端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

背中合わせで

2012-03-08 00:00:00 | 名コンビな二人に5題
名コンビな二人に5題
- 僕と組むのは 君以外考えられない -

「鳴上」
「ん?」
「死ぬときは、一緒だぜ…」

背中合わせで

「それはまた、不吉な」
「ここの敵、めっちゃレベル高いじゃん。
 普通にやべぇんだけど」
「そうだな、もうちょっと手加減して欲しいな」
「そっち行ったよ!攻撃!」
「!! 逃げろっ!!」
「逃げるな!花村ぁ!」
「だから、俺たちはレベル低いんだって!」
「千枝、私が足下崩すからその間にやっちゃって」
「鳴上くん、攻撃力強化!花村は守備低下させて!」
「鳴上、後ろ頼む。詠唱中は無防備だから」
「わかった」
「待ってろ、レア素材~~~!!!」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「あー、今日もキツかったぁ」
「レベル上げしないとダメかもな」
「そうは言ってもさ、俺たち『時間』限られてるじゃん?」
「……そうだな」

部屋に散らかった菓子の残骸や攻略本を片付ける。
いつものメンツでケータイゲーム機を持ち寄って。
里中主催の「狩りパーティ」を行ったのである。
使った食器は里中と天城が下げに行った。
きっと今頃菜々子と洗っている。
花村と二人、片付けをするのも慣れたものだ。

「なぁ、鳴上」
「なんだ?」
「俺たちの『現実』ってどっちだ?」
「え?」
「ゲームも、俺たちの状況も『現実離れ』してるだろ?
 いや、分かってるけどさ。
 なんか、やってることは同じかなぁって」
「そうだな、いつでも背中を守ってもらってる」
「あー、いや、言いたいのはそれじゃなくて……」
「視界にオレンジがあると落ち着く」
「そういうこと言う?お前さぁ」
「ん?」

花村の顔をのぞき込む。
見る間に顔が真っ赤になる。
陰口を言われることに慣れているせいか。
花村は好意を真正面からぶつけると面白いように照れる。

「……俺もさ、視界に黒があると落ち着く」
「ありがと?」
「そこは素直に受け取っておけよ」
「わかった」
「…なんだかなぁ」
「なんだろうな」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「どうしたの、雪子?入らないの?」
「部屋に、すごく、入りづらい」
「あたしたちいるの忘れてるんじゃない…?」

速攻で帰りたい気持ちだったが。
帰ろうにも荷物は部屋の中に置いてある。
ケータイ電話も鞄の中だ。
万事休す。

「……道歩くとき、背中に気をつけなきゃ、ね?」

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花村~、うしろうしろ~!!!

4人がプレイしているのはモン〇ンです。
でも、筆者がやったことないのでかなりテキトーです。
調べてすらいない。
おい、お前、なめてんのか。

冒頭はかの有名な「名探偵コナン 時計仕掛けの摩天楼」から。
背中合わせって言ったらコレしかなかった。

「ダンジョン」の話と見せかけて、実は「ゲーム」の話。
今、自分たちのやっていることは本当に「現実」なのか?

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