気象予報士 語種(かたりぐさ)

このブログでは様々なそらについて、気象予報士の観点もまじえ見ていきます。題名をクリックしてみてくださいね!

濃霧

2005-10-27 02:12:19 | そら
僕が現在住んでいる成田地方は霧が多い。

これには主な理由が2つ考えられる。1つは、成田は海が近いので海からの風が入り込み陸地との気温差で霧が生じる(移流霧)。そしてもう1つが晴天に伴い夜間の放射冷却により生じる霧(放射霧)である。特に後者が顕著で盆地の多い成田では今時分の秋の移動性高気圧によりこの放射霧がよく発生する。朝に車を運転していると田んぼに霧がかかっているという幻想的な風景をよく見ることが出来る。

数日前に野球日本シリーズで濃霧により試合が途中でコールドとなってしまった。これは雨が降ったあとの湿った空気に寒冷前線が通過しつめたい空気が入ってきたことで空気が飽和となり霧が生じたもので、成田もひどかった。そんななか僕は車を運転していたのだが全然視界がない。車のヘッドライトが霧を反射してしまい視界は場所によっては5m位しかなく、慎重な運転を余儀なくされた。

東京と数十キロ離れただけでこうも気候が違うのかといまさらながら自然とコンクリートジャングルの違いについて思い知らされてしまう。

*画像は成田空港。成田空港も濃霧に見舞われ他の空港へのDIVERT(到着空港変更)してしまうことがある。

THE DAY AFTER TOMMOROW をみた

2005-10-20 22:51:13 | そら
画像:ハリケーン「ウィルマ」

映画「THE DAY AFTER TOMMOROW」をみた。
the day after tommorow サイト

地球温暖化が原因で世界各地で異常気象が発生し、ロサンゼルスに巨大竜巻が襲来、日本には巨大なヒョウが降り注ぎ、ニューヨークは洪水で水没。さらに地球は再び氷河期へと突入し、北半球は完全に氷に覆われてしまうというストーリーだ。

 この映画の主人公は気象学者で気象に関するものが多々でてくる。この映画を見るのは2回目だが、気象から離れていてみると自分の気象に対する興味が呼び起こされる。

 地球温暖化に伴う異常気象というのを最近よく耳にする。でも、もうこれは異常ではなく気候変動に伴う気象現象なのではないかと思う。TV局などは何でも異常気象という言葉で片付けるのはやめてほしい。現実を捉えてしかっりと向き合っていかねば!
地球というのは長い周期(数万年)で寒気(氷期)→暖気(間氷期)を繰り返している。そして近年の人間活動では自然ではない熱源を発生させている。気象というのは元来熱の差異(空気の密度)による現象活動なので、大気や海流の流れが変わって今までにないような気象現象が起こっても当然だろう。

 そしてアメリカにまたハリケーンが発生した。
[ハリケーン] ハリケーン「ウィルマ」、史上最強に=中米諸国に接近 - goo ニュース
カトリーナの傷がまだいえぬ中、観測史上最大のハリケーンがアメリカ合衆国に迫っている。中心気圧が900hpa以下、中心付近の最大風速が70m/s。当然瞬間最大風速はそれ以上。おそろしい。

ハリケーンというのは台風と一緒である。ただ地域によってハリケーン・タイフーン(台風)・サイクロンと呼び名が違うだけである。

ちなみにTHE DAY AFTER TOMMOROWのサイトではクイズや世界で起きた異常気象などがあってなかなかおもしろいです。


空の風景③

2005-10-08 19:25:35 | そら
去年の10月にシンガポールから日本に戻る飛行機の車窓からの1枚。
当時日本上空には台風がいてこの雲もその一端である。かなとこ雲、まさにその雲である。
雲というのは対流圏より上には出来ない(ごく一部の例外を除く)。というのも、その上の成層圏に入ってしまうと対流圏では上空に行くにつれ気温が下がっていくのだが、成層圏に入ると上空に行くにつれ気温が上昇する。これにより大気が安定な状態となり成層圏では雲が出来ないのである。なので上に成長できない積乱雲が大気の圏界面にこのようなかなとこ雲を作るのである。