チャイナプロジェクトの樋笠です。中国の映画産業が経済成長とともに記録的成長を遂げているという人民網のニュースです。13億人超の人口を抱える中国の地方都市(二線級・三線級都市)にシネマコンプレックスが普及して国産映画が好調な事が要因のようです。映画産業・アニメ産業など、中国は国家を挙げてソフトパワーに注力していることが分かりますね。
映画市場が急速に発展 二線・三線都市での発展受け
以前は映画の上映スケジュールでハリウッド大作を避けていたことが、国産映画が受けていた大きな圧力を映し出していた。だが今では国産映画が次々に「奇跡」を演じるようになり、中国電影集団公司党委員会の焦宏奮書記は、「これまでわれわれはハリウッド映画とぶつからないようにしていたが、今では反対に、ハリウッド映画が中国国産映画に高い関心を寄せるという状況が訪れている」と感慨深げに話す。
ヴィッキー・チャオ(趙薇)初監督作品「致我們終将逝去的青春」
ここ数年来、中国の都市化プロセスが加速的に進行するのにともない、二線都市や三線都市の映画市場の規模が急速に拡大しており、国産映画産業の今後の発展により大きな可能性をもたらすようになった。
現在、全国の県級都市には1300館前後の映画館があり、スクリーン数は約4500スクリーンに上る。県級都市の35%に映画館があることになり、その多くは現代型のデジタルシネマコンプレックスだ。二線・三線都市での映画館の普及拡大が、中国映画市場のカバー能力を一層高め、また新興市場がもたらした観客構造の調整や末端の観客が国産映画に寄せる興味と信頼感が上映スケジュールに影響を与え、国産映画の成長に保障を与えている。
今年に入ってから国産映画市場の新記録達成が続いている。国家新聞出版広電総局電影(映画)局がまとめたデータによると、今年5月12日現在、全国の映画興行収入は81億元を超え、前年同期比39%増加した。うち国産映画のシェアは前年のわずか34%から今年は63%に達して、「大逆転」を遂げた。それだけではない。一日あたりの興行収入、のべ上映回数、のべ観客数、国産映画の封切り日の興行収入などが今年に入って次々に記録を更新した。同局の張宏森局長は、「全国の興行収入と国産映画の市場シェアがいずれも新記録を達成したと同時に、国産映画に対する観客の信頼感も徐々に高まっている」と話す。
今年の映画市場には、「西遊・降魔篇」や「十二生肖」(ライジング・ドラゴン)といった国産の大作だけでなく、「北京遇上西雅図」や「致我們終将逝去的青春」といった中レベルの制作費による小品佳作も登場。継続的に安定して人気作品が登場するため、中国の映画市場は巨大な吸引力を発揮している。
ある業界関係者によると、映画産業の改革第2期の10年間がスタートした今年、中国映画市場はすでに新たな発展段階に足を踏み入れた。国産映画の質が全体的に向上したことが、最近の映画市場が空前の繁栄を迎えていることの主要因だという。また焦書記は、「中国映画産業は世界の映画市場が軽視できない重要なパワーになった」と指摘する。
「人民網日本語版」2013年5月14日
http://j.people.com.cn/94476/8243275.html