イギリス44大聖堂巡り

イギリスの大聖堂探訪記。
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とある男の話 -ガイ・フォークス-

2010-08-06 | 道中こぼれ話
ヨークの散策中に見つけたとある場所。

今は、ホテルのようです。写真手前の1階の2つの窓の間にある青い丸のプレートにお気づきでしょうか。


拡大してみると、


ガイ・フォークス
1570年4月13日此の地に生誕。

1605年11月5日に議会爆破を企んだ悪名高き爆薬未遂事件の首謀者。

1606年1月31日、ロンドンのウエストミンスターにおいて
首吊り・内臓抉り(えぐり)・四つ裂きの刑にて処刑。


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彼の名前をご存知でしょうか?



今から、さかのぼること440年前の1570年。

ある男の赤ちゃんがヨークの町に産声をあげました。

赤ちゃんの名前はガイ・フォークス(Guy Fawkes)。

洗礼式は英国国教会(系)の教会で行われました。

ところが、彼が8歳になったとき、父親が亡くなり、母親は数年後にカトリック信者の男性と再婚。

その後の人生で,彼はカトリック教徒へと転向していきます。

大人になった彼は、赤毛で髭をたくわえ、体格のいい男性となりました。


1500年代後半から1600年代前半といえば、まだまだカトリック英国国教会との対立が激しく、カトリックであるだけで迫害を受ける時代。

そして1605年の11月5日、英国国教会を国教として推すイングランド王ジェームズ1世と政府は、カトリック教徒達の標的となり、事件が起こります。

カトリック復興を願う教徒達が、ジェームズ1世を暗殺するために上院議会の開会日となった11月5日に議会ごと爆破しようとしたのです。

上院議会の真下の地下室で爆薬の保管にあたっていたガイ・フォークス。

ところが、この謀反を告発する匿名の手紙が上院議員の元に渡り、、、

11月5日未明

ガイ・フォークス逮捕



こうして爆破事件は未遂に終わりました。

あとは、青いプレートに書かれていた通りです。

首吊り・内臓抉り(えぐり)・四つ裂きの刑という国王に対する大逆罪を犯した、貴族でない男性にのみ適用される極刑中の極刑にて絶命しています。

UK版のwikipediaによると、首を吊られる絞首台から処刑直前に飛び降り、首の骨を折り死亡。あとに続くはずの内臓抉り(えぐり)と四つ裂きの苦しみを免れることができたと書いてあります。

そして、イギリスでは11月5日は、爆破が未遂に終わったことを祝ってガイ・フォークス ナイトあるいはボンファイア ナイト(Bonfire Night)と呼ばれ、花火やたき火が各地で行われます。



数年前の11月5日に撮影した花火。花火といっても個人で打ち上げるものが多いので、日本の花火大会と比べると、ずいぶん小さいですが...

まるで彼の儚い人生を象徴しているかのようです。

宗教に翻弄されたひとりの男の物語でした。
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
my 辞書に登録のない名前。 (mgrove)
2010-08-06 06:26:24
ガイ フォークス。初耳でした。深く知ると胸の痛む事は、歴史の中にいっぱいありますね。日本でも。毎日更新ご苦労様。
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