goo blog サービス終了のお知らせ 

習作まやこふすきー

自作詩とロシア詩翻訳。

小鳥(プーシキン翻訳)

2010-05-16 18:27:41 | ロシア詩翻訳
異郷にて清く私は守る
往時の故郷の習慣を
自由へと小鳥を解き放つ
春の復活祭の折に

私は慰めに浸るようになった
何を神に文句を言うことがあろう
一つの創造物にでも
自由を贈ることが出来たその時に!

無題(プーシキン翻訳)

2010-05-16 18:11:15 | ロシア詩翻訳
不機嫌な昼は終わった 不機嫌な夜の宵が
空に沿って広がっていく 鉛色の舗装となって
幻影のように 松林の向こうでは
  月が霧につつまれ登った……
全ては暗き憂愁へと魂を引きずりこむ
遠く あそこでは 月が輝き出で
空気は夜の暖かさに満ち
海は豪華な掛布のように揺らめく
青空の下で……
もう時間だ 彼女は山に沿って行き
川岸へと ざわめく波で水浸しの岸へと
  そこで 秘かなる岸壁の下
いま彼女は座っている 哀しく 独り……
独り…… 誰も彼女の前で泣く者はなく 愁う者はなく
忘れ去られ 誰も彼女の湾曲部に口づけするものはなく
独り……誰の唇にもゆだねることはない 彼女は
その肩を その濡れた唇を その白雪の胸を
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
誰も彼女の天上の愛に値はしない
そうでしょう きみは独り……きみは泣く……僕は平穏無事だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だけどもし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

別れ(プーシキン翻訳)

2010-05-16 18:09:54 | ロシア詩翻訳
最後の時に 孤独のとばりの中
私の詩に我らの故郷は耳を傾ける
 リツェーイ生活の愛すべき兄弟よ
きみと最後の瞬間を分かち合おう
  共同生活の日々は過ぎ去った
 引き裂かれてしまった 我らの信頼の輪は
  さようなら!天の庇護にある者よ
  友よ 捨てないでくれ
  自由とアポロンを!
 愛を知れ 私には見ず知らずの
 希望の愛 歓喜の愛 恍惚の愛
 そしてきみの日々が夢の飛翔で
 幸福な静寂において飛んでいきますように!
さようなら!どこに私はいようとも 死の戦いの炎の中でも
故郷の小川の平和な岸のところでも
  気高い兄弟を私は信じている
そしてどうか(運命は私の祈りを聞いているのだろうか?)
どうか皆が きみの友人たち皆が幸せになりますように!

静寂(アイギ翻訳)

2010-02-02 21:14:40 | ロシア詩翻訳
(二つの声の同時朗読のための詩)

  ――ま‐あ...――

  (だが睡眠の中まさにそれは
  生きている
  瞳は)

  ――............... あ‐ま

流れは色濃く、くすんでゆく・・・(チュッチェフ翻訳)

2010-02-02 21:12:49 | ロシア詩翻訳
流れは色濃く、くすんでゆく、
そして硬い氷の下に潜み、
氷の束縛のもと
色は消え、音は失せる。
だが泉の不死の生命だけは
絶対的な寒さも拘束できない。
生命は依然として流れ、さらさら音をたてつつ、
死の沈黙を乱す。

そうして存在の寒さに打ちひしがれた
よるべなき胸においても
楽しげな若さは流れず 、
快活な流れは光を放たず、
だが氷に覆われた水面の下では
いまだ生命はあり、いまだざわめきはあり、
そして時折はっきりと聞こえる
秘密の泉のささやきが!

ヴォールケルについての長詩から(アイギ翻訳)

2009-12-02 23:49:20 | ロシア詩翻訳
あそこでは窓の外の草原の間道で
無煙炭でもって灯がともっている
黒くすすける小駅の家々

そして夜 レールのまわりには
小さな赤い外灯たちが
燃えている 静かに 一心不乱に
まるでその中に座っているかのように
小さなピーメンたちが
そして静かに 遠慮がちに 書く

伝説はいまだ続いていると
1957


訳注
ヴォールケル:固有名、チェコの抒情詩人(1900-1924)
ピーメン:固有名、(元)ロシア正教会総主教(1910-1990,在1971-1990)。1957年11月17日オデッサにおいて、バルタ司教・オデッサ副司教の職を授かっている。

静寂 事件と共に(アイギ翻訳)

2009-12-02 20:31:05 | ロシア詩翻訳
1

その島々

2

そして再び ‐ 暗くなりつつある:
そのとき ‐ 人間‐静寂
/なんと奇妙/危険ではなく

3
そして ‐ /だれでも はなく/ ‐ 光

4
また ‐ 動き
その島々の

かたち - 祝祭へと(アイギ翻訳)

2009-12-02 20:20:48 | ロシア詩翻訳
マレーヴィチ生誕百年の日に


認識で 白い の
遠くに 人間
白い雪にあっては
見えない旗と共に在るかのよう

野 春に(アイギ翻訳)

2009-10-26 17:58:01 | ロシア詩翻訳
あそこでは不思議が知を覆っている

1985

子房(同名のチュヴァシの詩から)(アイギ翻訳)

2009-10-20 00:20:34 | ロシア詩翻訳
р. а.に

放してくれ僕はあなたの真ん中にあるだろう
ほこりだらけの貨幣が入り込んだように
がさがさ鳴る紙幣の中に
絹のつるつるしたポケットの中で:
声を限りに彼女に鳴らすことができたら
しかし何とも響かせるためにはぶつからず

コントラバスが弾かれるとき
そして思い出されるとき
幼年時代に風が
雨でくすぶった 秋の朝に――

放してくれ僕は
立っているハンガーになる
そこには
コートだけじゃなく
もっと何か
重いコートもかけられる

そして僕が自分を信じるのをやめるとき
記憶を生きさせ
僕に不撓不屈を取り戻してくれ
ふたたび顔に
目の筋肉の血圧を感じるために

1954