向かった先は海の家。
俺たちが出会った場所。
俺は何も隠さない。
姿も、言葉も、感情も。
ミュージック・アワー
近付く足はただ力強く地面を踏みしめる。
遠くの方で悲鳴に近い声があがるが、それだけだ。
その悲鳴が「恐怖」なのか「興奮」なのかは分からない。
時刻は11時を回ろうとしている。
病み上がりの『俺』は何をさせられているのだろうか。
近付くにつれ、聞き慣れた声がしてきた。
紛れもなく『俺』の声。
若干高いのは、おそらく接客用だ。
「ウソップ」
「さ、サンジ!!」
おっと、と口を押さえて小声で何で?と聞いてくる。
なるほど、有名人だからオフレコなのか。
肩をちょっと上げて、ちょっとな、とだけ返す。
納得したのか、そうでないのか微妙な顔。
気持ちを切り替えて、話題転換。
あのよ、とウソップは話し出す。
「笑顔のゾロがあんなに不気味だとは思わなかったぜ」
「そうだな」
「だって、笑顔だぜ!?
お待たせしましたって言うんだぜ!?
あの仏頂面のゾロが!!」
「…あー」
「今日のサンジは怖い顔してるし。
なんかアベコベだな」
「半分正解」
「へ?」
迷いなく俺は海の家に足を踏み入れた。
小さなどよめき。
見据えた先には、ロロノア・ゾロ。
「行くぞ」
「…おぅ」
すみません、ちょっと出ますと丁寧に断る。
あとで何か言われそうなことばかりしてくれる。
見知った浜辺を歩く。
そうでないと、目的地まで着くことが出来ないから。
「どこまで行くんだ?」
「俺がこの海の家に来たもう一つの理由」
「???」
「行けば分かる」
サクサクと音がする。
人の声が遠くなる。
呼吸が聞こえる。
誰の?
俺とあいつの。
なぁ、と話しかける。
何?と答える。
前を行く背中は、振り返らずに。
「あれ、お前の曲?」
「…うん?」
「この間、タクシーでこの歌好きかって聞いたろ?」
「…あぁ~。 うん、そう」
「やっぱりだ」
「何?」
「耳に残ってるんだ。
お前の声だからだな、きっと」
「声?」
「俺の声じゃあ、感じが違う。
あの曲はお前の声じゃないと」
少しずつ、少しずつ。
お前の心を手繰り寄せる。
「恥ずかしい奴」
「本当のことだからな」
'目的地'まであと少し。
********************
さぁて、そろそろ締めまっせ~。
友情で終わらせるか、それ以上にいかせるかは決めてない。
どうっすかねぇ…。
サンジがゾロを選んだ理由。
ゾロがサンジの誘いに乗った理由。
サンジが夜の海が好きな理由。
ゾロが昼の海に行く理由。
ぼかした場所はきちんと改修せにゃあ…。
まあ、自己満足の世界です。
4/1に書いたので、ウソップキャンペーン。
俺たちが出会った場所。
俺は何も隠さない。
姿も、言葉も、感情も。
ミュージック・アワー
近付く足はただ力強く地面を踏みしめる。
遠くの方で悲鳴に近い声があがるが、それだけだ。
その悲鳴が「恐怖」なのか「興奮」なのかは分からない。
時刻は11時を回ろうとしている。
病み上がりの『俺』は何をさせられているのだろうか。
近付くにつれ、聞き慣れた声がしてきた。
紛れもなく『俺』の声。
若干高いのは、おそらく接客用だ。
「ウソップ」
「さ、サンジ!!」
おっと、と口を押さえて小声で何で?と聞いてくる。
なるほど、有名人だからオフレコなのか。
肩をちょっと上げて、ちょっとな、とだけ返す。
納得したのか、そうでないのか微妙な顔。
気持ちを切り替えて、話題転換。
あのよ、とウソップは話し出す。
「笑顔のゾロがあんなに不気味だとは思わなかったぜ」
「そうだな」
「だって、笑顔だぜ!?
お待たせしましたって言うんだぜ!?
あの仏頂面のゾロが!!」
「…あー」
「今日のサンジは怖い顔してるし。
なんかアベコベだな」
「半分正解」
「へ?」
迷いなく俺は海の家に足を踏み入れた。
小さなどよめき。
見据えた先には、ロロノア・ゾロ。
「行くぞ」
「…おぅ」
すみません、ちょっと出ますと丁寧に断る。
あとで何か言われそうなことばかりしてくれる。
見知った浜辺を歩く。
そうでないと、目的地まで着くことが出来ないから。
「どこまで行くんだ?」
「俺がこの海の家に来たもう一つの理由」
「???」
「行けば分かる」
サクサクと音がする。
人の声が遠くなる。
呼吸が聞こえる。
誰の?
俺とあいつの。
なぁ、と話しかける。
何?と答える。
前を行く背中は、振り返らずに。
「あれ、お前の曲?」
「…うん?」
「この間、タクシーでこの歌好きかって聞いたろ?」
「…あぁ~。 うん、そう」
「やっぱりだ」
「何?」
「耳に残ってるんだ。
お前の声だからだな、きっと」
「声?」
「俺の声じゃあ、感じが違う。
あの曲はお前の声じゃないと」
少しずつ、少しずつ。
お前の心を手繰り寄せる。
「恥ずかしい奴」
「本当のことだからな」
'目的地'まであと少し。
********************
さぁて、そろそろ締めまっせ~。
友情で終わらせるか、それ以上にいかせるかは決めてない。
どうっすかねぇ…。
サンジがゾロを選んだ理由。
ゾロがサンジの誘いに乗った理由。
サンジが夜の海が好きな理由。
ゾロが昼の海に行く理由。
ぼかした場所はきちんと改修せにゃあ…。
まあ、自己満足の世界です。
4/1に書いたので、ウソップキャンペーン。
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