季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

戦争と蛙(1)

2022-05-05 13:45:57 | 子どもの本
 ゼレンスキー大統領夫人オレーナ・ゼレンシカさんは脚本家でもあります。暗殺の標的になることも恐れずウクライナ国内にとどまって戦っています。
 その彼女が、視覚障害の子供たちのオーディオブックに日本の二冊の絵本を選んだそうです。『ももたろう』と『二ひきのかえる』。なぜ『ももたろう』を選んだのかは分かりそうな気がします。理不尽な外国の侵攻に負けず、子供たちにも強い意志を持って戦ってほしいとの願いが込められているのでしょう。
 『二ひきのかえる』とはどんな作品なのでしょうか。大正2年生まれ 昭和18年29歳で早逝した新美南吉が昭和10年22歳で書いた作品です。新美南吉と言えば教科書にも載っている『ごんぎつね』や上皇后様が幼い頃に感動した『でんでんむしのかなしみ』などが知られています。
 『二ひきのかえる』とはどのような作品なのか。新美南吉がこの作品を書いた昭和10年(1935年)とはどのような年だったのでしょうか。日本はこの年に対中国への和平交渉打ち切りを通告し、ドイツでは国防軍の統帥権をヒトラーが掌握します。日本が徐州を占領し「国家総動員法」が交付され、第12回オリンピック東京大会中止が決定し、世界初の核実験(プルトニウム型)が行われました。この6年後に日本は真珠湾を攻撃し太平洋戦争へと突入していきます。
    このような状況にあって若い南吉は『二ひきのかえる』にどのような思いを込め、ゼレンスキー大統領夫人はそれを読み、何をウクライナの子供たちに伝えようとしたのでしょうか。次回は作品の内容から二人の思いを考えてみます。

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