Ad novam sationem tecum

風のように日々生きられたら

Indigo la End 「インディゴ ミュージック」@福岡 DRUM LOGOS

2016-08-01 02:45:18 | 日々の徒然

人間の心は複雑で

というよりは

人間そのものが

いくつもの側面を
持っていて

どれが本当の自分なのか

など

意外と
自分でもわからないものだけれど

これが自分なのだ
という

本当の私

というのはあって

そして

本当のあなた

というのも

きっと
あるのではないか


思ったりした。


indigo la End
のライブ
「インディゴ ミュージック」
@福岡 DRUM LOGOS


それは

indigo la End
というバンドを
構成する4人の

真実の姿を
目撃する時間だった。

彼らの存在証明の仕方

それは
もちろん

音楽によって。



*********************************


ライブの始まりの幕が
切って落とされたのは

ドラムとベースが
劇的なオープニングの

「愛の逆流」

この曲のこの始まりを
聴いたときから

このライブが
完全に
何か一つの方向へと
向かうことを示唆するような

力強い響きだった。

私は
少しの戸惑いのなか

落ち着いた歌声が
聴こえ始めるのを聴いていた。

それは
淡々とした
日常とも

また、
感情を表出させない
普段の冷めた表情なのかも
しれなかった。

その下に

うねるような

打ち轟かすような
感情があったり

そして

めまぐるしく
流動する
環境があったりして

それでも

私たちは

淡々と
生きていかなければならない。

そして
あきらめとともに

事態を見守るしか
できないのか

そんなことを
考えながら
聴いていた。


ずっと
鳴り響く
重低音と

あるときは
悲鳴にも似た
感情を引き裂く歌声に

揺られながら。


そんな始まりの
ライブ。


1曲目の
この曲は

そのときの私の心と

もしかしたら
よく合っていたのかも
しれない。

心が
空ろな状態で

「悲しくなる前に」

「忘れて花束」を

聴いた。

それまでに何度も
聴いた曲。

曲順は
ストーリーを
描くように
配置されているように
思えたが、

そのときの
私の心は

右に左に
揺さぶられるような
感情で支配されていて

ひとつひとつの曲を
思い出すように
聴いた。

「悲しくなる前に」は
実際に演奏を目で間近に見ると

とても
迫力があった。

特にギターの音の
迫力と心地よさは

歌われる言葉とは裏腹に

つい音楽に乗って
口ずさんでしまうほどだった。


そうやって

ひとりで
何度も聴いた
「忘れて花束」も

同じように
聴いてしまった。

最初は
こんな気持ちで
聴かなかった。

私にとっては
もっと
楽しい曲だった

はずだった

けど。

その曲のせつなさだけが
心に残った。


曲が展開する
中盤

心が不安でどきどきする。

「3分前の妙な空白を
互いに感じとってしまった」

と歌う

その声のうしろで
定期的に刻まれるドラムの音が
心をはやらせたり

コーラスが加わっていって
自分の想いとは
違う何かが加わっていくような
感覚に

そのとき
改めて気づいたりもした。

「忘れて花束」は

せつない曲だな

そのとき思った。


心の表面が

音になでられて

心地よく
或いは
激しく

その音達に
揺さぶられながらも

心を開くことが
できていない私がいて

でも
次の曲で
絵音くんが
歌った歌声は

私の心に

すっと
しみこんでいった。


   *   *   *


雨が降った

雨が降った朝に



手を開いて

掴んだ気でいたら



夜になった


夜になっていたんだ


見えないって

自分で笑いながら
          

            「アリスは突然に」


   *    *    *


きれいだった。


きれいな歌声が

まっすぐ
私の心に
入ってきて


気づいたら

涙を
こぼしていた。


そのときに
わかった。

絵音くんの
心は

きれいだな
って。


人は
どうして

人を
疑うのか。


私も

絵音くんも

みんなも

疑っていたんだ。


でもね。

私は
いたんだ。

ずっと。

だから
消さないでほしいな

って思った。


この曲は

「素晴らしい世界」と
同じで

絵音くんの
歌声あっての
歌だな
って思った。


前に
ブログで
名前をつけること
について
書いたことがあったことを
思い出したりしていた。


そうだね。

きっと
この世界では

会ったこともない誰かを
誰かとして認識して

心を通い合わせる。

だからきっと

私も
いつからか
或いは

どこかで
名前をつけられて

誰かの中に
存在したのかもしれないな

って
思ったりした。

それが
いいことなのか
どうかは
わからないけれど。


私は
私のことを好きな人に
名前をつけてもらいたいな。



雨が降った朝。

きっと
人は

誰かを愛したり

後悔したり
するんだろうと
思った。


それが
とても美しいことだと
思った。


そのことを
考えて

涙がこぼれたのかも
しれないし、

きっと
同じだな

って思ったから
かもしれない。


私は
嬉しかったんだ。

こんな風に
歌える
絵音くんという人に
出会えて。

きっとさ

どんなことが
起きても

私は
indigo la End
の曲は

美しくて
きれいだ

って
胸を張って言えるな
って思って。

素晴らしいな
って
言えるなって思って。

そういう
音楽を作って
曲を書いて

それを素敵な人たちが
演奏して

きれいなコーラスも
重ねられて

そういう音楽を
聴かせてもらえて

嬉しかったんだよね。

だから、
そこからは
心が溶けて

なんとなく
気持ちが
軽くなって


「ココロネ」も

「藍色好きさ」

「心雨」

「雫に恋して」


いつもは
泣いていたのに

むしろ
楽しい気持ちで
聴いていた。

「雫に恋して」は

「蒼き花束」
のときは
あんなに泣いてたのに

ライブって
ほんとに
日によって感じ方が
違うんだな

思った。


私は
目の前で
indigo のメンバーの皆さんと

コーラスのお二人の
ステージでの
様子を見ていて

ただただ
その姿を凝視していて

この一瞬にね
全てをかけているような
音楽へのひたむきさ
みたいなのを感じて

その心意気のようなものに
痺れていました。

ティスさんとかもね
合間に絵音くんとの掛け合いの中では
あまり自分から話すようなことが
なくて、
全然前に出ないんだけれど

ギターを弾きだした瞬間に
人格が一変したみたいに
演奏に集中する様とかね

当たり前なのかもしれないけれど
感動したんだ。

何の曲か
忘れたけど、

曲の始まりのときに
すごい奏法で
ギターを弾いていて

なにそれ、すごい
と思ってました。

初めて見たよ。

今回のライブはね
自分が初心に戻ったような感じで

ただ音楽がまっすぐに
届けられることの幸せを
感じたライブだった。

そういう気持ちに
自然となるような
ライブだった。

曲の合間に
結構な頻度で
しかも結構長い間
トークがあったりするんだけど
まぁ
その話はまたの機会に
するとして。

私は
純粋にただ
音楽を聴いて
心地よく楽しんでいた。

「ダンスが続けば」
もそうだし。

でも
急に
「心ふたつ」とかを
歌われると
また
心がきゅっとなった。

今回は
アルバムツアーだったので
やはり
アルバム「藍色ミュージック」からの
曲が多かったのだけれど、

時々演奏される
以前の曲が
すごく光っていた。

まさに
このときに
演奏されるのを
待っていたかのように
すごくきらきらとしていた。


「心ふたつ」


    *    *    *

こぼれ落ちる心がないんだ

君に貰ったはずがないんだ

「私のことばっか」って笑うんだ

きっとそうだろ


        *


心ふたつ分のこと
愛せる内に僕らは
正直無駄にしちゃった

後悔だけが残った

最後に抱き寄せた時
君は目を瞑っていた

最後に抱き寄せた時
僕は涙で見えなかった

心ふたつ分のこと
愛した分はどれくらい

正直まだ怖いけど

今でも好きなんだよな


君のことが好きなんだ

     *


心ふたつ

心ふたつ分返してよ

          「心ふたつ」

    *     *     *


こころふたつ


ひとりの人の心と

もうひとりの人の心

それは
もしかしたら

ひとりの中の自分の

ふたつの心なのかもしれない。

そんなことを
考えていた。


繰り返される
音と言葉の繰り返しの中に

まどろみに
眠りこむようなフレーズが挿入されたり

細やかな心の襞を揺らしながら
ときどき心をしめつける

その音楽が
愛しくなる。


「夏夜のマジック」は
もっと
せつなかった。

福岡は
もう夏で

なまぬるい夜風が吹く季節で。

そんな夜風のようなコーラスと
素敵なギターの調べのなかで

ゆっくりとした時間を
感じていました。

いつか
終わるこの時間を

ただ
ゆっくりと。

絵音くんは
ハンドマイクでゆっくりと
歩くように
ステージを巡りながら
歌を歌っていて。

私は
その姿を
ずっと見ていました。

ずっとね
覚えておきたかったから。

とても
素敵な時間だった。



     *     *      *


今日だけは夏の夜のマジックで

今夜だけのマジックで


歌わせて

今なら君のことがわかるような気がする


夏の夜限りのマジックで

今夜限りのマジックで

身を任す
夜明けが流れるまで


        「夏夜のマジック」


   *       *     *


絵音くんは

ゆっくり手を振りながら

同じように観客と一緒に
その揺れを感じるように

揺れていて。

「蒼き花束」
のときみたいに

私も手を挙げようかなと
思ったけど

そのときはね
しなかった。

ずっと
見てたかったから。


夏が
終わるなぁ
って

思ってた。

季節的には
まだ
始まったばかりだけど

でも
私の中では

夏が終わってしまうような
気がして

せつなかった。


たぶん、
さっき書いていた
ティスさんのすごいギター奏法
は「eye」だったような
気がしたのだけど。。。。
自信がない。

さっき音源を聴いてみたけど
違うような気がしたし。。。
すみません。

そういうわけで
「eye」

あの幻想的な曲は
ライブでどう表現されるのか
とても楽しみだったのだけど

本当に
ライブでも
あの世界観を損なわずに
見事に再現されていた。

私は
息を呑んで
見守りました。

すごかったな。

このライブを
キーワードで
表すとしたら

やっぱり
多面性かな
と思った。

たくさんの側面。

たくさんの事実。

複雑な要素。

そういったものが
組み合わさったとき

それが
見事に調和されたとき

美しい結晶体が
作られることを

真摯な歌と演奏で
表現した

素晴らしいライブだったと思う。

そして
そういう美しい事実は
真実をも語る。


心って
なんだろう
とか

人の想いって
なんだろうとか

難しく考えなくても

でもね

なんとなく
わかるような気がするし

わからなくても
いいことなのかもしれないけれど

でも
人には
いろんな側面があって

どれも
その人であって

でも
その人は
一人しかいなくて。

その人以外は
やっぱり
その人じゃなくて。

代替できるものじゃないんだ
ということ。

かけがえのない想いとか

かけがえのない人とか

そういうものに触れると
やっぱり
愛しくなる。


愛したくなる。


そういう深い深い
愛の色が
藍色なのかもしれないな


思ったりした。

「eye」に続く
「シノブ」の絶唱も

物事の極みを感じた。

「風詠む季節」はね
今は
ちょっと前みたいに
号泣はしなかった。

それは
ライブを聴いている
ここに一緒にいられる
その瞬間が

嬉しくて
楽しい瞬間だったからだと
思う。

「インディゴラブストーリー」は
聴いていて
いろんなこと
思い出していた。

indigo la Endの曲を聴き始める前の
もっと遠い記憶まで
思い出した。

いろんなつらいことがあったのを
思い出して

なんとなく
下を向いてしまった。


そのあとね

MCがあって。

今まで
どういう曲を作ってきたとか
これからどういう曲を作りたいか
とか

悲しい曲ばかり作ってきたから
幸せな曲を作ろうと思って
「風詠む季節」を友達の結婚式の
ために作ったという話も

絵音くんから直接聞けてよかったな
と思った。

なんか
その話を聞いているうちに、

前に「風詠む季節」を聴いていたときの
あのときの状況とかを思い出して
また泣いてしまったけど。

「風詠む季節」はね
せつないんだ。

きれいすぎて
せつないんだよね。

悲しくなるくらい
きれいなんだ。

だから、
きっと絵音くんは
悲しい歌ばかり作るのかも
しれないな
と思った。

そのあと

「夜明けの街でサヨナラを」
を歌った絵音くんは

すごい笑顔だった。

なにか
とてもすっきりしたような
表情だった。




「 一度だけあなたに恋をした

  たったそれだけの話です 」


そういう言葉からはじまる
この曲を

みんなとても
楽しそうに演奏していて

私も
なんだか心が軽くなって

笑顔になった。

やっぱり
笑うのはいい。



  *   *    *


潤った愛す声で

夢から覚めたら恋をして

夜明けの街であなたにサヨナラを

歌った


  *   *    *


人は
いろんな感情を
抱えながら生きていて

それで
眠りにつく頃には

せめて
甘い夢でも見たいと
思う。

私には
夢のなかでさえ
会えないような人を

好きになったことしかないので

このフレーズはね
なんとなく
わかる気がする。

このフレーズの
絵音くんの歌声が好き。


それから
「緑の少女」
「名もなきハッピーエンド」が
演奏されて

お客さんも
すごく楽しそうにしてた。

いつも演奏される曲らしいね。

「緑の少女」は
あのMVがなんだか印象的で

いつか言おうと思っていたけど

あのMVの絵音くんが
とてつもなく
かわいい。

音楽もハッピーで
でも
言葉にちょっとせつなさが
あるのが
やっぱり一味違う。

でも
やっぱり
かわいい。

   *    *    *

恋をした 恋をしている
僕の手が君の手と重なり合った時

どうしたら 聞こえるの?
ねぇ

僕の手は君の手と重なり合ったよね?

そうでしょ?


  *    *    *


本編最後は
「名もなきハッピーエンド」

印象的なイントロのギターから
お客さんもすごく楽しそうに
踊っていて

途中からハンドクラップがあり
すごく盛り上がって
終了。

「 最終回前にこんな感じになるのはわかってたよ
  ハッピーエンドはあなたの終電次第さ   」

という歌詞があって

さぁ
これから
どうするの?

ハッピーエンドになるの
ならないの?

ってところが
演出のようで

本心のようで

そこがまた
憎いところです。


かわゆす。

そんな感じで
笑顔で本編終了。

アンコールはね

例のおもしろ即興曲と

そのあと

「瞳に映らない」

そして
「素晴らしい世界」
だった。


「素晴らしい世界」では

やっぱり
絵音くんは

泣きそうな歌声だった。


前に
「蒼き花束」

絵音くんの歌を聴いたあと

何かのインタビューで
「素晴らしい世界」を歌うときは

音楽で生きていこうと思ったときの
覚悟を思い出す

というようなことを言っていて

そうだったんだな
と思った。

もうすぐ1年くらいになるけど

絵音くんを見てきて

どんな絵音くんも
絵音くんなんだなぁ
って

少しずつ
わかってきているところです。


おもしろ即興曲をやる絵音くんも

「風詠む季節」を歌う絵音くんも

楽しそうにギターを弾く絵音くんも

「素晴らしい世界」を歌う絵音くんも

急に意味不明な絵を描く絵音くんも

みんな絵音くんなんだなぁ
と。


そういう絵音くんを中心にして

これから
indigoメンバーは
変わらずにやっていくそうなので

これからも
よろしくね
と心の中で思いつつ。

福岡 DRUM LOGOSをあとにしたのでした。。。。


今回は
こんな感じで。


いかがでしょう?

結局
結構長くなっちゃったね。


ではでは、
おやすみなさい☆