私は妻が亡くなったことを受け止めきれず、せめて自分が納得できる供養をするためにお坊さんを志しました。 2年前に一応真言宗のお坊さんの資格を授かりましたが、毎日の勤行の際には妻に申し訳ない思いがつのり、涙を堪えられませんでした。 こんなことではいけないと思い悩みましたが、ある日ふと思ったのは「私は¨感情満々の私¨の代行者として毎日の供養を勤修するのだ」ということです。 それこそがお坊さんの使命なのだと思いました。 その日から私は冷静に¨もう一人の私¨の代行者として勤行を行い、仏前で泣かなくなりました。