端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

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2009-09-18 22:08:56 | ポケモン系
「腹減った」

彼は迷子になったときの鉄則。
その場から動かない、を完全に無視して。
ずんずん進んでいく。
どっかに出るだろうという根拠のない自信だ。
その彼の後ろを一つの影がみていることを。
まだ彼は知らないでいる。

ワンコとわんことその保護者2

ガサリと自分がたてた以外の音がした。
後ろを振り返えるも、誰もいない。
こういうとき。
彼は「ほえる」と決めている。

「うおおおおおおおおおお!!!」

たいていの相手はこれで退散するのだが。
今度の相手はそれに怯まず。

「おおおおおおおおおおお!!!」

倍返しで「ほえて」きた。
デューイは耐えきれず、その場から飛ぶ。
本能で自分より格上だと認識したためだ。
相手は、ためらわずに進んできた。
「ほえられた」ことで、自分の存在が認知されたと分かったからだ。

(くそ、森じゃ かえんほうしゃ 出来ねぇし・・)

森で小火を起こして。
親はもちろん、村の人たち全員に怒られた。
そして、何より一番怖かったのは。

「…誰だ、お前」

突然、聞こえてきた声に体が跳ねた。
ぬっと現れた黒い影がデューイを見つめる。
震えはしなかったが、身動きが出来ない。

「…敵?」
「違う違う、迷子!」
「…はっきり言うことじゃないだろ?」

相手は、何か可哀想なものを見るような目をした。
じーっと見つめること、しばし。
また新しい声がした。

「誰だった? クラトス」
「…元気な迷子」

その姿に、デューイは竦みあがった。
彼が子供の頃、一番怖かった。

「さる兄ちゃん!!!!?」
「おー? デューイか」

おっきくなったなぁー、と頭をわしわししてくる。
右手で払うと、また別の手。

「わっわっわ!!」
「クラトス、子供好きだよなぁ」
「俺は成人したよ!」
「年下は子供なんだとさ」

頭が必要以上にぐしゃぐしゃになったあと。
改めて、さるたひこを見た。
ある日突然山に籠もってしまった「さる兄ちゃん」
まさかこんな形で出会うとは。

「お前、チェットはどうしたんだ?」
「チェットは…」
「いたああああ!!!!」

遠くの方で、泣き叫ぶ声がした。
黒っぽい服装に、白に、白?
疑問に思う前にチェットが抱きついてくる。
おいおい泣きじゃくる彼と。
やれやれといった表情のザングスとアラン。

「アランさん、デューイだよ!」
「本当にここにいたんですね」
「ったく、心配かけやがって」
「ありがとう、ザングス~」
「ザングス?」

その名前を聞いた瞬間、さるたひこに火がついた。
ザングスへの距離を一気に縮め、マッハパンチ。
ザングスが後ろへ飛んだのを確認し。
追撃しようとしたが、アランのでんこうせっかに阻まれた。

「てめぇがザングス…」
「あんだぁ?」
「俺の可愛い弟分に、余計なこと吹き込みやがって!
 基本の練習サボって強くなれるか!!」
「何年前の話してやがる!」
「クラトス、こいつら敵だ!
 サポート頼む」
「ん」

「愛されてるねぇ、デューイ」
「…おかげさまで」

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こっちで書いたので、絵板でも登場さるたひこ。
相棒のクラトスは、あのクラトスにあらず。
レントラーです。
話し方のモデルはいなかったはずだけど。
なんか、フルバの春っぽい。
可愛いもの好きで、バトルになるとしゃべり方が変わる。
でもね。

地面にめっちゃ弱い。

そこが愛しいさるクラコンビ。
格闘にめっちゃ弱いザンアラコンビもいい味です。
デューチェは…。
弱点もないけど得意もないね!

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