端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

闇、光りて…

2009-06-17 21:16:29 | BASARA
『お前は、傍にあるべきぞ』

「元よりそのつもりだよ…、秀吉」

闇、光手

出陣する兵を見送りながら、男は考えた。
いかにして、彼の理想「富国強兵」を実現させていくか。
先日は毛利の水軍を取り込んだ。
次は、騎馬兵?
それとも、白兵?

「半兵衛様!!!」
「…え?」

兵の一人の声に反応するも、状況は把握できない。
なんだ、どうしたんだ。
何が…。

「…矢?」

自分の肩口に突き刺さる矢。
ああ、これが飛んできたのか。
無意識に避けたらしく、当たり所が微妙に悪い。
刺さった箇所から滲み出る血。
ここで引き抜けば、それなりに出血が派手そうだ。
兵はうろたえて、戦況は混乱している。
まずいな…。
けれど、引き抜くわけにもいかない。

(…万国旗)

そういえば、この間、万国旗をもらったっけ。
「きじゅつし が まやかしを見せる際に使う」とかどうとか。
それどころじゃないが、これで誤魔化すしかないだろう。

「大丈夫!! これは、まやかしだよ!!」

そう言って、派手に万国旗を閃かせた。
いつものように、蝶のように舞い蜂のように刺す攻撃。
ズキリズキリと痛む肩を騙し、相手も困惑させる。

「当たってないのか!!?」
「おい、もう一撃だ!!」
「ダメだ、射程が…」

当たってたまるか。
ただでさえ、文字通り傷口を刃物でグリグリえぐっているのだ。
もう一回喰らったら、耳障りな悲鳴をあげてしまうだろう。
それでは。

「秀吉に合わせる顔が…ないっ!!!!!」



「半兵衛」
「…秀吉」
「血だな」
「…うん」
「お前は、我の傍にあるべきぞ」
「…うん」
「光は、影なくして輪郭を保てぬ」
「君あっての僕だ。 同じだよ」
「分かっているな?」
「もちろんだ、秀吉」

「「果てるなら、共に」」

「しかし、あれだな」
「何?」
「万国旗で戦う姿はまるで動物使いのようであったぞ」
「そ、そうかい」
「結構、あの姿は好きやもしれん」
「本当かいっ!!!?」


戦う軍師兼動物使い 竹中半兵衛 誕生である。

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どこにいこうとしたんでしょうか。
真剣だったんですが。
うん、万国旗からおかしくなった。
しょうがない、半兵衛だもの。

タイトルは誤字ではないです。
念のため。

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