かたすみ時間

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映画「バーニング・オーシャン」と櫻井祐子訳「巨大システム失敗の本質」

2019-12-10 01:38:43 | 読書

図書館で借りた本を読んでいる途中だ。東洋経済新報社、2018年12月発行「巨大システム失敗の本質(原題:MELTDOWN、副題:組織の壊滅的失敗を防ぐたった一つの方法)」。同じ時期にアマゾンプライムで「バーニング・オーシャン」という映画を見た。アマゾンのサイトに掲載されている映画の紹介記事を引用する。 2010年4月20日、メキシコ湾沖約80kmの石油掘削施設“ディープウォーター・ホライゾン”が、海底油田より逆流してきた天然ガスの引火により大爆発を起こす。その後も未曾有の被害を出し、米国史上最悪の人災事故となる。施設内に閉じ込められた作業員126名の運命は?被害の拡大を食い止めようとする現場作業員と彼らの決死の脱出を壮大なスケールで描いた、実話に基づく海洋ディザスター。この油田の所有者はブリティッシュペトロリウムBPであり、この人災事故で流失した原油は500万バレル、流失期間は87日間だったという。 「巨大システム失敗の本質」という本の中で、この事故は一つの事例として紹介されている。現場の作業員たちは、システムの安全機構に圧倒されてしまって金縛りにあったように動きが取れなくなったというのだ。正に「ゲーテの悪魔の弟子」の例えである。この本は多くの示唆に富んだ一冊である。 かっては、ジェット旅客機事故の75パーセントが機長が操縦していたときに発生し、副操縦士が操縦していた時の発生率は25%だったそうである。それが、CRM(クルー・リソース・マネージメント)がアメリカの民間航空会社に定着した1990年代には、運航乗員の過失による事故の総発生率は急低下した。機長が操縦中に重大事故が起こる確率は75%ではなく50%に減ったという。副操縦士が操縦中の場合と同じ割合になったということである。 一読をお勧めしたい一冊である。



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