□本日落語一席。
◆春風亭一之輔「麻のれん」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)年7月20日(第637回「TBS落語研究会」)。
初めて聞いた(たぶん)。ちょっと強情な盲人の按摩が麻のれんと蚊帳をまちがえて失敗するという噺。落語の展開に麻のれんや蚊帳を手さぐりするという所作があるため、かつてテレビがまださほど普及しなかった時代にラジオでの落語番組では敬遠されたらしい(川戸貞吉『落語大百科』)。「蒟蒻問答」「睨み返し」などと同様に、見る要素が入るネタなので、ラジオではちょっと演りにくいというわけだ。
その後、時代はテレビ全盛となって、「蒟蒻問答」も「睨み返し」もさかんに掛けられるようになったが、この「麻のれん」はどうだったろう、昭和30~40年代あたりだと、落語家はわりと演じていたのだろうか。ちなみに、川戸貞吉『落語大百科』では、おすすめとして五代目古今亭志ん生と五代目春風亭柳朝が挙げられている。
しかし、自分が落語好きになって、テレビで熱心に落語番組をチェックするようになって以後、一度も聞いたことがない(たぶん)。それは、やはり登場人物が盲人だからだろうか。別に噺のなかで、盲人を揶揄しているところなどいっさいないのだが、それでも、盲人ゆえに失敗してしまうという内容が敬遠されてしまうのだろうか。
テレビドラマなどでも、差別的な表現をやかましく言うようになったのは、昭和60年代以後くらいのように思っている。そのあたりで再放送された昔のドラマなどは、NGワードでけっこう音声が所々で切れたりしてズタズタにされた作品もある。
◆春風亭一之輔「麻のれん」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)年7月20日(第637回「TBS落語研究会」)。
初めて聞いた(たぶん)。ちょっと強情な盲人の按摩が麻のれんと蚊帳をまちがえて失敗するという噺。落語の展開に麻のれんや蚊帳を手さぐりするという所作があるため、かつてテレビがまださほど普及しなかった時代にラジオでの落語番組では敬遠されたらしい(川戸貞吉『落語大百科』)。「蒟蒻問答」「睨み返し」などと同様に、見る要素が入るネタなので、ラジオではちょっと演りにくいというわけだ。
その後、時代はテレビ全盛となって、「蒟蒻問答」も「睨み返し」もさかんに掛けられるようになったが、この「麻のれん」はどうだったろう、昭和30~40年代あたりだと、落語家はわりと演じていたのだろうか。ちなみに、川戸貞吉『落語大百科』では、おすすめとして五代目古今亭志ん生と五代目春風亭柳朝が挙げられている。
しかし、自分が落語好きになって、テレビで熱心に落語番組をチェックするようになって以後、一度も聞いたことがない(たぶん)。それは、やはり登場人物が盲人だからだろうか。別に噺のなかで、盲人を揶揄しているところなどいっさいないのだが、それでも、盲人ゆえに失敗してしまうという内容が敬遠されてしまうのだろうか。
テレビドラマなどでも、差別的な表現をやかましく言うようになったのは、昭和60年代以後くらいのように思っている。そのあたりで再放送された昔のドラマなどは、NGワードでけっこう音声が所々で切れたりしてズタズタにされた作品もある。
したがって、落語家が演らなくなれば、ネタそのものも廃れてしまうのだ。今回もCSだというのはあるが、確か、この番組は東京圏だと地上波でもOAされていたのでは。これからは、こういったものも積極的に掛けてほしいものである。