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覚書帳ブログ

とりあえず作ってみたブログなので未定です
多分ニュースやテレビ、本やアニメや漫画の感想とかになると思います

シュガー・ラッシュ

2016-04-29 17:41:39 | 映画等の感想
原題:Wreck-It Ralph
2012年の3DCGアニメ映画
監督:リッチ・ムーア
製作総指揮:ジョン・ラセター
ラルフ:ジョン・C・ライリー/山寺宏一
ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ:サラ・シルヴァーマン/諸星すみれ
フェリックス:ジャック・マクブレイヤー/花輪英司
タモラ・ジーン・カルホーン軍曹:ジェーン・リンチ/田村聖子
キャンディ大王:アラン・テュディック/多田野曜平
リトワクさん:高岡瓶々
ホログラム将軍:石塚運昇
マルコフスキー:最上嗣生
メアリー:堀越真己
ジーン:落合弘治
ウィンチェル:家中宏
ダンカン:武虎
グズタ:仲野裕
タッパー、ビアード・パパ:辻親八
サワー・ビル:青山穣
ザンギエフ:広田みのる
タフィタ・マトンファッジ:友近
ランシス・フラッガーバター:大島美幸(森三中)
キャンドルヘッド黒沢かずこ(森三中)
ジュビリーナ・ビンビン:村上知子(森三中)
グロイド・オレンジボア:近藤春菜(ハリセンボン)
クランベリーナ・ディ・キャラメロ:箕輪はるか(ハリセンボン)

とあるゲームセンターのアーケードゲーム
「フィックス・イット・フェリックス」の悪役ラルフは
身長274cm、体重292kgの巨体でひたすらマンションを壊し
それをプレイヤーが主人公のフェリックスを操作して
フェリックスが父親から受け継いだという設定の
何でもなおせる魔法のハンマーで直すと言う日々を30年間過ごしてきました
しかしゲームが終わるとフェリックスとマンションの住人はマンションで過ごし
フェリックスはマンションの住人達から称えられ労われて
メダルやパイなんかをもらっているのに対し
ラルフはと言えばゲームの最後にマンションの屋上から投げ落とされ
泥の中から立ち上がった後で
廃材等の捨て場になっているゴミ溜めで
切り株を枕にレンガを毛布代わりに眠る毎日であり
そんな孤独な悪役生活にとことん嫌気がさしています

以上の事をグズタ、ドクターエッグマン、ベガ、クッパ、ザンギエフ、サティーン、ゾンビなどの
このゲームセンターの悪役キャラクター達で
開かれている悪役グループセラピーで吐露したラルフですが
同じような境遇と思われる悪役達相手でも
悪役会のみんなはいかに悪役であるかを受け入れると言うスタンスで
ラルフはしっくりきていません
ベガには「まさかターボするつもりじゃないだろうな?」とまで言われてしまいます

ラルフは何度呼ばれてもこの会に顔を出していなかったのですが
今日は「フィックス・イット・フェリックス」の30周年記念の日で
ふと気が向いたのだそうです

俺は悪役、それでいい、ヒーローになれないのは悪いことじゃない、今のままの自分でいいんだ
という締めの言葉で会が終わった後、ラルフは会場になっていた「パックマン」から
大きなサクランボを盗んで持ち帰り
乗り合いバスのような電車のような交通機関で
電源ケーブルを移動して
電源のハブがターミナル駅のようになっている
ゲームセントラルステーションについてゲートを抜けたところで
この駅の管理者のサージ・プロテクターに呼びとめられたりしながらもなんとか誤魔化し
二つのサクランボのうち一つを
自分のゲームが無くなって失業中のキャラクターである
Qバート達に分け与えます

このセントラルステーションでは
電光掲示板に出てきたソニックが
自分のゲームの外で死んだら生き返ることが出来ずに
そこでゲームオーバーだと爽やかに注意を喚起していました

ラルフがトロッコのような簡単な乗り物で
「フィックス・イット・フェリックス」内の発着場に着くと
マンションの屋上から花火が打ち上がっており
ゴミ箱を漁って取り出したコーラの瓶二本を使った双眼鏡でマンションの中を覗くと
楽しげに稼働30周年記念パーティーが開かれており
のけ者にされて面白くないラルフは
パーティー会場を訪れます
壊し屋の登場にパーティー会場は一時騒然としますが
そこはフェリックスが抑えて応対にでると
ラルフはケーキを食べたことが無いから食べてみたいなどとゴネ出し
フェリックスはラルフを連れてパーティ会場に戻ります
住人のおばさんの作ったケーキはマンションの形をしていて
それぞれの部屋が住人の好みの味になっており
メダルを身に付けたフェリックスを始めとした
住人達が屋上に並んでいるという手の込んだ豪華なもので
ラルフはというと怪物然とした仕草と表情でマンションの下の水たまりにいて
ラルフはまたも傷つきます
ケーキマンションの部屋が住人の好みの味になっているということは
作り手がそれを知っているということですが
ラルフの人形はラルフの苦手なチョコレート味というのも
ラルフとマンション住人との距離感を示しています

ラルフはチョコは苦手なんだよな~と言いつつ
自分の人形を屋上にのせ
それを大家のジーンというおじさんが元に戻した後
今度はフェリックスの人形をケーキマンションの屋上から降ろして
自分の人形を屋上に置き
フェリックスのメダルも自分のにくっつけます
するとジーンが怒りだして
悪役がメダルなんてあり得ないと言われ
ラルフは俺だってメダル位!と売り言葉に買い言葉で口喧嘩になって
ラルフは思わずケーキをぶっ潰してしまいます
ジーンはメダルが手に入ったらペントハウス住まわせてやると言い
そしてラルフはメダルを手に入れてみせると捨て台詞を残してその場を去りますが
さりとてラルフには何のあてもありません
とりあえずバーをやっていて顔が広く物知りな
タッパーの店に行って彼に相談しますが
タッパーにも無理だと言われます
しかし客の忘れ物が何かあるかもしれないと言ってくれたので
ゴキブリを追い払いつつ忘れ物の箱を漁りますが
ザンギエフのパンツやメタルギアソリッドの!マーク、マリオのキノコなど碌なものがありません
そんな時にケツだか背中に誰かがぶつかり
ラルフが文句をつけに行くと
ラルフと同じくらいの体格の全身プロテクターで固めた男が
壁にぶつかりながら何かブツブツ言っているヤバイ雰囲気です

文句を言う気は失せたものの
ラルフがそのノイローゼ気味の言葉を聴いていると
一週間メダルなんかの為に毎日サイ・バグと戦って……と言っており
そのメダルの部分に食いついたラルフは
ゴキブリに驚いて勝手に目を回して失神した男の
プロテクターを脱がして
ザンギエフのパンツを穿かせて
忘れ物を漁っていた場所に閉じ込め
彼のプロテクターを着こんでステーションに向かい
そこでさっきサクランボをあげた
象のような鼻のQバートに挨拶して
彼のゲーム「ヒーローズ・デューティ」へと入っていきます

それはサイ・バグという怪物と銃で戦いながら
タワーを制圧するゲームで
キャラクターは女軍人カルホーン軍曹に率いられて
プレイヤーとともに戦うのですが
コイン警報が鳴っていざゲームが始まってみると
巨大な虫のようなメカっぽい化物が大群で飛んできて襲いかかり
30年前の牧歌的なゲームのキャラであるラルフは
面食らって対応できずに、プレイヤーを盾にしてしまうという大失態を犯し
カルホーンに叱られます

ソニックが警告していたように
自分のゲームの外で死んだらもうおしまいなので
ラルフがビビるのも無理はありません

サイ・バグは食べた物を取りこんで同化する能力があり
ラルフの持っていた銃を食べて腕から銃を生やしていました


一旦ゲームが終わっって
サイ・バグ達がビーコンの光に吸い込まれて消えた後
ラルフはやってられないとその場を離れ
タワーの中に輝くメダルを発見すると
外からよじ登って侵入しメダルを手に入れます
するとラルフがメダルを取ってすぐに
立体映像の将軍と軍人たちが彼を称え
ラルフもまんざらでもない様子です
しかし、サイ・バグの卵をラルフが踏んづけたことで卵が孵り
生まれたサイ・バグに顔にはりつかれてパニックになったラルフは
非常用シャトルでタワーを飛び出し
そのまま『ヒーローズ・デューティ』の外に出て
セントラルステーションを通過し
『シュガー・ラッシュ』というゲームの中に飛びこんでしまいます
ラルフはサイ・バグを何とか顔から剥がしたものの
大きくなったサイバグと狭いコックピット内で争った挙句に
綿飴の雲を吸いこんで壊れたシャトルから
一緒に緊急脱出装置で外に飛び出し
ラルフはキャンディーツリーに引っ掛かって
サイバグは沼に落ちて沈んで行きました

ラルフは肝心のメダルを紛失していることに気がつき
慌てて辺りを見回すと
大きな大きなキャンディツリーの頂上付近に
引っ掛かっているのを見つけ
メダルを取り戻そうと木登りを始めるものの
ヴァネロぺという少女に声をかけられ
自分は森林局の職員だと言って誤魔化そうとするものの
当然ながら即バレして
彼女にせっかく手に入れたメダルを盗られてどこかに去られてしまいます
ラルフは沼に落ちながらもそのまま後を追いました

この時ヴァネロぺの体に
不自然なノイズが混ざってチラつき
ラルフは不審感を覚えていました

さっきヒーローズ・デューティでラルフに邪魔されていた
メガネをかけた少女がシュガーラッシュで遊ぼうとすると
オタクが占拠していたので
フィックス・イット・フェリックスをやろうとしますが
ラルフがいないので当然まともに遊ぶことができません
店長のリトワクさんに言ってお金を返してもらい
彼はゲーム画面に故障中を示す貼り紙をします
明日、修理に来てもらって
ダメならうちのばあさんみたいに用済みだろうと言っていました

フィックス・イット・フェリックスのキャラクター達は恐慌状態ですが
フェリックスがラルフはきっとタッパーの店で酔いつぶれてるんだろうとなだめ
トロッコの駅で彼の帰りを待っていると
Qバートがやってきてラルフが「ターボ」したと教えてくれました

フェリックスはラルフを連れ戻そうと
『ヒーローズ・デューティ』へ向かい
非常用シャトルの暴走に殺気立っている
カルホーン軍曹らに殺されそうになったものの
何とか話を聞いてもらい
その時フェリックスはカルホーン軍曹の「解像度の高い顔」に惚れていました
カルホーンは非常用シャトルにサイバグが一匹いたことに気づいていたので
その後を追って、ゲーム・セントラル・ステーションへ行き
サージ・プロテクターに話を聞いた結果
シュガーラッシュにシャトルが入っていったことを知ります
サイ・バグがシュガーラッシュを食べ尽くすこと危惧する軍曹は
そのままシュガーラッシュに行こうとして
宙に浮くボード状のクルーザーの上に乗りますが
その時フェリックスは
ラルフの壊したものの後始末をするのは僕の仕事だと一緒に行こうとし
軍曹はクルーザーの上に同乗することを許してくれました

カルホーン軍曹がこうも厳しい性格をしているのは
結婚式の時に油断して婚約者をサイ・バグに食われ
それをどこからか取り出したミニガンで撃ち殺した過去という
悲しい設定をプログラムされているからだと
彼女の部下のコフートの説明が入ります

『シュガーラッシュ』にやってきたカルホーンとフェリックスは
非常用シャトルを見つけますが、既にもぬけの殻で
フェリックスは「ターボする」の意味を
新しいゲームのキャラクターのため知らないカルホーン軍曹に教えます
それは昔、レースゲーム『ターボタイム』の主人公だったターボというキャラが
その嫉妬深い性格から新しくやってきたレースゲーム『ロードブラスターズ』に人気を奪われたことで
そのゲームを乗っ取ってレースに乱入し、自分のゲームとそのゲームの2つを『故障中』にしてしまい
ゲームセンターからその2つゲームの筐体が撤去された事件の言葉が元になった
他のゲームへの侵入乗っ取り行為を指す言葉でした

もし、ビーコンでしか止められないサイバグが
卵を産んで増えたとしたら
ゲームセンター中のゲームを食いつくして
『故障中』にしてしまうかもしれません

シュガーラッシュでは
翌日のゲームに出るドライバーを決めるための
予選レースに出る選手をエントリーしているところで
お菓子の形をした可愛らしい観衆が会場に集まり
大盛り上がりのお祭り騒ぎの様相を呈しており
そこにキャンディーをバラ撒きながら
キャンディー大王がやってきて
レースの参加料のゴールドコインを先ず自分で投げ入れ
レーサー達も次々に投げ入れていき
放り込まれたコインはすぐにコードへと変換されていきます
最後にヴァネロぺが盗んだメダル放り込んで
それもコード化し無事エントリーされました

しかしながらヴァネロぺは手作り感溢れる
足こぎ式のみすぼらしいカートで参加しようとしており
他の参加者の女の子達はあんなのと一緒に走りたくないという態度で
キャンディ大王もヴァネロぺのレースへの参加には猛反対であり
ドーナツ警官二人にヴァネロぺを捕らえさせようとしますが
その時、ここまでヴァネロぺを追ってくる間に
全身にお菓子をまとわりつかせて化物のようになったラルフが乱入し
ヴァネロぺを追いかけて大暴れして
会場を無茶苦茶に破壊してしまいます
ヴァネロぺはそのどさくさに紛れて脱出し
ドーナツ警官もラルフには手がつけられませんでしたが
ラルフは落ちてきた巨大なカップケーキにすっぽり嵌まって
身動きできなくなった後で
テーザー銃によって捕まりました

キャンディ大王はまだ予選レースの時間はあると
会場を建てなおそうとします

ラルフはそのままオレオ兵の守る城の王の間まで運ばれて
車に乗ったままピットインする形の玉座に納まったキャンディ大王に謁見します
顔の周りのお菓子を取り払われると
大王はラルフの顔を名前を知っていて
このゲームを乗っ取る気かと警戒しており
ラルフはヴァネロぺからメダルを取り返したいだけだと主張しますが
大王はもうコード化されてしまったと取り合わず
ラルフを本来のゲームへと送りかえすように命じて去ります
ラルフはなんとか逃げようともがいた結果
下に落ちてカップケーキが壊れたことで逃げおおせました

カルホーン軍曹とフェリックスは
二本線のキャンディの橋が突然消えて
ネスクイックの流砂の底なし沼にはまり
パニックになったフェリックスが暴れているところを
動くと余計に沈むとカルホーンが殴って落ちつかせます
それによって笑いつる草がゲラゲラ笑いながら下りてきたので
フェリックスはカルホーン軍曹にもっと自分を叩くように頼みました
魔法のハンマーで治しながら殴られまくることによって
二人のところまで下りてきた笑いつる草をフェリックスがつかんで
カルホーン軍曹を持ちあげて脱出に成功し
この時、いい雰囲気の特殊効果が出てつる草がハートを作りますが
カルホーンはすぐに気を取り直して
銃で雰囲気を撃ち払います

二人はフェリックスの魔法のハンマーで直した非常用シャトルに乗って飛んでいましたが
カルホーンに惚れこんだフェリックスが
顔を赤くして運転するカルホーンの横顔を見つめ
あなたは最高に魅力的な人だと言いますが
それは彼女が結婚式でサイバグに食われた婚約者に何度も言われた言葉で
トラウマスイッチになっており、カルホーン軍曹は平静さを保てなくなって
フェリックスを非常用シャトルから降ろし
フェリックスはキャンディ大王の城へと歩いていきます


会場から逃げてきたヴァネロぺがカートを停めて
中をいじっていると
そこに他のレーサーの女の子達がやってきて
ヴァネロぺはこのリケティ・スプリットで出場するんだと
得意げな顔をします
そこにラルフもやってきて物陰から様子をうかがっていると
娘達は寄ってたかってヴァネロぺの手作りの愛車を破壊しだし
ヴァネロぺは突き飛ばされてチョコの水たまりに突っ込んでしまいます
なんてことをするんだと見かねたラルフが
出てきて脅かすと娘達は一目散に逃げ出しましたが
時すでに遅く、リケティ・スプリット号は完全に破壊されています
ラルフは当然ヴァネロぺに対して
メダルを返せと迫ったものの
ヴァネロぺはもうコードになってしまっているので
優勝者が決まるまであのままだといいます
ラルフは嘆きと憤りのあまり
岩のようにそこらに転がっている
めちゃくちゃ硬い変わり玉のキャンディを殴りだし
ヴァネロぺは壊れるわけないと言っていましたが
キャンディは真っ二つに割れました
それをみたヴァネロぺは、何事か思い付いて
自分が優勝してメダルを取り返して渡すので
車を作るのを手伝えと言いだします
ラルフは当然渋りますが
ヴァネロぺは強引に誘って彼を仲間にしました

ラルフとヴァネロぺが向かったのは
ケーキのカートを作る工場のカートベーカリーで
ラルフが厳重に閉じられたドアを破壊して侵入します
どうもこのゲームの中のミニゲームのようで
関口宏の東京フレンドパークIIのようなアトラクションを使って
材料を選んだり、手に入れたり、焼いたり飾りつけたりします
ラルフが施設を派手に壊しつつも手伝い
なんとか出来上がったカートは
見てくれには若干問題があるものの
はじめて手に入れたまともな車にヴァネロぺは大喜びしていて
つくった人ヴァネロぺとラルフ
というサインを二人で入れて
ラルフはこの時初めて笑顔を見せます
破壊が仕事の彼が何かを作ったのはおそらくこの時が初めてでしょう

ラルフが工場の製造施設を破壊したので
居眠りしていたそこの守衛のお爺さんのビアードパパにも気付かれて
キャンディ大王たちの車で追われることになります
経験が無いので当然ながらヴァネロぺは運転ができず
ラルフがその大きな手で地面をかいてカートを動かして逃げていると
ヴァネロぺが棒付きキャンディーが交わったところに突っ込めと指示し
そこは隠れ家の秘密の出入り口でした
追手から逃げ込んだその場所は
ダイエットコーラのマグマが煮えたぎっている火山で
その上に鍾乳石のようにメントスが垂れ下がっており
それが落ちるとダイエットコーラが噴火して
辺りに飛び散るといった仕組みになっています
ヴァネロぺが言うにはどうも未完成のボーナスステージの場所ではないかということで
シュガーラッシュに居場所の無い彼女は
ここで一人キャンディの包み紙にくるまって寝起きしています
ラルフは余計なことかもしれないけどなぜこのゲームを出ていかないのか尋ねましたが
彼女はゲームの不具合なのでこのゲームを出られないと答えました
ラルフはゴミ捨て場で一人で暮らす自分と近いものを感じ
しかもラルフには悪役という役割と居場所があるのに対して
彼女にはそれすらありません

本物の車を運転したことが無くて
やり方を知らないヴァネロぺに対し
ラルフは自慢の怪力で岩を破壊して
即席の練習用コースを作り
自分もあやふやな知識しかないながらも
ヴァネロぺに車の運転を教えます
そしてヴァネロぺはめきめきと腕をあげて
車を乗りこなすようになり
その頃には2人はすっかり仲良しになっていました
不具合の発動でメントスを落として噴火させかけた時には
不具合はちゃんとコントロールするんだとラルフが言いきかせます
そして準備万端、予選レースへ行こうと隠れ家を出て
二人は車に乗り込み、走り出しますが
ヴァネロぺは何かを思い出して停車し
隠れ家に戻ります
それを見送ったラルフは
「子供だなあ」
とすっかり保護者目線です


2人を見失ったキャンディ大王は
ファミコンのコントローラー型の扉にコナミコマンドを打ちこんで
秘密の空間に入り、そこでコード化されたラルフのメダルをとりだして
緑色の飴玉の姿をした側近のサワー・ビルに城を任せ一人で車を運転して出かけます
この時その謎空間にヴァネロぺの名前を書いてある何かが漂っていました
大王はラルフとヴァネロぺを見失ったあたりにやってきます


カルホーンに非常用シャトルを降ろされたフェリックスは
歩いてキャンディ大王の城を訪ねますが
留守居のサワー・ビルは
ラルフを探しているというフェリックスを
ラルフには逃げられたが今度は逃がさないと言って
仕掛け罠の落とし穴で捕まえて
牢屋に入れます

1人になったラルフのところに
白い愛車に乗ってキャンディ大王がやってきます
ラルフはキャンディ大王をしめあげますが
キャンディ大王はラルフに例のメダルを渡してヴァネロぺをレースにださせるなといいます
もちろんラルフは承知しませんが
キャンディ大王はさらに
もし、ヴァネロぺが予選レースで勝って
ゲームのレーサーになった場合
彼女の不具合を見て客はゲームが故障したと思い
そうなれば国民全員がゲームから避難しなければならないが
ヴァネロぺはプログラムの不具合の為、逃げられずに
ゲームの電源が抜かれたら一緒に消えてしまうと言い残して走り去りました

ヴァネロぺが戻ってきたので
ラルフはメダルを懐にしまいます
そして彼女に物申そうとするものの
ヴァネロぺはラルフに跪いて目をつむるように言い
表に「あばれん坊くんへ」
裏に「私のヒーロー」と書いてある
ハート形のキャンディかクッキーか何かで出来たメダルを渡します
ラルフは感じ入った様子ですが
気を取り直してヴァネロぺにレースへ出場しないように言ったものの
ヴァネロぺは冗談だと思ってとりあいません
しかし、お前はレーサーになれないとまで言われて流石におかしいと思い
ラルフの懐にあるメダルに気が付きます
ラルフがキャンディ大王と会ったことを知ったヴァネロぺは
もう冷静ではいられず激昂し
ラルフはヴァネロぺがレースに出た場合に
彼女がゲームから出られず最悪死ぬことなどを話したものの
とても話にならないので
ラルフはヴァネロぺを捕まえて木にぶら下げ
お前の為にやるんだからなと言って
カートを無茶苦茶に破壊します
地面におりたヴァネロぺは泣きながら
あんたは本当に悪いヤツだねと言って歩き去り
ラルフはしばし立ちつくした後
地面に落ちたメダルを拾ってフィックス・イット・フェリックスに帰ります
駅に着いたラルフは元気がなく
マンションを見ても明かりがついていません
ペントハウスに入ると、30周年記念パーティでラルフを煽りまくっていた
ジーンが一人で待っており
ラルフを探しに行ったフェリックスが戻らないのでみんな逃げたが
嘘つきだと言われたくないので残っていたということで
ラルフにペントハウスの鍵を渡して去ります

ラルフはベルトを引きちぎりながらメダルを外して
筐体のゲーム画面に向けて投げ捨てました
すると故障中(アウトオブオーダー)の貼り紙を止めていたテープが一か所剥がれてずれ
そこから見えた景色の中のシュガーラッシュの筐体の側面に
ヴァネロぺの姿がでかでかと描かれていました

これはおかしいと再びシュガーラッシュに入ったラルフは
ラルフがバラバラに破壊したカートを片付けて
大きなバケツに入れていたサワー・ビルを捕まえて
ヤスリのような舌で舐めて脅かし
この砂糖に覆われた闇で何が起きてるかを聞きだします
キャンディ大王が市民とレーサーの記憶を封印しているので詳しいことは不明ながら
元々ヴァネロぺもレーサーの一人で
彼女がレースに参加してゴールラインを越えると
ゲームがリセットされて不具合が不具合でなくなり元に戻ってしまうので
キャンディ大王はヴァネロぺのレースへの参加を阻止しようとしていたことや
城の牢屋にフェリックスを捕まえていることをサワー・ビルは語ります
ラルフはサワービルを生えていたペロペロキャンディーの木にはめ込み
カートの欠片の入ったバケツにわずかに地面に残っていた欠片を加えて去りました


まるで人工甘味料の悪夢だなと言いつつ
サイ・バグの反応の強い場所を探っていたカルホーン軍曹は
足元の地面が崩れて落ち
つたに掴まってぶら下がりながら下を見ると
広大な地下空間に無数の卵とその間を歩き回るサイバグを発見します

城内の牢屋に捕まっていたフェリックスが
嵌め殺しの窓のポッキーのような格子をつかんで力を入れると
ヒビが入ったのでさらに壊そうとついハンマーを使ってしまい
格子は直った上にさらに太く頑丈になってしまって
僕が触るとなんでも直ってしまうと嘆いていると
壁だか扉を破壊してラルフが登場します
フェリックスは最初ラルフに飛びついて再会を喜んだものの
すぐに思い直して怒りだし
あちこちラルフを探しまわって
素敵な女性に出会って恋をし、振られ
そして牢屋に入れられてしまったことを話した後
君にはわからないだろう
人に嫌われて犯罪者扱いされる気持ちなんてと言いましたが
ラルフにとっては毎日味わっていることですから
十分にわかります
その辺りのことを話すと
フェリックスにも通じたようで
ヴァネロぺのカートは無事に直せてもらえそうです

牢屋で厳重に鎖に繋がれているヴァネロぺのところに
扉を破壊してやってきたラルフは
フェリックスに直してもらったカートを押して入った後で
平謝りして許してもらいました


予選レース会場は大盛り上がりで
キャンディ大王が一説ぶった後、いよいよレースが始まります
並んでいたカートが全て会場から出ていった頃
3人が会場までやってきて
ラルフは勝てなくてもいい、ゴールラインを越えれば本物のレーサーになれると言って
ヴァネロぺを送りだしますが
彼女は
「もう本物のレーサーだよ、それに絶対勝つ」
と闘志満々の様子で出発します

巨大なキャンディが転がる道をレーサー達は駆けていき
走りながらアイスのミサイル等のアイテムを使えたりもします
キャンディ大王はギミックを使いこなして早々に1位になり
ヴァネロぺもグングンと追い上げます
ヴァネロぺはチェリーボムのトラップを切り抜けたものの
他のレーサー達に道を塞がれますが
トンネルの中で自分の不具合を逆利用して
それらを追い抜きレーサー達はリタイヤします
このときヴァネロぺはもう不具合は出さないと言っていました

その時、会場にいるラルフとフェリックスのところにやってきた
カルホーン軍曹は激怒しながらラルフを殴りつけ
お前の連れてきたサイ・バグのせいでもう終わりだといいます
ラルフはあいつは死んだと言いますが
間もなく無数のサイバグが地中から飛び出してきました

いよいよキャンディ大王に追いつくと大王は驚きます
そしてそのまま追い越し、大王がついてこないので
調子よく山の中のコースを飛ばしますが
キャンディ大王はなんらかの抜け道を通って
ヴァネロぺに追い付き
お前なんかに!と襲ってきます

キャンディ大王は接触しているヴァネロぺの不具合のノイズの影響で
なにか違うものの姿を見せ、それを大画面で見ていたラルフとフェリックスは
それが昔、嫉妬からの暴走の末に消滅したと思われていたターボだと気がつきます
キャンディ大王ことターボはせっかく乗っ取ったこのゲームを
お前とあの手のでかいゴリラなんぞに台無しにされてたまるかと必死で
絶体絶命の窮地に陥ったヴァネロぺは精神を集中させて
もう一度不具合をコントロールしてそれを脱し
そのまま走りぬけてゴールを目指します
ターボはトンネルの出口に出現したサイ・バグに食われました

1位で戻ってきたヴァネロぺは
ゴールに向けてカートを走らせますが
無数のサイバグが湧きだしてきて路肩にクラッシュしてしまいます
ラルフとフェリックスはヴァネロぺのところに行き
彼女はまだゴールを目指していましたが
そのゴール自体がサイバグに壊され、食い荒らされてなくなってしまいます

シュガーラッシュの住人は軍曹らの指示もあって
全員続々とシュガーラッシュの外に出るゲートをくぐっており
カルホーン軍曹が殿としてサイ・バグを迎え撃っています
彼女は住人が逃げ終えたら爆破して出入り口を塞ごうとしていました
フェリックスとラルフもその場にいて
ラルフはヴァネロぺをなんとか逃がそうとしますが
彼女はゲームの不具合の為どうしても外に出ることは出来ません
ヴァネロぺは自分を置いて逃げろと言いだし
ラルフは絶望的な気持ちになりましたが
カルホーン軍曹の
「ビーコンが無いとあの化け物を止める手立てはないんだ」
という言葉から
ダイエットコーラ火山を見て何か思い付いた様子で
ちょっと壊してくると言い残し
軍曹のクルーザーを借りてその場を離れます

ラルフがやってきたのは火山の上の膨大な量のメントスが火口の蓋になっている場所で
その大きな手を握った拳でメントスをガンガン殴りだします
そしてメントスが壊れ始めたところで
自分を食べたサイバグと一体化したターボが現れ
ラルフに襲いかかります
自分はこのゲームセンター最強のウィルスになった、どんなゲームも乗っ取れる
と豪語するターボは、お礼を言わないとなと言いつつもラルフを殺しにかかり
上にまいりま~す
とラルフを捕まえて飛び立ちます
お前もあの娘もここまでだというターボですが
ラルフは「いや、俺だけだ」と拘束を振り払い
落下しながら片手で拳を作って突き出します
「俺は悪役それでいい、ヒーローになれないのは悪い事じゃない、だってあの子を助けることができるんだ」
と言いながらヴァネロぺにもらった手作りのメダルに手を当て
火口の大メントス塊に突っ込んで壊しました

一方、ヴァネロぺはラルフのピンチを見て
例の不具合をもはや完全にコントロールしながらサイバグの群れを突破し
どこかから調達したカートで山に突っ込んで
不具合をコントロールして山の内部に入り
メダルを握りつつ覚悟完了しているラルフを助けて
また不具合の力で外に脱出します

その直後、ダイエットコーラ火山が大量のメントスによって大噴火を起こし
天高く吹きあがる火柱をビーコンと誤認した無数のサイバグは
自ら吸い寄せられるように火柱に飛び込み
サイバグと一体化していたターボも多少抵抗したものの抗い切れずに
火柱の中に消えていきました

ヴァネロぺとラルフはチョコレートの池に落ちて助かり
チョコが嫌いだったラルフは
チョコレート大好き!とはしゃいでいます

フェリックスは喜びのあまり
カルホーン軍曹の頬にキスをして
怒られるかと思ったら
カルホーンはフェリックスの口にお返しのキスをして
それは熱い口づけへと変わります

その後、フェリックスが魔法のハンマーで直したゴールラインを
ヴァネロぺの運転するカートがゆっくりと越えると
彼女はまばゆい光に包まれてドレス姿のお姫様に変身し
人々の記憶も回復しました

ペロペロキャンディーをくっつけたままのサワー・ビルは
シュガーラッシュの正当なる支配者ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ王女であると宣言します
ヴァネロぺを散々いじめていたレーサー達は狼狽して謝ったり責任を押し付け合ったりし
ヴァネロぺは彼らに追放を申しつけます
フェリックスとラルフはこの裁きにおいおいと気を揉んでいましたが
カルホーンはこのゲームも面白くなってきたなと面白そうな顔をしています
しかしまあそれはヴァネロぺの意趣返しも込みの冗談でした

ラルフがヴァネロぺ王女と呼ぶと
ヴァネロぺはよしてよとばかりに元のラフな服装に戻り
王女なんて真っ平御免だと言いだします
じゃあ誰がシュガーラッシュを導くのかというと
選挙をして、ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ大統領になるそうです

非常用シャトルで帰り支度の済んだフェリックスとカルホーンは
ラルフを呼んでいますが、まだ名残惜しい様子で
ヴァネロぺはお城に一緒に住まないかとラルフを誘い
部屋はいっぱいあるからいくら壊しても平気だと言いますが
ラルフは俺にも仕事があるんだ、大統領ほど気の利いた仕事じゃないがねと
丁重に断ります

冒頭と同様にエピローグはラルフの独白です
ラルフの毎日は以前と変わらず
ゲームの中でマンションを壊し
それをプレイヤーの操作するフェリックスが直して
ラルフは屋上から投げ落とされるというものですが
変わったこともあります
まず、みんながラルフに優しくなって
例のケーキの上にはちゃんとひときわ大きなラルフが一緒にいます
そして自分のゲームが無くなり失業して困っていたQバート達を
フィックス・イット・フェリックスに迎え入れてゲームのボーナスステージを手伝ってもらい
ゲームはいつ以来かわからないほどに人気が高まっていて
「ゲームファンは俺たちをレトロっていう、つまり古いけどいいって意味だ」
とラルフも自信を持っています

ゴミ捨て場にあった大量のレンガ等を使い
フェリックスにも手伝ってもらって
Qバート達と自分の為の家、というか町を建てていて
もうゴミ溜め暮らしではありません

フェリックスとカルホーン軍曹の結婚式には
ヴァネロぺがカルホーンの付添人
ラルフがフェリックスの付添人となって一緒に立ち会っており
涙ぐんでいたのはラルフその人です
カルホーンの同僚たちは
彼女のトラウマのように
花婿がサイ・バグに襲われないよう
全員で窓に銃口を向けて警戒していました


かつてはみじめな気持になる瞬間だった
住人達に屋上から投げ落とされる行為も
今のラルフにとっては
シュガーラッシュの花形レーサーとして
称えられるヴァネロぺを見ることができる
最も嬉しい時間に変わっています
ヴァネロぺはあの能力を使ってレースで活躍している様子です

俺は今の自分が好きだ
ヒーローになるのにメダルなんていらなかった
あの子が俺を好きでいてくれるなら悪役も悪くない
とラルフは今の自分を肯定出来ていて
最高の友達がいる彼にもうメダルは必要ありません









ラルフの愚痴っぽい独白からはじめて
主人公と世界観の紹介を綺麗に済ませており
もう最初からこれはおもしろそうだと期待させるいい感じの導入です

この導入が本当によくて
5分見たら続きが絶対に見たくなるような映画でした

『トイ・ストーリー』は人の見ていないところでは
おもちゃ達が実は……というお話でしたが
それを閉店後のゲームセンターのキャラクターに置き換えたような感じです
それもそれぞれのゲームの中が壺中天というか
ドラえもんの絵本入りこみぐつというか
一つの世界になっており
それが電線を通路や線路にしたもので結ばれており
その中心にはゲームセントラルステーションというターミナル駅があります

夢が詰まった設定に
悲しい現実や怪しい陰謀が蠢いていて
それを不遇なキャラクターが
元々マイナスの要素だったものをプラスに転化して
大団円のハッピーエンドに導きます

最初は実に生意気な糞ガキだったヴァネロぺが
いつの間にかすごく可愛く見えてくるという
ディズニーの魔法にかかること請け合いです


ラルフがチョコを嫌いなのは多分
毎回投げ落とされる泥と似ているためで
その辺りはマンションの形のケーキの場面で
事実上はっきりと説明してくれています
レーサー達に突き飛ばされたヴァネロぺがチョコの水たまりに突っ込むところや
火山から間一髪逃れた二人が
チョコの泥沼に落ちて助かるところは当然ここと重ねているでしょう

壊すことしか能が無いし
それしか知らないラルフがモノ(カートや練習コース)を作って
人(ヴァネロぺ)に運転を教え、友人が出来て
本当の意味で自分自身を認められるようになるという
実によくできている傑作です、正直言って感動しました
お子様とご一緒にどうぞという感じの
すごく教育的といってもいい内容ながら
あくまでもエンタメであって
そんな雰囲気は出さないのがこの映画のえらいところです

物を壊すのが仕事で多分誰にも負けないという独白は
全編を通して証明されて
またパーティーなどでは失敗もしており

ケーキがパーティーで印象的にぶっ潰されていましたが
最後に今度は上にラルフがのっているものが作られたり
小道具の使い方が心憎いほど巧みです

俺は悪役、それでいい~という言葉は
冒頭の悪役会では普通に現状を受け入れていこうという感じでしたが
終盤のラルフのそれは言葉は同じでも
心から自分を認められるようになっています

ラルフが仲間と馴染めないのは
悪役だからというのはもちろんのことながら
単純に体格やパワーが別の生きもののように違って
同じ空間で過ごすこと自体が難しいように見えます
何しろヒグマ並みの体格とブルドーザー並みのパワーがあるラルフに対して
フィックス・イット・フェリックスの他のキャラは
彼を基準にすると幼児並みの大きさしかなく
そして家の作りは彼らに合わせて作られています

それと他の悪役仲間と違って
フィックス・イット・フェリックスで悪役は彼一人というのも大きいでしょう
これが悪役キャラがたくさんいるゲームだったら
状況が全く違うのでこういう話にはなりません

ラルフは30年辛抱してきたわけで
そうそう一方的に彼を責めることは酷でしょう
それがパーティーにハブにされたことがきっかけで噴き出したわけです
しかしながら、そもそも彼が辛い境遇を耐え忍んでるということ自体
フィックス・イット・フェリックスのキャラの中の誰も気が付いていません

ケーキを潰されたおばさんを慰めているところからもわかるように
フェリックスは結構いいやつなんですが
それでもヒーローとして日当たりのいい場所を歩き
清潔な服を着て温かいごはんを食べて生きてきた彼には
ラルフの心情はわかりません
しかし自身が牢獄に入って、ラルフがそこにやってきた時にやっと
彼にも理解できます

悪役の集まりで
人間の頭がい骨を太ももで卵のように割ることを生き生きと語って
ラルフを困惑させていたザンギエフですが
彼が悪役になっているのはソ連人だからでしょうか
悪役だからって悪いやつとは限らないぜ?という
本作を表現した台詞を言うのも彼です

「悪役」は大勢登場しますが、サイバグは虫なので除くとして
ターボ以外には悪人という程の人は出てこないと言ってもいいでしょう

ターボは悪知恵が働いて利己的で業が深く
それに加えてしぶとい腐れ外道という素晴らしい敵役でした

冒頭の悪役グループセラピーで「ターボする」という言葉を出し
中盤でその意味を説明して
最後にキャンディ大王に繋げる伏線の見事さといったら
なんとも素晴らしいの一言です
考えて見ればシュガーラッシュもレースゲームでしたね

比較的新しいゲームのシュガーラッシュのキャラクターであるキャンディ大王が
初対面でラルフの顔と名前を知っていたのも伏線になっています


ヴァネロぺの「プログラムの不具合」が逆に武器になる展開はいいのですが
バグを利用したチートのようにも見え
この映画の中のレースではそれでいいものの
むしろあれがありだとヴァネロぺの能力はゲームセンターで
お客がやる本番のレースでは強すぎてゲームバランスを損なうことを危惧していたのですが
あのワープ能力はエピローグでプレイヤーがアイテム効果として使っているので
ヴァネロぺの元々の潜在能力みたいですね

練習コースをヴァネロぺの為に作ったのは
ラルフにとって、カートに続いて何かを作るという第二の経験でしょう
それもわけもわからず連れて行かれたカート・ベーカリーと違って
自発的にヴァネロぺのために一肌脱いだ感じです
これは彼にとって大きな成長だということでしょう
実際彼女と本当の友達になるのもこのあたりでした

Qバート達を迎え入れるくだりは
最初の方にチェリーを分け与える描写で前フリがされています

冒頭のラルフが就寝するシーンで出てきたように
考えて見ればレンガは文字通り山のようにあるわけですから
いかにも何かの材料に使えそうであり
家に住みたければプレイヤーから見えないところに
自分で作れば済む話ではあります
実際ラストで家どころか町をこしらえていました

ヴァネロぺが実はプリンセスでしたというのは
そこだけでいうとみにくいアヒルの子が白鳥になったようなものですが
それにしてもプリンセス・ヴァネロぺでは済まずに
さらにそれをやめて大統領になると言いだすあたりは
いかにもアメリカだなと思いました

もしかして手製メダルをあげる時にひざまずかせたのは
王女様だった名残だったり
実は王女様であることの伏線だったのでしょうか

貴種流離譚というか
ヴァネロぺもディズニープリンセスだったんだなというのは驚きです

ヴァネロぺが盗んだメダルに唾を吐いて袖で磨くところは
すごくアメリカの映画っぽさを感じました

ヴァネロぺが捕まったのは
もう一度カートを製造しようと工場に忍びこんだからかなと想像しました
彼女の能力なら自力で脱獄できそうな気もしますが
それともあの厳重な拘束はそれを封じる力もあるのでしょうか
多分あの時点では能力をそこまで使えなかったということではないかと思います



ヒーローになるとかならないとかいうのは
要するに自分を認めて欲しいという意味で
その象徴がメダルということだと思いますが
心から認めあえる人がいればそれは無用という話でしょう
「ヒーロー」と書かれているヒーローズ・デューティのメダルに対する
あの「私のヒーロー」という手作りのメダルは
そういう意味のアイテムだと思います
知己の恩とか、士は己を知る者のために死すという言葉もありますが
ラルフは文字どおりの意味で自分の命を捨てる覚悟で火山に突入していました
ソニックが言っていたように
自分のゲームの外で死んだらそれは本当の死を意味するというのにです
ラルフもこれだと言ってもいいかもしれません

誰かに認めてほしいというラルフの気持ちは
ヒーローズ・デューティでホログラムの将軍や軍人たちに称えられて
大喜びするところでも描かれています
自分を認めさせたいというのはヴァネロぺも同様ですし
ラルフがヴァネロぺに共感して
積極的に協力するようになったのは
彼女の孤独な生活を見てからですから
やはり「お前は俺か」は鉄板ですね

伏線がバチバチに効いてるので本当はそんな余地はないのですが
食べた物を同化すると言うことは
お菓子の巨大な化物になって
食いしん坊な誰かさんに美味しく食べられるのかなと途中まで思っていました

サイバグが全ゲームを食いつくしていたら
多分リトワクさんのゲームセンター自体が倒産してなくなっていたでしょう
電源コードを抜かれたら消えるのなら
雷がゲームセンターに落ちたりしても
全滅するんですかね

あのめちゃめちゃ硬い変わり玉のキャンディーは
マサカメTVで漁師の為にああいうのを作っているのを見た気がします

キュートでカラフルなシュガー・ラッシュの世界は
実際に暮らしたらベタベタしてあまり快適ではなさそうな気もします

ラルフのねぐらのレンガの山や
サイ・バグに大分食べられたはずのゴールを直したところを見ると
フェリックスの魔法のハンマーは破片をくっつけるというより
壊れた部分を創造して直しているように思えます
作中でもチートじみた活躍をしていましたが
だとすると本当にとんでもないアイテムですね

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