それは家族の系譜

自分の『父親』はDr.ヒルルク。
『母親』はドクトリーヌ。
じゃあ、ゾロは。
自分にとって何なのだろう。

それは家族の系譜

新薬の開発。
それは、全ての病気に対応するには必要なこと。
材料は出来るだけ身近にあるもので。
自力で採取できるようなもの。
それが無理でも、安価に手に入るものがいい。
贅沢は言わない。
けれど、低い位置に群生してると嬉しい。

「うっ、くっ…」

手が届かない。
もどかしい。
ひと型になればいいのだけれど、それだと鼻が利かない。
でも、人獣型だと背が届かない。
獣型は手が使えないから論外だ。

「なんで…岩肌の上にあるんだっ…！」

何でも治せる医者を目指す上で。
まさか身長がネックになるとは思わなかった。
優しくても、知識がなければ救えない。
それは痛いほど分かっていたのだが…。

「どれだ、チョッパー」
「え…？」

気付くとゾロが後ろに立っていた。
自分と同じように岩肌を見上げている。
きっとどこを見ればいいのか分からないんだろう。
ゾロの身長ならば、十分に届く位置に目当てのものはある。

「え、あ、あれ」
「これか？」

難なく入手。
ほらよ、と渡された薬草。
少し自分が情けなくなってしまう。

「あ、ありがとう、ゾロ」
「おぅ」

わしわしと頭をなでてきた。
くすぐったい。
俺はペットじゃねぇよ！と言うと。
そうだな、悪いと少し困った顔をした。
…何か違ったみたいだ。


「チョッパー、風邪引く」
「ん…？」

薬草を煎じているうちにうつらとしてしまったらしい。
眠いのをこらえて、器具を片づけていく。
けど、そこまでが限界だった。
材料採取に体力を使いすぎた。
起きてられない。
ゾロ、眠いよ…。

「…しょうがねぇな」

軽々と抱き抱えて、男部屋に引っ込んでいく。
柔らかくはないけど、なんだか安心する。
きゅっとシャツを握りしめた。

「やっぱ、ほっとけねぇよ、お前は」
「んー…？」
「ほんと、しょうがねぇ」

眠りに落ちる瞬間、ゾロの優しい顔を見た気がした。
幻聴でなければ、ゾロは俺をこう言った。

『可愛い弟ってなぁ、こういうもんか』

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明智のお礼その１。
まさか本当にとってくれるとは思わなかった。
だから、私も頑張ってみた。

チョッパー。
粒ガムを噛むときは必ず「ランブルっ！」と言います（ぇ
この作品の答えは「長男」「兄貴分」を推奨。
それ以外もあるかもしれない。