端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

LOVE PHANTOM06

2010-01-03 06:00:00 | ワンピース
「私はニコ・ロビン。
 その土地の歴史について調査している者です。
 ここの歴史についてならこの寺と紹介されました」
「はぁ」

LOVE PHANTOM

お茶を出しながらも。
背中に興奮からでない汗が流れていく。
ありがとう、と受け取られ。
一瞬は顔が緩むものの。
場は地縛霊の縄張りに入ったかのように空気が張りつめる。
ゾロが警戒しているのだ。

「どこの土地にも偉人が存在するでしょう?
 東の土地にミホークあり、とか。
 ここは、風来坊ロロノアが終焉を迎えた土地なのよ」

どきりとした。
「こいつ」と同じ名前。
ゼフがずずっとお茶を啜る。
我関せずを態度で思いっきり示している。
気になったが、今はそれどころじゃない。

「土地を流れて人を救った風来坊ロロノア。
 実際は虚無僧だったらしいけど。
 帯刀していたから、そうみられなかったらしいわ。
 彼の最期はご存じ?」
「…助けた連中に殺されたんですよね」
「祝賀会で酒を振る舞われて、油断したところを滅多切り。
 剣で生計を立てていた彼にしてみれば、さぞ無念だったでしょう」
「…で、俺はなんで呼ばれたんですか?」

一度言葉を切り。
ロビンはサンジと視線を切り結ぶ。

「この寺のロロノア・ゾロの石碑。
 先ほど見せてもらったけれど。
 『あそこ』には、いた形跡はあるのにいないわ」

心臓早鐘。
まさか、そんなまさか。
見えてるのか?

「虚無僧ロロノア。 そこにいるわね?」

ぎゅるっと空間が歪む。
背後のロロノア・ゾロが具現化する。
睨みを利かせて、ロビンに噛みつかんばかりだ。

『てめぇ、退魔師か』
「いいえ、ただの歴史評論家よ。
 霊感はあるけれどね」
「ほぉ、こいつがロロノアか。
 いい面構えしてるな」
「見えるのか!?」
「こんだけ怒ってりゃあ、嫌でも見えるぜ」

襖が震え。
蝋燭の炎が大きくなり。
ビリビリと填められたガラスが音を鳴らす。

「サンジくん、あなたの守護霊は彼よ」
「え? 最近、こいつに憑かれたんですよ?
 そんなことって…」
「本来の奴を追い出したんだろうよ。
 相当、気に入られたなチビナス」
「はぁ?」
「『彼』は優秀な守護霊だから、さほど支障はないわ。
 ないけれど」

この人の話し方は、いちいち人を不安にさせる。
そして、次の言葉はあまりにも衝撃的だった。

「優秀な守護霊は同時に強力な怨霊なの。
 あなたには害はなくても、周りには有害。
 悪霊なのよ」

確かにこいつの存在は呪詛に近い。
けど、それは「俺に対して」だけだ。
周りに危害が及ぶ?
そんなバカな。

「相手を思えば思うほど、それは強力な呪詛になる。
 残念だけど、ロロノア・ゾロ。
 あなたは一緒にいられない」

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風来坊ロロノア。
本当は巡礼の旅をしていたのに。
極度の方向音痴のため、巡礼がままならなくなり。
なし崩しに「虚無僧」になったとかそういう奴です。
生前の彼のお師匠さんは、彼の方向音痴を見くびっていたんでしょうね。

法力は生前は全然ありませんでした。
神様を信じるよりも、自分を信じていたので。
死んでから時間が有り余っていたため。
筋トレの時間を瞑想に当てていたら、Lv.UPとかしてました。
うっかり、現役バリバリの僧よりも力を持ってしまったために。
「怨霊」のレベルに到達してしまったのです。

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