まちを歩く ~散歩日記~

カメラを片手に街を歩き、
見たもの、感じた事を綴っていきたいと思います。

浜田山駅

2009-10-19 10:38:48 | 日記
今回は浜田山駅。高井戸駅と同じく、住宅街として定着している一帯だ。

電車を降りると、線路の両側はぎっしりと建物が並んでおり、閉塞的な雰囲気だった。出口は駅の北側にしかないので、1度駅北に出る。線路と平行に並ぶ駅前の通りは思った以上に栄えていた。





しかし、今日行きたい所は駅の南側にある。すぐに線路を渡り、駅南へ。鎌倉通りをしばらく歩く。


すぐに目的地・柏の宮公園が見えてきた。大きな木が出迎えた。






ここは区立公園だが、とにかく芝生の広場が広大で、また、少し丘のようになっているのも気持ちが良い。
日曜の朝、犬の散歩と子供たちで賑やかだった。
 





芝生も良いが、ちょっと奥に行くと緑地帯、農地などもある。とにかく公園の大きさにはびっくりするだろう。
ジョギング愛好家にも万全の心遣い。






 

ここまで大きな公園はなかなか見ない。
だが、更にもう1つおもしろい公園がこの近くにある。

柏の宮公園から南へ数分。井の頭線の盟友・神田川を越えると、塚山公園という所に辿り着く。こんな近距離に2つも区立公園がある。





入口から見た限りでは素朴な、ごく普通の公園だが、入口より一段高くなっている奥へ行くと、この公園の広さに再度驚く。
そして、柏の宮公園より緑の木々や池、水の流れない川などが多彩で、その風景は東京離れしている。





さらに、突如現れる縄文時代の復元住居。この公園は「塚山遺跡」というもう一つの顔を持っている。





復元住居の中には、同じく復元された縄文時代の家族の様子が見られる。隣には資料館があり、発掘された土器などが飾られていた。

塚山公園が出来るまでには歴史がある。
ここは昔、国がこの場所に官舎を建てようとした際、住民が遺跡と樹林の保存運動をおこして、今のような公園を作る事で決着したという、言わば住民運動の賜物。

住民の声が、国に届く事もあるんだな、とホッとした反面、
なぜこの場所に官舎を作ろうと考えたのか、理解できなかった。

今も昔も、やっている事は何も変わらない。


さて、2つ公園を散歩するとそれなりに時間が過ぎる。


今度は柏の宮公園まで戻って、そこから西に少し歩く。
しばらくは柏の宮公園から続く緑が豊富だが、徐々にその緑を立ち入り禁止の看板や工事の鉄柵が取り囲む。

その先にあるのが、都内でも有数のマンション地帯となるであろうパークシティ浜田山だ。



まだ完成はしていないものの、その雰囲気は別格。東京の高級マンションはこうなっているのか、と感心した。



ゆとりのある空間。芝生とレンガの道。ここだけ異空間に思えた。

しかしここも、色々な歴史・騒動があったようだ。今もまだ続いている。


さて、お昼が近づいた。いい加減、お腹がすいたので駅の近くへ向かう。

浜田山は本当に静かだ。この静けさこそ、住宅地として一番大切な要素だ。
 

線路を渡り、駅北に出てずっと歩くと、人見街道とぶつかる。
人見街道を東へ行くと人見街道と井の頭通りの交錯するポイントへ。
その交差点から駅へ続く道が浜田山のメインストリートだ。

意外とお店が多く、飲食店も豊富で迷った。
「安藤」という蕎麦屋か、「たんたん亭」という支那そば屋にしようかと思っていたが、中には魅力的な看板を出しているお店もある。



で、結局、柏の宮公園に行く途中、少し気になった「大橋家」という蕎麦屋に入り名物の栗山そばなるものを召しあがった。
栗山そばとは、そば粉100%で独特の風味がある。蕎麦好きにはたまらない変わり蕎麦。

お腹を満たし満足した自分は駅へと向かう。
この辺りは、雰囲気の良いお店が何気なく点在している。夜来てもおもしろいだろう。







駅のすぐ近くには、教科書通りの佇まいをした銭湯があった。




とにかく静かで、心地よい街。
東京に住むのなら、ここに住みたいと思うのは自分だけではないだろう。

井の頭公園

2009-07-20 20:25:30 | 日記
この散歩記も随分日が空いてしまった。
仕事の忙しさにかまけていたが、ここから再開である。

今日は何となく緑豊かな場所に行きたくなって、
今更ながら、井の頭公園を歩いてみた。



井の頭公園は、
言わずと知れた、東京を代表する緑の豊富な公園である。
その中心には、細長く伸びた井の頭池があり、
江戸時代には、市民の水がめとして用をなした。
そして、地域の人々はこの一帯から受ける自然の恩恵に深く感謝したという。



井の頭公園を歩くのは東京に来て2度目だった。
歩いて感じるものは前回とほとんど変わらなかったが、
前より人が少ないように思えた。
とはいえ、特に野外ステージの近くには個性的なパフォーマーと、
物を売る人と、散歩する人たちが沢山いて、
賑わいを見せていた。

池の周りを取り囲む緑は迫力があり、
強い日差しも木々に阻まれ涼しい気分で歩く事が出来る。

池の中央には弁財天が浮かぶ。



東京の水源となったこの広大な池は、そこに住む人々に大切にされ、
地域の象徴としてここまで残されてきた。

しかし、井の頭公園も今では問題を抱えている。

歩けば必ず目につくビニールシートを広げて飲み騒ぐ人々。
花見の季節には一面宴会の席で埋め尽くされる。

そして、大量に捨てられるごみ。

かつては水源として大切にされた井の頭池の水も、
今では水質汚染に悩まされている。
近くに行って池を覗けば、水の濁った様が良くわかる。

だけども、一番衝撃を受けたのは、放置自転車の山。



撤去した自転車を集めておくスペースがあるほど、
大量の自転車がこの公園に捨てられている。

僕は、今まで自然破壊だとか、エコだとか、
そういうものに全く興味がなかった。
どちらかといえば、自然に対して無責任だった。

だけど、大好きな自分の地元の山や景色がゴミで汚されていたのを見た時、
心の底から腹立たしさと憤りを感じた。

そして、
少しでも自然を守れるように心がけたいと思った。

現状はこの有り様だ。

東京にわずかしかない緑豊かな公園も、
都合の良い空き地として利用されてしまう。

地球の未来は、どうしても曇り空にしか見えない。

僕は、
1人1人の心掛けだけで、環境破壊を食い止める事はまず不可能だと思っている。
だけど、1人1人の心掛け無しには、この地球に未来はない。

自然は消え、自然の中にいる人間も消えていくだけである。


井の頭公園を歩きながら、そんな事を考えていた。