数日前から,拙宅の三角庭(猫の額その1)にアシナガバチが頻繁に集まるようになった。
近隣のお宅の事情は特に詳らかでないが,築30年に近い老朽家屋の我が家には,しばしばハチが訪れる。マルハナバチ,クマバチ,アシナガバチ,そしてこれは大変困り者だがスズメバチも時々やってくる。単に立ち寄るだけならまだいいのだが,時には家のどこかに巣を作ってしまうこともあるので厄介だ。過去の事例を振り返ってみれば,アシナガバチが3度,スズメバチが1度,拙宅に営巣した。営巣場所は,南庭(猫の額その3)のバルコニー下に2度,家庭玄関の軒下に1度,三角庭のカツラの木に1度といった具合である。
スズメバチで営巣したのは コガタスズメバチVespa analis であったが,これは私が1週間近く出張している間にその留守を狙うようにして?速やかに巣作りに精を出し,出張先から戻ったときには既にソフトボール球くらいの大きさにまで成長していた。まだウチの子供らも小さかった頃ゆえ,これはちょっとマズイぞと身辺の危険を感じ,といって自力で駆除しようにもこちらの手には負えそうもなかったので,取りあえずは市役所に問い合わせた。すると担当方の対応は,役所としては業者を紹介することしかできないので あとはそちらでヨロシクとのことであった。このあたりの事情は自治体により異なるのだろうが(無償で駆除してくれたり,補助金が出たり,完全スルーされたり),当地のようなイナカにおいてはスズメバチの営巣などそれこそ日常茶飯事であろうから,自治体側がいちいち費用負担していたら財政的に追っつかないのだろう。ま,それも仕方ないかということで紹介された業者に電話して駆除を依頼すると,その日の夜に早速やってきて,料金は?ハイ,一万円デス,とポッキリ値段を示された。一瞬躊躇したが,その場で断るわけにもゆかず,言い値で了解して改めてお願いすると,さっそく防護服を身にまとい作業開始。巣めがけて一気に殺虫スプレーを噴射し,それから軒下の巣をビニール袋で下に受けながら棒で叩き落とした。一部のハチは末だブンブン怒って飛んでいたようだったが,更にスプレーを追加噴射して全部を仕留めた。その後,周囲に散乱したハチの死骸をホーキとチリトリで掻き集め,ビニール袋の中に収納回収して,ハイ,これで駆除完了です。ものの5分もかからぬ手際よい一人作業であった。時給換算にすれば12万円/h か。ソレナリのリスクを伴うとはいえ,大変に実入りの良い職業のようである(コンスタントに仕事があれば,の話ですけど)。
業者の話はさておき,今回のアシナガバチであるが,昨日の午後になって仕事場玄関の軒下に数10匹が団子状に集まって何やらモゴモゴやりはじめた。また営巣するのかな? そして始末の悪いことに,彼らを追ってきたのか,スズメバチまで単独でやってきて付近を飛び回るようになった。その様子を見て,出入りの宅配業者が大仰に怖がったりもしていた。手で振り払ったりせずに知らんぷりしていれば大丈夫ですよ,とは言っておいたのだが,ま,普通の人であれば怖がるのも無理ないことでしょう。何しろ玄関のすぐ真上である。
ああ,これはヤッパ駆除しなくちゃならないかなぁ,と思ったけれども,さすがにアシナガバチごとき(失礼!)で業者に依頼するのはお金がモッタイナイしなぁ。ということで,その夜,大分以前に購入してストックしてあったスズメバチ撃退用スプレーを取り出し,軒下に蝟集して休んでいるアシナガバチの群に向けてそれを一気に噴射した。寝込みを急襲された彼らはバタバタと落下して次々と動かなくなり,やがて全て死に絶えた(許せよ!)
翌朝,玄関前に散乱している彼らの死骸をゴメンナサイ,ゴメンナサイの思いを抱きつつ掃き集めた。ざっと数えると,およそ60数匹いた。何匹かには既にアリがたかっていた(今日は御馳走か!)。そのうち一部をサンプリングして調べてみると,キアシナガバチPolistes rothneyiであることがわかった。 改めて,許せよ,キアシナガバチ君たち!