毎週水曜日は経営学考察。本日は「ブランディング」を考えてみましょう
例に挙げるのは「
UNITED ARROWS green label relaxing」です
写真は名古屋・栄NOVA店のショーウィンドウ。実は13日にはラシックに移転するので、貴重な写真かも。最近では写真にもある通り、『恋するレーベル。』のコピーのもと、吉高由里子さんがキャラクターを務めていて、交通広告やCFでご覧になられたことがある人もいるでしょう
このコピー、好きかも
グリーンレーベルは、UNITED ARROWSが第2ブランドとしてつくったブランド。本家アローズよりも低価格で、ファミリー向けに展開されております。同じアローズでも、ターゲット層が違うから、ブランドが違うのですね。なぜ分けるのか、などはまた別の話なので置いておくとして
ブランドとは何か。よくいう、ルイ・ヴィトンだとか、グッチだとか、ああいうものはラグジュアリーブランドと呼ばれます
ざっくりいうと、それは企業のイメージです。それは、企業理念や企業文化と言われる、目に見えにくい根源にあるものと、ブランド名・ロゴ・キャラクター・カラー・コンセプト・タグライン・バイラインなど目に見えやすいものに分かれてきます。この際、わからない言葉は置いておいてくださいね
普通は、前者は普遍的であり、後者は変わる可能性を秘めたものでしょう。なぜならば、後者は、前者を可視化するための要素に過ぎないのですから。よって、これらはブランド要素、と呼ばれることもあります
ただ、ロゴを変えまくっていたのでは認知は計れませんし、むしろ、企業イメージを落とすことも考えられます。変えるときにはそれなりの覚悟を持たねばなりません
例に戻ると、実は、グリーンレーベルはロゴを変更したブランドなのです。おなじみの今のロゴは2代目なのですね。葛西薫さんが手がけたロゴはそのブランド名のバランスを図ったと言えるでしょう
また難しい言葉になりますが、ブランドの利益(ベネフィット)は2通りに分かれると考えられています。それが機能ベネフィットと情緒ベネフィットです
実はgreen label relaxingというのは緑、つまり環境を意識したgreen labelという機能と、relaxingという情緒の2つのベネフィットを兼ね備えたステキな名前なのです
そのブランド名を小文字で優しいフォントを使い一番強く打ち出す。当初は親ブランド名も小文字にしてました。最近では親ブランドと同じ大文字ですね。さらに、マークには、シンプルな雫型を採用。これは葉っぱにもみえるし、涙にも、キャンドルの炎にも、魚にもみえるという、色を変えたり、向きを変えて見てもよい、一つにとらわれない、まさにrelaxingなマークと言えるでしょう
これで、従来よりも顧客がイメージしやすくなる、判断しやすくなる。これがブランドの役割なのです。つまり、ブランディングというのは、より伝わりやすいアウトプットにする、ということに集約されると、僕は考えております
デビッド・アーカー先生がいうブランドエクイティ(ブランドの資産価値)というものを高めるためには、常にポリシー・ミッション・アイデンティティなどを確認し、それに合うブランドを提供していく必要があるのでしょう
ちなみに、グリーンレーベルのコンセプトは『Be Happy』で、今シーズン(2012 S/S)のテーマは『Make happy』ですって。また、特設サイト「
恋する名所」もぜひ、ご覧あれ