていたはずだ。
ありがたいことに、俺も、回復力には自信がある。
こうしている間にも体力が戻りつつあった。
気を取り直して、ザングスがひとつ咳払い。
一気に「悪い顔」になった。
「そろそろ終わらせてやるよ。帰りたいだろ?」
ぐっと意識を集中する。
「炎」を右手に形成していく。
ザングス一派も間隔を狭めて、俺を囲い込む。
一触即発、とはまさにこのことだろう。
「まずは、本日分のお礼だ」
その言葉が合図だったように。
陣形が動いた。
右にいたと思った男が、すぐそばにいた。
反応する前にミゾオチに一発、蹴り。
メリッと音がして瞬間的に意識が飛ぶ。
そのまま地面にひれ伏すと、髪をつかまれ左ほほに打衝。
右手側に転がされ、蹴りの嵐。
やばい、死ぬ。
あ”ぁ-------!!!!
やけに気合の入った雄たけびが聞こえた。
何だ、この声?
「なんだぁ? って、うぃー!!?」
俺を蹴っ飛ばしていた奴が一人吹っ飛んでいった。
他のやつらが怯んだところで、もう一撃。
目の前に足が見えた。
いや、倒れこんでいるから足しか見えない。
声が上から降ってくる。
「怖くねー!こ~わ~く~ねぇ~ぞぉ~~!!」
声が震えている。
明らかに怖がってるじゃないか。
あー、もう、何で来たんだ。
怒りと嬉しさがごっちゃになって。
正確な気持ちは表現できないけれど。
そこに、チェットがいた。
それは言い切れる、間違いない。
「はっ・・・、やべぇ」
目の前にいるのは、複数人。
全員15才くらいになろうという年上だ。
しかも相手は、あの「ザングス一派」。
10歳である自分が対等に闘えるはずもなかったが。
「炎」が扱える分、いけると思ったのは迂闊だった。
如何せん、決定的に「体力の差」がありすぎたのだ。
「どうしたぁ、若人よぉ~」
「ザングス、あなたも若いです」
「早くもお疲れですかぁ?
体力付けにゃダメだぜぇ?」
「あなたの体力は、馬鹿がつくほどありすぎですが」
「ま、頑張ったほうだよ。
おかげさんで、火傷になっちまったしな」
ひらひらと右手を振って見せた。
包帯が巻かれてはいるが、他の連中よりも軽症だった。
炎の直撃を受けたはずなのに、妙だなと思った矢先。
しっかり返答が得られた。
「もう治っているでしょう。
あなたの回復力は異常なのは分かってます。
格好付けなくていいんですよ、ザングス?」
ザングスの横にいる白い人物は、さくさくとコメントしていく。
すっかり毒気を抜かれて、周りがしら~っとしてきた。
確か、俺は今、この間のお礼参りをされていたはずだ。
ありがたいことに、俺も、回復力には自信がある。
こうしている間にも体力が戻りつつあった。
気を取り直して、ザングスがひとつ咳払い。
一気に「悪い顔」になった。
「そろそろ終わらせてやるよ。帰りたいだろ?」
ぐっと意識を集中する。
「炎」を右手に形成していく。
ザングス一派も間隔を狭めて、俺を囲い込む。
一触即発、とはまさにこのことだろう。
「まずは、本日分のお礼だ」
その言葉が合図だったように。
陣形が動いた。
右にいたと思った男が、すぐそばにいた。
反応する前にミゾオチに一発、蹴り。
メリッと音がして瞬間的に意識が飛ぶ。
そのまま地面にひれ伏すと、髪をつかまれ左ほほに打衝。
右手側に転がされ、蹴りの嵐。
やばい、死ぬ。
あ”ぁ-------!!!!
やけに気合の入った雄たけびが聞こえた。
何だ、この声?
「なんだぁ? って、うぃー!!?」
俺を蹴っ飛ばしていた奴が一人吹っ飛んでいった。
他のやつらが怯んだところで、もう一撃。
目の前に足が見えた。
いや、倒れこんでいるから足しか見えない。
声が上から降ってくる。
「怖くねー!こ~わ~く~ねぇ~ぞぉ~~!!」
声が震えている。
明らかに怖がってるじゃないか。
あー、もう、何で来たんだ。
怒りと嬉しさがごっちゃになって。
正確な気持ちは表現できないけれど。
そこに、チェットがいた。
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