「もったいないですわ」
効果音をつけるなら「どんっ!!」だろうか。
とにもかくにも、ナタリアは腕組みしてそう言った。
目の前には、目を白黒させたティアが座っている。
きっかけは、そう、ほんの些細な独り言から。
Tear's hair is tear and tears are thrown.
あまり居たくはない場所ではあったが、興味がないかと言われると即答できない。
自分の定期診断と彼、ルークの診断もあいまって。
この音機関都市ベルケンドにやってきたのは、朝も早いうちから。
シュウ先生から「もう抱え込んでいませんね?」と聞かれたくらいで。
私の診断は終わってしまった。
問題は、ルークのほうだ。
「長くなりますので、どうぞご自由にお過ごしください」とのこと。
自由時間を得ても、街からは出られない。
そこで思い出したのは、兄蔵書の大量の本。
じゃあ、移動しますかとぞろぞろと移動して。
思い思いの本を手に取り、ページを繰っていた。
そして、そこでこの独り言を口にする。
「髪、切っちゃおうかな…」
ページを繰るたびに目にかかる髪。
少し動くと首元が気になる後ろ髪。
本に集中するには少々、いやかなりうっとおしい。
ティアは、反射的に呟いたに過ぎない。
しかし、その一言を聞き逃さなかったのはナタリアだった。
「切るだなんて、もったいないですわ!!!」
「え? え?」
「髪は女の命! 一番身近なアクセサリーでしてよ!?」
そう言う彼女はいつだって大真面目だ。
思ったら一直線。
彼女の言葉は止まらない。
「わたくしは、舞踏会などの催事によく髪を飾りました。
この旅に行くと決めました時に、切ってしまいましたけれど」
「この世界に髪結いキャラは、アニスとヴァンとリグレットだけですのよ!?
ヴァンとリグレットなどはペアルックですわ!!」
「ティアはそれだけ髪が長いのですから、アレンジしたほうがいいですわ!」
途中、不思議な言葉が聞こえた気がしたが。
要するに、切るくらいなら髪を結べということだろうか。
ティアが口を開くより先にアニスが悪乗りを始める。
「じゃあさ、みんなでティアの髪型考えようよ!」
「いいですねぇ、新しいおもちゃを逃しませんねアニス☆」
「えへぇ☆ んー、やっぱストレートにポニーテールかな?」
「あのショートヘアーの魅力と長髪の魅力が共存しているとかっていう。
マニア垂涎のヘアースタイルか」
「お? ガイもポニテ愛好家?」
「いや、俺はどちらかというとお団子頭派だ」
「意外ですわ。 ショートヘアーが好きなのかと思っていました」
「まぁ、好きっちゃ好きですけど」
「大佐はどんなのが好みなんですか?」
「ご想像にお任せします」
「ぶーぶー、ズルイですよぅ」
「髪を横に結ぶのはどうでしょう?」
「リボンを結んでみるとかはどうだい?」
「あ、あの…」
「いたあああああああ!! 置いてかれたかと思ったじゃねぇか!!」
叫び声の聞こえた先には、ルークの姿。
思いっきり目に涙をためている。
迷子の子供が親を探すように、あちこち探し回って不安に襲われたのだろう。
彼には、苦い苦い前科がある。
「置いていくわけないだろう、置いていく理由がない」
「いねぇんだもん!! 部屋でたら誰もいねぇんだもん!!」
「ごめんなさい、ルーク。 先生が長くかかるからとおっしゃったので」
ふーっ、ふーっと泣くのを我慢しているルークの頭を。
ガイがなでなでしているのをみて、ティアはちょっと羨ましかった。
子犬を撫でている感覚…なんだろうか。
「ねぇ、ルークv」
「…何?」
アニスは無邪気に、空気をあえて読まずに声を弾ませる。
おどろ線を背負ったルークは、むーと彼女に視線を送った。
「ルークはティアにどんなヘアースタイルにしてほしい?」
「あ、アニッ…!!!!」
ど真ん中ストレート。
こんな直球、滅多にお目にかかれない。
コメントが注目される中、ルークはさも当たり前のようにこう言ってのけた。
「ティアはそのままでいいんだよ。
それがティアの魅力だろ」
一同唖然とするなか、ティアだけが顔を真っ赤にして意識を手放そうとした。
それを慌てて抱き起こしたルークにさらに血圧が上がり。
結局、そのままベルケンドに泊まることになってしまった。
そうそう。
その後、彼女はその長い髪を整える程度で髪を切ることはなかったとか。
*************************
タイトルの英語は、かなりのうそ英語です。
意味は「ティアの髪を切って涙する」ってな感じ。
言葉遊びです。
髪にはセクシャルな意味合いが強くて。
特に男性が女性の髪に触れるのはかなりセクシーなことらしいっス。
うなじがいいですよね(ぇ
ティアとか、まつとか、クロデキルドとか。
下手すると男より強い女性が好き、癒せるならなお惚れる。
それに尽くす男が好き過ぎて最近困っている。
効果音をつけるなら「どんっ!!」だろうか。
とにもかくにも、ナタリアは腕組みしてそう言った。
目の前には、目を白黒させたティアが座っている。
きっかけは、そう、ほんの些細な独り言から。
Tear's hair is tear and tears are thrown.
あまり居たくはない場所ではあったが、興味がないかと言われると即答できない。
自分の定期診断と彼、ルークの診断もあいまって。
この音機関都市ベルケンドにやってきたのは、朝も早いうちから。
シュウ先生から「もう抱え込んでいませんね?」と聞かれたくらいで。
私の診断は終わってしまった。
問題は、ルークのほうだ。
「長くなりますので、どうぞご自由にお過ごしください」とのこと。
自由時間を得ても、街からは出られない。
そこで思い出したのは、兄蔵書の大量の本。
じゃあ、移動しますかとぞろぞろと移動して。
思い思いの本を手に取り、ページを繰っていた。
そして、そこでこの独り言を口にする。
「髪、切っちゃおうかな…」
ページを繰るたびに目にかかる髪。
少し動くと首元が気になる後ろ髪。
本に集中するには少々、いやかなりうっとおしい。
ティアは、反射的に呟いたに過ぎない。
しかし、その一言を聞き逃さなかったのはナタリアだった。
「切るだなんて、もったいないですわ!!!」
「え? え?」
「髪は女の命! 一番身近なアクセサリーでしてよ!?」
そう言う彼女はいつだって大真面目だ。
思ったら一直線。
彼女の言葉は止まらない。
「わたくしは、舞踏会などの催事によく髪を飾りました。
この旅に行くと決めました時に、切ってしまいましたけれど」
「この世界に髪結いキャラは、アニスとヴァンとリグレットだけですのよ!?
ヴァンとリグレットなどはペアルックですわ!!」
「ティアはそれだけ髪が長いのですから、アレンジしたほうがいいですわ!」
途中、不思議な言葉が聞こえた気がしたが。
要するに、切るくらいなら髪を結べということだろうか。
ティアが口を開くより先にアニスが悪乗りを始める。
「じゃあさ、みんなでティアの髪型考えようよ!」
「いいですねぇ、新しいおもちゃを逃しませんねアニス☆」
「えへぇ☆ んー、やっぱストレートにポニーテールかな?」
「あのショートヘアーの魅力と長髪の魅力が共存しているとかっていう。
マニア垂涎のヘアースタイルか」
「お? ガイもポニテ愛好家?」
「いや、俺はどちらかというとお団子頭派だ」
「意外ですわ。 ショートヘアーが好きなのかと思っていました」
「まぁ、好きっちゃ好きですけど」
「大佐はどんなのが好みなんですか?」
「ご想像にお任せします」
「ぶーぶー、ズルイですよぅ」
「髪を横に結ぶのはどうでしょう?」
「リボンを結んでみるとかはどうだい?」
「あ、あの…」
「いたあああああああ!! 置いてかれたかと思ったじゃねぇか!!」
叫び声の聞こえた先には、ルークの姿。
思いっきり目に涙をためている。
迷子の子供が親を探すように、あちこち探し回って不安に襲われたのだろう。
彼には、苦い苦い前科がある。
「置いていくわけないだろう、置いていく理由がない」
「いねぇんだもん!! 部屋でたら誰もいねぇんだもん!!」
「ごめんなさい、ルーク。 先生が長くかかるからとおっしゃったので」
ふーっ、ふーっと泣くのを我慢しているルークの頭を。
ガイがなでなでしているのをみて、ティアはちょっと羨ましかった。
子犬を撫でている感覚…なんだろうか。
「ねぇ、ルークv」
「…何?」
アニスは無邪気に、空気をあえて読まずに声を弾ませる。
おどろ線を背負ったルークは、むーと彼女に視線を送った。
「ルークはティアにどんなヘアースタイルにしてほしい?」
「あ、アニッ…!!!!」
ど真ん中ストレート。
こんな直球、滅多にお目にかかれない。
コメントが注目される中、ルークはさも当たり前のようにこう言ってのけた。
「ティアはそのままでいいんだよ。
それがティアの魅力だろ」
一同唖然とするなか、ティアだけが顔を真っ赤にして意識を手放そうとした。
それを慌てて抱き起こしたルークにさらに血圧が上がり。
結局、そのままベルケンドに泊まることになってしまった。
そうそう。
その後、彼女はその長い髪を整える程度で髪を切ることはなかったとか。
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タイトルの英語は、かなりのうそ英語です。
意味は「ティアの髪を切って涙する」ってな感じ。
言葉遊びです。
髪にはセクシャルな意味合いが強くて。
特に男性が女性の髪に触れるのはかなりセクシーなことらしいっス。
うなじがいいですよね(ぇ
ティアとか、まつとか、クロデキルドとか。
下手すると男より強い女性が好き、癒せるならなお惚れる。
それに尽くす男が好き過ぎて最近困っている。
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