俺には叔父がいる。
賑やかな人で、とにかく前向き。
まつには言うなよ。
これ、この人の決まり文句。
「よぅ、慶次!! 飯食うか?」
Therefore, it doesn't say.
同じ前田家に生まれはしたが、こうも違うものかと。
よく地元連中には言われたもんだが。
家の人間からすれば、「大きな」子供と子供がいるようなもんだったらしい。
「また、寺子屋から逃げてきたのですか!?」
「勉学なんてしないでも、生きていけるやい!」
「なんと! 前田家としてのお勤めを放棄なされるおつもりか!」
「いいよぅ、その話はぁー」
「なりません!!」
「ソレくらいにしといてやってよ」
「利家様…」
俺の「出来すぎた」叔父の登場。
毎回毎回いい間合いで出てきてくれた。
「俺のほうから言っておく。
お前は持ち場へ戻れ」
「は、ははっ」
足早に去っていく老中。
その背中を見送ると、引き締まった顔がだらりと解ける。
「当主」の顔から「叔父」の顔へ。
「…寺子屋、つまらないか?」
「体動かすほうが断然楽しいね」
「まぁ、某の甥っ子だからな。 血は争えんというやつだ」
「どういうこと?」
「某もよくサボっていた」
「おいおい!」
「まつには言うなよ」
初陣のとき。
俺は目の前の敵に血が上ってて。
自分が囲まれていることも、孤立していることにも全く気付かなかった。
気付いた時には、騎馬に追い掛け回され。
槍で突かれそうになり、刀を振り下ろされ。
もう逃げられない、そう観念した時。
「我が名は、前田利家!! 某はここだぁああ!!!!」
遠方より聞こえる声。
どれだけ頼もしかったろう。
相手が一瞬怯んだ隙に、槍を振り上げて俺は走り出した。
追いすがる敵の目の前に身を翻す前田家当主。
合流すれば、俺たちは無敵だ。
「前田家のちから、見知りおけぇい!!!」
無事、合戦を終えて。
よくよく叔父の姿を見たらば、腕にも額にも痛々しい傷があった。
まじまじと見ていると、照れくさそうに言った。
「お前を助けようと無理してな、だいぶ斬られたようなんだ。
まつが聞いたら『武家にあるまじき行為だ』と言うだろう。
でもなぁ、甥っ子も助けられないで民は護れまいよ」
「気にするな。某、元気!!」
「あ、まつには言うなよ。
俺が一人でドジをした、ってことにしておけ」
叔父・前田利家はこういう人だ。
誰かのために負った傷も、責任も何もかも「勝手に」やったことにして。
まつ姉ちゃんに心配を必要以上にかけないようにしている。
でも、まつ姉ちゃんは知ってるよ。
あんたがそういう人だから惚れたんだっていつも言ってる。
そんな人にあんたは、最期まで言わないのかい?
自分が討たれたとしても「まつには言うなよ」って言うのかい?
かっこよすぎるだろ。
だから、いい年になった今でも頼りになる「叔父上」に。
悪戯をしかけてやりたくなる。
「慶次!! 水風呂は堪忍しろ!!」
どんなひどい有様になったって、まつ姉ちゃんはあんたのこと嫌いにはならないさ。
かっこ悪いあんたのほうが、俺は好きだけどね。
*************************
ギャグになっていない気がする…が、まぁ、こんなんでいいか。
前田家の三人が好きで、食材探しの時は吹いた。
三人が一同に揃うあのステージはいつも瞬殺ですがたまりません。
「慶次、いるって」にすげぇ癒されたのはいい思い出。
次は、む…。
伊達家お野菜事情か。
賑やかな人で、とにかく前向き。
まつには言うなよ。
これ、この人の決まり文句。
「よぅ、慶次!! 飯食うか?」
Therefore, it doesn't say.
同じ前田家に生まれはしたが、こうも違うものかと。
よく地元連中には言われたもんだが。
家の人間からすれば、「大きな」子供と子供がいるようなもんだったらしい。
「また、寺子屋から逃げてきたのですか!?」
「勉学なんてしないでも、生きていけるやい!」
「なんと! 前田家としてのお勤めを放棄なされるおつもりか!」
「いいよぅ、その話はぁー」
「なりません!!」
「ソレくらいにしといてやってよ」
「利家様…」
俺の「出来すぎた」叔父の登場。
毎回毎回いい間合いで出てきてくれた。
「俺のほうから言っておく。
お前は持ち場へ戻れ」
「は、ははっ」
足早に去っていく老中。
その背中を見送ると、引き締まった顔がだらりと解ける。
「当主」の顔から「叔父」の顔へ。
「…寺子屋、つまらないか?」
「体動かすほうが断然楽しいね」
「まぁ、某の甥っ子だからな。 血は争えんというやつだ」
「どういうこと?」
「某もよくサボっていた」
「おいおい!」
「まつには言うなよ」
初陣のとき。
俺は目の前の敵に血が上ってて。
自分が囲まれていることも、孤立していることにも全く気付かなかった。
気付いた時には、騎馬に追い掛け回され。
槍で突かれそうになり、刀を振り下ろされ。
もう逃げられない、そう観念した時。
「我が名は、前田利家!! 某はここだぁああ!!!!」
遠方より聞こえる声。
どれだけ頼もしかったろう。
相手が一瞬怯んだ隙に、槍を振り上げて俺は走り出した。
追いすがる敵の目の前に身を翻す前田家当主。
合流すれば、俺たちは無敵だ。
「前田家のちから、見知りおけぇい!!!」
無事、合戦を終えて。
よくよく叔父の姿を見たらば、腕にも額にも痛々しい傷があった。
まじまじと見ていると、照れくさそうに言った。
「お前を助けようと無理してな、だいぶ斬られたようなんだ。
まつが聞いたら『武家にあるまじき行為だ』と言うだろう。
でもなぁ、甥っ子も助けられないで民は護れまいよ」
「気にするな。某、元気!!」
「あ、まつには言うなよ。
俺が一人でドジをした、ってことにしておけ」
叔父・前田利家はこういう人だ。
誰かのために負った傷も、責任も何もかも「勝手に」やったことにして。
まつ姉ちゃんに心配を必要以上にかけないようにしている。
でも、まつ姉ちゃんは知ってるよ。
あんたがそういう人だから惚れたんだっていつも言ってる。
そんな人にあんたは、最期まで言わないのかい?
自分が討たれたとしても「まつには言うなよ」って言うのかい?
かっこよすぎるだろ。
だから、いい年になった今でも頼りになる「叔父上」に。
悪戯をしかけてやりたくなる。
「慶次!! 水風呂は堪忍しろ!!」
どんなひどい有様になったって、まつ姉ちゃんはあんたのこと嫌いにはならないさ。
かっこ悪いあんたのほうが、俺は好きだけどね。
*************************
ギャグになっていない気がする…が、まぁ、こんなんでいいか。
前田家の三人が好きで、食材探しの時は吹いた。
三人が一同に揃うあのステージはいつも瞬殺ですがたまりません。
「慶次、いるって」にすげぇ癒されたのはいい思い出。
次は、む…。
伊達家お野菜事情か。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます