クリプトKです!
前回は失業率について、仕事を探すのを辞めてしまった人達が、失業者の統計から削除されるため、現在の失業率3.7%という数字が出ているが、ShadowStatsのデータで実際にそういった人たちを合わせると、現在の失業率は21%になるというお話をしました。今日は引き続き、統計についてですが、『物価』についてのお話をします。物価上昇率も、失業率と同じように一般調査データや過去の調査方法を基準にすると、現在発表されている情報を大きく食い違っているのです。
以前ご紹介しました、リーマンショックを予期していた一人、ピーター・シフ氏が、以下の動画で政府が公表しているデータと、自身で調べた物価に関するデータの大きなズレについて語っています。
VIDEO
この動画では政府が公表しているCPIインデックス(消費者物価指数)と同氏が選んだ生活品20品の価格の上昇率について比較しています。対象となっているのが、卵・新車・ミルク・ガソリン・パン・航空チケット・牛肉・ビール(お店で買う)・コーヒー・家賃・歯医者代・電気代・バスや電車など公共の交通料金・コーンフレーク・薬・リンゴ・ポテト・砂糖・バター・タイヤの20商品です。1970から80年までの政府発表のデータと比較したところ、誤差は5%ということで、ほぼ同じくらいとのことでしたが、2002年から2012年のデータを比較したところ、政府発表が27.5% の上昇に対して、シフ氏の選んだ20商品は44.3% 上昇と誤差が大きくなっていることが分かりました。
さらに新聞の価格を同じように比較したところ、政府発表では37.1% の上昇に対して、シフ氏が選んだ有力誌の価格(Time Magazine, US NEws World Report, Wall St Journal, Washington Post, Newsweek, USA Today, LA Times, NY Times, Sports Illustrated, People)を調べたところ131.5% の上昇と、3倍近くの誤差があることが分かりました。
続いて、健康保険の料金比較では、政府の物価上昇率は4.3% の上昇に対して、Kaise Survey of Employer Health Insuranceの調査結果は24.2% と大きく差があります。
では、前回ご紹介しましたJohn Williams氏のShadowStatsサイトにある物価に関するデータをご覧ください。
同じものがこちらのリンクで見ることができます。
http://www.shadowstats.com/alternate_data/inflation-charts
上にあるデータが1990年を基準として比較した消費者物価上昇率です。政府の発表では2%弱くらいの上昇なのですが、Shadowstatsデータでは、5%以上の上昇となっています。
さらに1980年を基準とすると、現在の消費者物価上昇率はなんと 10%!!!
となっているのです。このグラフを見るとアメリカの物価は毎年10%くらいづつ上昇している傾向にあるのです。
以前お話ししましたが、QE(量的緩和=紙幣を刷る事)は紙幣価値を下げることで、『金』がお金だった時代では、金貨に鉄クズを混ぜて大量に発行すると、価値が下がるのと同じことなのです。だから同じものを購入するためによりたくさんの紙幣が必要となるのです。歴史上の帝国は金貨に鉄クズを混ぜて、崩壊の道をたどりました。今、同じようにQE(量的緩和=紙幣を刷る事)という合法的な偽札を大量に発行することにより、世界の国々が同じ道をたどろうとしているのです。
次回は、見えない物価上昇『シュリンク・フレーション』についてお話しますね。
クリプトK