占星術とアンティキティラ島の機械( 副題 アルキメデス, 古代コンピューター )
アンティキティラ島の機械(アンティキティラとうのきかい, 希: Μηχανισμός των Αντικυθήρων, Mechanismós ton Antikythíron)は, アンティキティラ島近海の沈没船から発見された古代ギリシア時代の遺物で, 天体運行を計算するため作られた手回し式の太陽系儀であると推定されています。
オーパーツの一つです。
アンティキティラ島の機械は, 沈没船の引き揚げから得られました。
この機械は, 1901年に考古学者ヴァレリオス・スタイスによってアンティキティラの沈没船(英語版)から回収されました。
ただし, その複雑さや重要性は何十年もの間気づかれることがなかったのでした。
紀元前3世紀ー紀元前1世紀中ごろの間に製作されたと考えられており, 同様な複雑さを持った技術工芸品は, その1000年後まで現れることはなかったのでした。
フランスの海洋学者ジャック=イヴ・クストーは1978年に最後に沈没船を訪れています。
しかし「アンティキティラ島の機械」の残りの部分を発見するには至らなかったのでした。
アンティキティラ島の機械に関する最新の研究を指導しているカーディフ大学のマイケル・エドマンド教授は
「この装置はこの種のものとしては抜きん出ている。
デザインは美しく天文学から見ても非常に正確に出来ている。
機械の作りにはただ驚嘆させられるばかりだ。
これを作った者は恐ろしく丁寧な仕事をした。
歴史的にまた希少価値から見て、私はこの機械はモナ・リザよりも価値があると言わねばならない」としています。
この発見により古代ギリシア文明は考古学者による従来の想定よりも文明力が優れていることが明らかになりました。
この「アンティキテラの機械」に相当すると思われる装置について,キケロが紀元前1世紀頃の哲学対話集『国家論』の中で太陽,月,当時知られていた5つの惑星の動きを予測する装置について記述しており,その機械はアルキメデスによってつくられたといいます。
実物は, アテネ国立考古学博物館の青銅器時代区画にデレク・デ・ソーラ・プライスによる復元品と共に展示されています。
その他の復元品は米国モンタナ州ボーズマンのアメリカ計算機博物館(英語版),マンハッタン子供博物館に収められています。