ゾウの足あと

「ゾウの足跡の写真をお借りしたいんですけど」
と、ある方から言われたのが、一週間ほど前だ。ゾウのウンチなら数限りなくあり、すぐに出せるのだが、足跡はすぐには出てこない。撮影した記憶はおぼろげにあるが、あまりに当たり前すぎるので、写真に撮っていない。ちょうど、人々が自分の足や手の写真を持っていないのと同じで、私にとって、ゾウの足跡やあまりに日常的すぎるのだ。

それでも何とか見つかると思って探し始めたが、探す時間ばかりかかって、一向に出てこない。そればかり探しているわけにもいかず、ついに一週間も越えてしまった！月末までの約束で、フィルム時代のプリント写真も探してみるとは言ったものの、まだ手をつけていない。

ケニヤ訪問者で、撮影した人がいないか、これからあたってみるか。いや、そういう訪問者だって、膨大な写真の中からゾウの足跡を探し出すのは大変なはずで、時間をかけて探し出してくれるかどうか。だれか、協力してくれることを願って、だめもとでお伺いメールを出してみることにしよう。あっ、それなら撮影してます！と鮮明に覚えている人がいるかもしれない。次回にゾウたちに会う時には、しつこいほどたくさんの足跡を撮るのを忘れないようにしたい。