歩くことは大事です

高齢者の歩行の重要性や歩行介助で大切なこと

高齢者の歩行能力の変化と健康

2024-02-29 13:30:05 | 歩行

年を取ると体の機能が低下し、さまざまな変化を感じるようになります。その中でも多くの人が経験するのが、歩行の変化です。老化が進むにつれて筋肉が衰え、関節も動きにくくなります。体を支える足腰の筋肉や、体を動かす関節機能が低下すると、歩くのが困難になるのです。筋肉や関節だけでなく、体のバランスを取る機能、認知機能、反射神経、視力など、さまざまな身体機能が衰えるので、体のバランスを保つのが難しくなり、歩くときにフラつきやすくなるのも高齢者の歩行の特徴です。

「うまく歩けない」「すぐに疲れるので長時間歩けない」「転倒が怖くて歩けない」など、高齢者にとって歩行は、負担の多い動作といえるでしょう。歩くのが面倒になりますから、一日中座ったままで過ごす時間が増え、より一層筋肉が衰えるという悪循環が生まれるのです。それだけではありません、家の中でじっとしているのでお腹が空かず食欲が衰える他、人と会う機会が減るのも、老化を進める要因になります。食欲が衰えると栄養不足になりやすく、筋肉の衰えを早めます。人と会う機会が減ると社会的に孤立して、気持ちが落ち込むなどの精神的にも悪影響を及ぼすのです。

このように加齢に伴い体の機能が低下すると、歩行能力も衰えます。歩かなくなると、より一層身体機能が衰えるという悪循環を招くだけでなく、精神状態の悪化も引き起こします。歩行機能の維持・向上は、高齢者が心身ともに健康に過ごすための、重要な要素なのです。