DR -Delanded Room-

ゲームショップ店員の日記

100万人がゲームで脳を鍛える時代

2005年12月29日 | ゲーム販売状況/販売予想/市場分析
12月19日~25日のランキングは
各所で報じられているように、ゲーム市場がヒートアップしました
DSが週間60万台以上を販売、
「どうぶつの森」「脳を鍛える~」「ポケモン不思議のダンジョン」(2機種合算)
がミリオンを突破、nintendogs、やわらかあたま塾、たまごっちもミリオンは確実と
DSがハード・ソフトともに大ブレークしています

また、ランキング1位の「キングダム ハーツII」は初週で70万本以上と
週末に予想通りの大幅な伸びを見せています
3日間でミリオン出荷とのことですが、
実売では、1月中に100万本を突破するものと思われます

ミリオンタイトルが誕生しないのではと言われた2005年でしたが、
年末商戦の盛り上がりにより、7タイトルものミリオンセラーが誕生することになります

中でも、特質すべきは「脳を鍛える大人のDSトレーニング」ではないでしょうか
そのほかのミリオンソフトは比較的低年齢層をターゲットにして大ヒットとなりましたがこの「脳を鍛える~」だけが違います
ゲームでは簡単な計算やクイズにより「脳年齢」を測れますが、
最高の評価で「20歳」であり、20歳未満の層がプレイしても十分に楽しめません
言わば「20禁」ゲームなのです

このゲームの販売曲線を見ると、任天堂が公表しているように
敬老の日を含む週に、発売週以降、ふたつめの販売のピークを作りました
「敬老の日需要」があったゲームなど、これまで聞いたことがありません

少子高齢化が進み、ゲームを販売するメインターゲットである
年齢層(小学生~大学生)は現象の一途をたどっています
出生率が低下し、初めて日本の人口が減少するなど、ターニングポイントとなった
2005年に、「脳を鍛える~」のようなソフトが大ヒットを収めたことは
ゲーム市場にひとつのヒントをもたらしたといえるのではないでしょうか

無論、高い年齢層をターゲットに、大ヒットを生み出すことは容易ではありません
これまでのメインの年齢層にヒットさせるより、はるかに難しいと思われます
しかし、今回の「脳を鍛える~」の大ヒットにより、比較的高い年齢層にも
アプローチ次第では、ゲームが受け入れられる余地があることがわかったわけです

今後も若年層の人口は減少し続け、これまでのヒットシリーズは
販売本数を落としていくことになるかもしれませんが、
まだ大きなユーザー層が眠っている可能性があるのです

ゲームで脳を鍛えた100万人は、メーカー、クリエイター、販売店からの
新たな提案・アプローチを待っています