◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

総合商社の史上最高益(中間決算)に想う

2005-11-06 | 会計・株式・財務
先週末は総合商社の中間決算説明会に出席しましたが、
既にマスコミ等で報じられているように、
資源・エネルギー高の恩恵もあり非常に好調な決算です。

ただ、ほんの少し気になる点がありましたので
備忘録的に書いておきます。
絶好調期ほど、物事を保守的に見てしまう・・・私は損な性格です。


①配当は連結業績ベースで計算(例:連結純利益の20%)している
 ものの、あくまで支払うのは単体。
 関係会社や事業投資先からの配当などでの回収をしていかないと、
 単体純利益で見た配当性向は100%に達してしまう!ってことに
 なりかねません。
 各社ともこの点には留意しているので心配はしてませんけど、
 単体の財務バランスも少し気をつけて見ないといけないですね。


②資源・エネルギーで潤った大手各社は一律、
 米国会計基準に基づき財務諸表を作成しておりますが、
 今後一部基準の変更が行われます。
 それが、大手各社の有価証券報告書等に記載しております、
 米国発生問題委員会によりますEITF第04-6号
 「鉱山業における生産時に発生した剥土費用に関する会計処理」です。
 
 このEITF第04-6号は、生産時に発生した剥土(はくど)費用は変動生産費
 であり、棚卸資産に配賦すること、すなわち将来における潜在的な利益は
 考慮すべきでなく、発生した活動に関連するものである旨規定しております。
 要は、発生時に費用処理しなさい、ということでしょう。

 この規定は05年12月15日より後に開始される会計年度から適用されますが、
 三菱商事は来期から、伊藤忠商事は早期適用するか検討するとの事。

 全社利益に与える影響は小さいとは思います。ただセグメント利益が、
 資源価格の伸びほどない時には、この規定の影響は少なからずあると
 見て良いのではないでしょうか。
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