「ケチ」の同義語の数々。
最近発作的に昔の事を思い出すのだが、今日は今までに1番インパクトのあった「ケチ」なシトの話を。
そのシトはアタシが昔働いていた会社にいた定年をトウに過ぎていて孫のいる歳だが嘱託で働いていたシトで、何しろ全てがケチ臭い。
競馬が好きで毎週末馬券を買っていて、「いつか万馬券を当てたい!」が口癖で、その後に必ず続く台詞が奮ってるんだよな、
「万馬券を当てた暁には皆に鯛焼きを買ってやりたいと思ってるんだよ!」
ぎゃふん!万馬券で1個たかだか100円程度の鯛焼きだぜ!
零細企業の全社員十数人に鯛焼きを奢っても2000円でお釣りがくるぞ!
結局、鯛焼きは奢ってもらわずじまいだったが、もしも奢ってもらったらその事を延々と恩着せがましく言われるんだろうな、間違いない。
鯛焼き1個で義理を売られちゃタマランよ。
最初は冗談でわざとケチな事を言ってると思っていたのだが、豈図らんや、このシトはマジで筋金入りのケチで、例えばアタシが好意で誰でも口に出来るように仕事場に飴などを置いて置くとソレをごっそりポッケに仕舞い、無くなると都度新たに買ってくる様に催促をする始末。
まあ、こんな輩は「洒落にならない野郎」として話のタネにし笑い飛ばすのだが、最高に笑ったのはある日、件のケチが仕事場に近所の八百屋で買ったという栗を茹でて持って来て栗むき鋏でむいて1人黙々と食べていたのよ。もちろん、他人にはあげませんよ、ドケチだから。で、そこに経理のオネエチャンが通りかかるとドケチが「ちょっと、ちょっと!」と呼び止めた。
栗むき鋏を見せて、「コレ何か分かるかい?」「えー、分かりません」とオネエチャン。「コレは栗をむく鋏でホレこの様に‥」と実演し栗をむいて、むけた栗を目の前に差出し「なっ!キレイにむけただろ?」
流石のドケチでもオネエチャンには栗をあげるんだなぁと思ってたら、
「むけたら、こうして食うんだよ。」と目の前に差し出した栗を自分の口に放り込みモグモグ。
ギャハハ!あげるんじゃなくて、栗をむくトコを見せただけ‥
オネエチャンの唖然とした表情にアタシは笑いを堪えるのに必死。
今でもその光景は目に焼き付いていますよ。
「ダメだ!こりゃ。」
いかりや長介さんが生きていたら、絶対にそう言いますよ。
