利用者の見守りをする時は、利用者の行動を先読みし行動の妨げになりそうな物を除けておくことを心がけるのが望ましい。具体的には、車椅子で施設内を移動している時にレクリエーションで使う道具や椅子などの障害物を除けることだ。これらがあると、利用者がつまずいて転倒してしまうリスクがある。車椅子の車輪にものが挟まった場合も事故につながるので、大きさを問わず利用者の移動を妨げるおそれのあるものは取り除くようにすると良い。
利用者の尊厳を傷つけないように過剰に手助けをしないように注意することも、介護施設での見守りにおいて重要なことである。自分で持てるものを毎回持たれるとプライドを傷つけるか、自立できるように頑張ろうという利用者の気持ちを削いでしまう可能性が高い。利用者が移動する時に近い距離で補助しないように心がけることも意識することが望ましい。常に近くに職員がいたり移動の度に毎回ついてこられたりすると、利用者も不快に感じるからだ。
監視されていると利用者がストレスを感じないように、あくまでさりげなく見守ることが重要だ。利用者の様子に異変がないか見渡すことも大事だが、特定の利用者だけを注視する、一方向だけを見続けるという行動を取らないようにすると利用者もそこまでプレッシャーを感じないだろう。どのタイミングで手助けや見守りが必要か把握し適切な距離で利用者と接すると良い。
介護職員は生活に密接してサポートする仕事であるため、利用者のプライバシーに配慮することも重要だ。トイレや入浴など人にあまり見られたく場面では、介護職員の介助が必要なところまで手助けし、利用者本人ができることはしない、外にいるなどの配慮を意識すると良い。