2つほど前の記事でガールズポップが大豊作だという事を書きました。
その時に敢えて外していた作品があります。それがコチラ。
フィロソフィーのダンス
『ファンキー・バット・シック』
2016/11/23リリース
PHILOSOPHY OF THE WORLD
UXCL-100
彼女たちを意識する様になったのは何時だったのか覚えていない。ただ、ハマるきっかけになったのはこの曲だ。
イントロのギターカッティングとハルちゃんのヴォーカルを聴いた時から、彼女たちの音源がCDショップに流通するのを心待ちにしていた。
その気持ちは、会場限定のセカンドシングルである、この曲を聴いて益々高まっていく。
モータウンやスタックスといった古のアメリカンソウルを下敷きにキラキラとしたガールズポップに仕立てるスタッフと彼女たちから目が離せなくなっていく。
そして、個人的に決定打になったのがコレ。
グルーヴィなベースライン、エモーショナルなサックスブロウ、4人の声質を生かしたヴォーカルワーク・・・どこを切り取っても極上のアーバンファンク。
この3曲を含む全10曲のフルアルバム。ダレる部分は一切なく、全てが極上の楽曲揃い。
作詞はヤマモトショウ(ex:ふぇのたす)、作曲とアレンジの大半を担うのは俊英、宮野弦士。個人的にはSMAP屈指の名曲「FLY」を作った野戸久嗣が2曲手掛けているのが嬉しかったな~(そういやスマスマで平成ノブシコブシの徳井くんが彼女たちを推しとして紹介してたのに運命を感じてたりする)
その2曲、「コモンセンス・バスターズ」と「バイバイよりも」はタイプは違えど、どちらもグルーヴが気持ち良く身体に響く。
他にも、マイケル・マクドナルド在籍時のドゥービーの様な楽曲だったり、ストリングスを効果的に使う鉄板ディスコチューンが収められていて、私の様なグルーヴオタクなおっさんには抗えない魅力に溢れている。
そして大切なのは、彼女たちの歌の力。良い意味でステレオタイプなアイドルとしてバランス感覚に優れた佐藤まりあ、アニメチックなのに妙な芯の強さを感じさせる十束おとは、シンガーソングライターとしての顔を持ち艶やかなのに微妙なクセが心に楔を打つフックを持つ奥津マリリ、圧倒的な歌唱力と声量とグルーヴ溢れる歌を聴かせる日向ハル。4人のヴォーカルが生き生きと躍動することでフィロソフィーのダンスというユニットが魅力的なものになっている事を確信する。
彼女たちを手掛け、このアルバムをプロデュースしているのは、ナンバーガール、ART-SCHOOL、Base Ball Bear、フジファブリック、氣志團、相対性理論といったバンドを手掛けてきた加茂啓太郎氏。その伝説のプロデューサーが手掛けるガールズユニット。面白くない訳がない。
CHICの「C'EST CHIC」をモチーフにしたかのごときジャケットデザイン。昔の洋楽アルバムを彷彿とさせる帯の装丁。歌詞カードにライナーノーツが収められている・・・色んな意味でツボを突いてきます。
これからも目が離せない。というか、来年1年でとんでもなく大きな存在になってたりしないかなと本気で期待してます。
これほどの逸材、もっともっと世に認知されないと勿体ないとしか思えなくて。
とりあえず、私にとって今年の女性アイドルベストアルバムは決定しました。早くセカンドアルバム出してください(笑)