Ad novam sationem tecum

風のように日々生きられたら

積み上げられた本の山

2008-11-25 22:38:04 | 日々の徒然
書くことがないので、
何を書こうかと思うのだ。

「本」のカテゴリーの数があまりにも少ないことに気付き、
なんか「本」の話題を書こうと思うのだ。

でも、最近私が読んでいる本は研究書ばっかりで
傍から見ると面白くないこと請け合いなのだ。

紹介できる本、皆無・・・

あ。

この間(=だいぶ前)、
N県立図書館の蔵書整理の話を書いたから、
そのことに関連させて、何か書こう。
(そして、最終的にはエレカシの話題に落ち着くんだな、きっと。)


Nって、長崎のことなんですが。

この蔵書整理は
6年前はじまって、
漸く今年の春に目録が完成。
(↑といっても、出版されたの夏ですがw)

それまで、
多少のインターバルを置きつつも
大体月一回くらい長崎に通いました。

最初は、交通費とか自腹だったなぁ。。。

んで、長崎大学のボロい(←失礼)宿舎に泊まって
風邪ひいたこととか。

元長崎大学の総長の家を改造した民宿「観月荘」
にみんなで泊まって、
「わー、なんか推理小説の舞台みたい
 一人一人、学生が殺されていくんだよねぇ
と、一人ではしゃいで皆をドン引きさせたこととか。

いい思い出だ・・・
(↑自分だけ。)

もともと、
私、書誌学専門ではないのですが、
先輩が声をかけてくださり、
勉強のために参加しましたらば、
いつの間にか、最後の主要メンバーになっていた、
という、恐ろしいハナシ。

最後には、
印記ファイル(←約800個の蔵書印掲載。)を操る
蔵書印マニアになっていましたよ。。。。
(もちろん、先輩の方がスゴイけどね。)

そもそも、
長崎は古くから文化的に栄えていた町なのだけれども、
やはり原爆の影響で、
本は残っていない、と言われていた、らしい。

本の残存状況って、
やはり災害があったかどうか、
というのは大きいんだろうな。

東京にあった貴重書で
(特に、東大研究室とか史料編纂所とか。)
関東大震災で失われたりしたものが意外と多いみたいだし。

たまに、文献調べてたら、
「関東大震災ニヨリ焼失。」ってあって
見られないものがある。

一極集中だとこういうところが怖いですよね。

しかも、災害って思わぬときにやってくるし。

貴重書を一箇所に集めるときは、
やはり、ちゃんと管理していただきたいです。


話はもどって、
そんなわけで「長崎には本が残っていない」と
言われていたのだけれども。

やはり、本というものに関わって生きてきた人は
違いましたよ。。。。
ちゃんと、本を匿ってたんです。

すごいな

あちこちの蔵書家の本が、
その主の死後、図書館に寄贈されたらしいのです。
その数、国書・漢籍合わせて、2万冊・・・・。

地元の神社の神主さんだったり、
国学者・漢学者・蘭学者、然り。
そして、市井の人々も。

思うに、
昔のお金持ちというのは
本当に文化的なことにお金をつかっていたんだなぁ、
と思う。

そして、残っているものを見ると
成る程、いいなぁ、と思うものが多くて
独自の鑑識眼にも優れていたんだなぁ、と思う。

(お金の使い方って、大事だよね)


今回の目録には載せられていないが、
「田中源吉」っていう(おそらく商人の)人の蔵書の
美術関係の本が好きで、
未分類図書の中に田中源吉の蔵書を集めて
ひとまとめにして、
こっそり「源吉文庫」を作ってしまったのは、
私だ。

だって、明治期の木版の絵画の本って
本当にキレイなんですよー。
花とか、鳥とか、草とかの絵。
そして、デザインも好み
いや、今見てもお洒落と思う。
絶対。

(そして、図書館に残ってる数が異様に少ないのを見ると
誰か持っていったんじゃないかとさえ、思ってしまう。
散逸してるのが惜しい・・・。もっと見たかったのに。)


昔の人って、
普通の人も
なんであんなに字も絵も上手なんだろう、と思う。
さささっ、書いてあるだけのものも
素晴らしく味がありますよね

それが、当たり前だったんだろうか。
不思議。


他に、
思い出深いのは

和書にどう見ても
鋭角的に黒い焦げ付きのようなものが
残っているものがあって、
(普通に燃えて黒くなったというには
あまりに不自然な形の黒い焦げ付きだった。)


「もしかして、これ、
原爆の放射能で!?」

っていうものがあったり。


あと、
医学の方論とかの和書に
包紙に入った薬が、
栞の代わりに挟んであったりして、

「この中身の白い粉は、一体何なのか?」

とか、

「ひよっとして、ヤバイ薬だったら、
 (↑江戸時代とかだと、その可能性あり?)
 これ持ってただけで、私、捕まってしまう??」

とか、
すごく気になったりしていた。

あと、
他に思い出せるのは、
酷い虫食いの本とか半分以上虫のフンで、
「これ、絶対、誰も読まないだろうな。」
と、思いつつも、
フンを間違って気管に吸い込まないよう
格闘しながら調査したこと、とか。


変な思い出、ばっかりだな。。。。


あまり、真面目に語らなければ
こんな感じでした。

いい思い出とか、
勉強になったこととかは、
もちろん たくさんありますよ

でも、また、それはまた別の機会に

というわけで、結構長くなりましたが、
蔵書調査の思い出、
でした。


それにしても、
エレカシファンとして気になるのは
宮本さんの蔵書ですよねー
(気になりませんか)

「扉の向こう」でちらっと映って
そんときに見える部分は少し確認できたけど。
(一応、DVD版とNON FIX版どちらも、確認)

すごいなー、と思いました。
本の選び方が、研究者と同じですよ
研究者の本棚でした。

本、たくさんあるしね。
わーい



「平成理想主義」の

ヘイヘイ 其處なるヒ卜よ
俺んちに来ないか?

って聞いたら、
エレカシファンなら
「ええ、行きますとも。」って
思いますよね。


私は、宮本さんの家に行ったら
蔵書整理がしたいです。

そして、蔵書目録を作りたいです。

内閣文庫分類方式で
(スミマセン。アホなんです。)

そして、
蔵書印の整理もして、印譜を作る

(前、ラジオのとき、「幕末百話」の最後のページに
「この本気に入ったから、印鑑押してる。」って言ってたのは
蔵書印のことに違いないと、私は睨んでいる)

ほらね、
結局、宮本さんの話題になったでしょ

********
なんか、これで終わってしまうと、
本当にアホみたいですが。。。

蔵書整理したいっていうのも、
ほら、アレですよ。
宮本さんがどんな本を読むのかなぁ、
っていうのですか?

思考を辿ってみたい、感じなのです。

単なる、アホでは・・・・決して
ナイ(はず)です

ついでに、蔵書整理の一コマも
(3,4年前ですが。。。)


↑奥が私。
(ぱっと、取り上げた本が版本でなくて写本だったために
苦笑いしております。←めんどくさいから。)



なんだか、上の写真だと机の上を散らかし放題なんで
ちゃんと、真面目に(?)やっているところの写真も・・・。

図書館のエプロン着てますww

(奥は軸物を調査している先輩の図。)



























2 コメント

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うるうるしています ()
2008-11-26 08:41:46
おはようございます。
落ち着くところはエレカシってところがnorikoさんらしい。

長崎の図書館の蔵書調査、良いお仕事をなさいましたね~
しかも長崎、関東大震災で焼失はよくあるのですが、原爆はそれよりずっと近い時代のことなんですものね。
いろいろな思いで守り抜かれた蔵書なんだな~と思ったらうるうるしてきました。

古い本を見ていると、些細な発見があって、本当に楽しいですよね。

私は、元長崎大学総長のお宅を改造した観月荘っていうのにも妙に反応しております(笑)
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釉さま (noriko)
2008-11-26 22:34:30
ハイ。やっぱりエレカシでした

しかも、なんかちょっと変に終わってしまってたので、蔵書整理の一コマなどupしてみました(それはどうなのか。)

やはり、関東大震災による文献の焼失は大きいですか。。。。(あ、本文の「焼失」が「消失」ってなってましたね。スミマセン。変換ミスです)

本当に、本を大切にしてきた人達の思いというのは、胸にきますね。私も、うるうるです

「観月荘」は、たぶん釉さんのイメージしてらっしゃるようなモノでは、ないと思われます。残念ですが、戦後に建てられた普通の家です・・・広くて、部屋がたくさんあって、それなりに古びていて、それなりに味はありますが。。。。

期待させてしまってスミマセン
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