Ad novam sationem tecum

風のように日々生きられたら

ROCKS TOKYO☆ (前編)

2010-05-31 09:45:29 | 日々の徒然
お天気は、曇り

今にも、雨が降り出しそうなお天気でした。

ただ、風が吹いていました。

とても、強く。

寒いぐらいに。

巨大な風車の傍らに立つ、WIND STAGE。

風を、目に見える形にしたかのように
動いている風車のそばで、

寒さの中、
この場所だけは、

とても熱い時間が流れました。

エレカシのステージの前。

ふと気づくと、

青空が広がっていました。

青空が。

そして、

少しの間、
雲の切れ間から、

太陽の光が。

そんな雲間の太陽の光のような、
エレカシのライブでした。

そこに、
風が吹いて。

それは、
夏の風でした。

これからの、
新しくて、
熱い何かを予感させる風でした。

ステージの脇に
電光掲示板の時計があって、
その時間ちょうどに、

きっと、
合図があって、

宮本さんを先頭に
エレカシメンバーと
サポートのお二人が、
登場し、

始まりました。


一曲目。

「悲しみの果て 」

それは、

みんなが知っているから、
フェスで歌う、

という意味では
全くなかったのだと思います。



“悲しみの果てに 何があるかなんて
 俺は知らない 見たこともない
 
 ただ あなたの顔が
 浮かんで消えるだろう”



宮本さんの歌声が、

悲しいくらいに、
美しく響いて、

聴いた途端、
涙が、ぽろぽろと出てきました。


悲しみの果てに、
何があるかなんて、

本当にわからないけれど、



そのときは、
ただ、つらくて、つらくて、

どうしようもないけれど、

でも、

宮本さんが、

“悲しみの果ては 素晴らしい日々を
 送っていこうぜ”

と歌うから、

きっと、そうだと思う。

私も、
そう、思っています。

うまくいかないことも
あるけれども、

思い通りにならないことばかりだけれど、

悲しみだけで
終わるはずはないから。

そう、思って、
これからも生きていけるなぁ、
と思いました。

宮本さんが、

“部屋を飾ろう コーヒーを飲もう
 花を飾ってくれよ いつもの部屋に”

と歌ったとき。

その、部屋、
というのは、
自分のいる場所。

そして、自分の心のことなのかな、
と思いました。

悲しいことがあっても、
心を冷えきったままにしないで、
あたたかく、

そして、
心に、いつも花を咲かせる。

そんなふうに、

いつものように、

あたりまえに
生きていく。

私も、そうやって
生きていこうと思います。

宮本さんの
心からの想いが、

よくわかりました。

そして、
たぶん、

きっと、そうだろうと
思っていました。

これからも、
うまくいかないことが

たくさん、たくさん、
あるかもしれないけれど、

“素晴らしい日々を
 送っていこうぜ”


静かに曲が終わりつつ、

終わると同時に、
お客さんから、熱い拍手と歓声が。
 

そして、
次の曲。

宮本さんが、

まるで、
オーケストラの交響曲が始まるときの
指揮者のように、

手を大きく振りかぶって、

「行くぞ」
と、
言う声が聞こえるぐらいの
気迫を込めたのがわかりました。


その前奏は、

まさしく、
「俺の道」。


会場から、
歓声が上がりました。

来た、
と、思いました。

今日は、絶対に、
この歌が歌われると思っていました。

それは、
宮本さんの
生きる道を
歌う歌だから。

私は、
それを
ちゃんと、
受け取らないといけない、
と思いました。


今日の、
「俺の道」は、

とても、やさしさに満ちていました。

JAPAN JAMのとき、

半ば、怒りに震えるような
気迫に満ちていたこの曲は、

今日は、
やさしく、

諭すように、

宮本さんが、
心を込めて、
歌っておられるのが
わかりました。

“満たされないまま 引きずりまわして
 歩け”

それは、
他者を否定しない、

他者の存在を否定しない、


相手に対する、
後から来る人たちに対する、

宮本さんの誠意の表れだと思いました。

“本当は 愛してやまないこの毎日を
 いい加減に過ごすのは ダメだぜ やめなよ”

と話しかけるように、
歌っていました。

宮本さんの歌声が
まっすぐ、心に染み渡るのを感じました。

そして、
曲が佳境に入り、

宮本さんの叫びと、
ともに、

宮本さん自身の生き様を
見ました。

そこには、
他者に有無を言わせないぐらいの、
強い存在感を放つ
宮本さんの姿がありました。


“満たされないまま 引きずりまわして
歩け”

それは、
ご自身にも歌っていて、

宮本さんは、

無限に満たされるということがないこと、

そして、
満たされない限り、

満たされることを欲して、

魂を引きずりまわして
生きていくんだ、

という想いを、

高らかに歌っていました。



“気迫の無き時間帯 でも信じることをやめるな”

“奴らには言っておけ 「俺は確かに生きてる」って”

“オレは燃え上がる日を待っている 俺の道を”



だから、

それが、宮本さんの生きる道なんだと、

私は、その想いを
確かに感じました。

わかっていたことだけれど、
改めて感じました。

そして、
ちゃんと、

今日は、その想いを、
しっかりと受け取れたと思います。

人は、
一人では生きていけないけれど、

人は、
最終的なところで、

一人の
一個の存在で、

自ら、その生きる道を求めて
歩いていかなければならないということ。

人それぞれの生きる道があるということ。

その事実を受け入れることが、
不安で、怖くもあったけれど、

やっと、ちゃんと受け入れることができたと
思います。


私も、
満たされないまま、
生きていこう。

自分を、
自分の心を、体を
引きずりまわして
生きていこう。

そう、思いました。

魂を引きずりまわすことは、
決して苦痛なことではない
ということ。

より良く生きようと思ったら、
それは、
当たり前のことだから。

現実から、
目を背けずに、
毎日を大切に生きていきたいと思いました。


いつか、満たされることを信じて、
生きていこう。

私も、
宮本さんの道に、
並んで歩けるぐらい、
強くなりたいと思いました。

今日の「俺の道」
は、
厳しくも、
やさしく。

そして、
とても強くて。

明るささえ感じました。

希望に満ちた「俺の道」でした。


「今日は、曇っているけど、青空で・・・。」
と、
宮本さんが、空を見ながら話しはじめました。

そう。

今日は、
エレカシのライブの前だけ
ひととき、青空が広がっていました。

その青空を見て、

宮本さんも
この青空を見ているだろうか。。。。

と、思っていました。

青空は、
気持ちがいい。

でも、その青さが、
せつなく、

晴れ渡る空が
悲しくさえ思うこともありました。

そういう気持ちもあるんだと、
私は、
知りました。

そして、
宮本さんは、

「ごらん。」

と、言い、

曲が、始まりました。

「Sky is blue」。

“悲しいときは行過ぎて
 嬉しいときは流れ 
 見上げれば Sky is blue”

嬉しいときも、
悲しいときも、

空は、
青くそこにあって、

いつも変わらないんだ、
と、
ようやくわかるようになりました。




太陽が昇るたびに、

なんとか、生きていこうと

そう、思わずとも、

太陽が昇れば、
朝がやってきて、
一日が始まります。


“さして強くもないこの街の 朝の光が
 昨日の俺を 結局洗い流してゆく
 新しく生まれ変わる”

“行動に駆り立つ太陽
 「魂引きずりまわせ!」”

何度も、
この歌に励まされたなぁ、
と、
今更ながら、思いつつ聴いていました。

“今日も昇れる太陽”って。

“「今日も、そう動かぬ空!」”

いろんなことがある毎日で、

たしかに、
うまく行かないことの方が
多いかもしれないけれど、

でも、
宮本さんは、

「ごらん」
と、
言ってくれる。

“ごらん 雲はゆっくりと流れて
 鳥は何処までも 高く舞い上がる”

そうして、
やっぱり、
太陽は、
“未来へと俺を誘う”
ものなのだ、
と、
教えてくれる。


だから、
私も、頑張れます。


「Sky is blue」を歌う宮本さんは、
とてもカッコイイ。


その姿を見て、惚れ惚れしてしまいます

今日は、
ギターの弾き方が少し違うところがあって、
そこもまた、カッコよかったです。

宮本さんの素敵な姿に憧れるから、
頑張れるというのも、

ありますね。。。

ちなみに、
宮本さんの
「ごらん」って言う
あの声が、

色っぽくて、
大好きです

あの声で、
「~~してごらん。」
って言われたら、

なんでも言うことを聞いてしまいそうです


さて、

次の曲は、
「ファーストアルバムに入っていて、
 16歳ぐらいのときに作った曲で・・・。
 毎日が地獄絵図、っていう歌です。」
というような説明があり、

「BLUE DAYS」

EKDBさんによると、
《 前回はRISING SUN ROCK FESTIVAL 2009 in EZO 2009/08/14 (金)》
で歌われて以来・・・
ということで。

「BLUE DAYS」再び。。。

久しぶりに、聴きました。

そうなのか。。。。。

と思いました。

思えば、
“昇れる太陽”ツアーと
その後の6月下旬のJAPAN CIRCUITでの

「BLUE DAYS」
が、特に印象があります。
(そのときのJAPAN CIRCUITは行けていないので、
直接は聴けなかったのですが、
石くんと歌う宮本さんのツーショットの写真から
その迫力が伝わってきました。)

青空の悲しみの“青”を
すごく、すごく突き詰めていったら、
「BLUE DAYS」の“青”になるんじゃないかと、
思っていました。

底のように深く、暗い、
青。

悲しみの青。

そういうものが
BLUE DAYSなのかな、
と。

それを、
まっすぐに、
どんなことがあっても、

その先に光を見てきた宮本さんが歌うと、

本当に、
その絶望と悲しみが伝わってきて、
聴いていて、
辛くなってしまいます。

そして、
それほど苦労していないのに
つらい、つらい、と言ってしまったり、
いろんな点で
私のような人間には、
とても身につまされる歌です。

今日も、凄まじいくらいの気迫でした。


“こんな事ばかり続けば 心はズタズタさ
 耳をすましてみれば 耳鳴りが聴こえる”

“あー地獄が見たけりゃ
 あーここへ来ればいい
 ここは苦しい地獄絵図”

狂おしいほどの、
悲しみ。

体全身を使って、
まさしく、
地獄絵図を体現したかのような歌い方でした。


地獄絵図。

でも、
そういう、地獄絵図を超えたいと
私は、思いました。

だから、
宮本さんの歌も、
今回は、いつも以上に真剣に聴きました。

ちょうど、
宮本さんが、
こっちを向いて、
歌われているときだったので、

私も、
宮本さんの目をまっすぐに
見ました。

負けない、
と思って。

ちょっと、私、
怖い顔していたかもしれません。

宮本さんを睨みつけていたかも(汗。)

でも、
宮本さんの苦しみが
すごく伝わってきて、

私も、私なりにつらいと思うこともあって、

共感できる部分と、
それでも、そこを超えたいという思いもあって、

いつもの宮本さんのように、
それでも、
先へ行こうと思いたかったので、
真剣に聴きました。

そして、くよくよする自分に
負けないで聴けました。

やさしくはないけれども、
少し、強くなれた気がしました。

歌の途中で、
石くんとのコーラス。

そのたびに、
宮本さんは、
石くんをしっかりと掴んで、

センターマイクのところまで、
石くんを連れてきて、
その後、つき飛ばして、
また、連れてきて、
を繰り返していました。

きっと、
どんなときも、
相棒の石くんが
いたんだなぁ、と思いました。

BLUE DAYSの頃から、
ずっと。

いいときも、
悪いときも。

いい相棒だなぁ、
と思いました。

メンバー紹介のとき、
宮本さんは、
石くんのことを
「いいやつ」って一言、
おっしゃっていて。

一言かい!
とみんな思ったのか
笑っている人もいたけれど、

その一言が
全てを凝縮しているんじゃないかと
思いました。

素敵な相棒だと思いました。

そして、
そのまま、
何も言わずに、

「今宵の月のように」

この曲は、やはり、
会場が待っていましたとばかり、

始まるときに、
拍手がわきました。

言わずと知れた名曲。

ギターを片手に歌う宮本さんは、
今日は、少し悲しげに見えました。

でも、
前を向いて歩いていきたいという、
強い、とても強い想いも感じました。



“夕暮れ過ぎて きらめく町の明かりは
 悲しい色に染まって揺れた 
 君がいつかくれた 思い出のかけら集めて
 真夏の夜空 一人見上げた”


何度も、
繰り返した光景が、
目の前に浮かぶようで、

泣きそうになりました。

今日も、

“ポケットに手を突っ込んで歩く。。。”
のところは、

やっぱり、
ポケットに手を突っ込んでいらっしゃって、

ポケットに詰め込むものは、
何だろうな

きっと、
簡単に持ち歩ける
いつもあるもの、

きっと、
ささやかな幸せなのかな、

とか、
いろんなことを考えながら、
聞いていました。

今は、このまま。

これで、いい。
と思いました。

“いつの日か輝くだろう”
それが
全てだと思いました。

そうやって、
今日も、明日も
生きていくしかない、

生きていこう、
と思えました。

“新しい季節のはじまりは、
 夏の風 町に吹くのさ

 今日もまた どこへ行く
 愛を探しに行こう
 いつの日か 輝くだろう
 あふれる熱い涙”


風が吹いていて、

これからも、
きっと、
風が吹くだろう、

と思いました。

今は、
これから、
夏の風が吹きます。

ちょっと、
わくわくするような
気がしました。




《後編へ続く》