竹林亭白房

夏丸「いが栗」★落語

□本日落語三席。
◆桂夏丸「いが栗」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
池袋演芸場、平成30(2018)年6月19日(2018年池袋演芸場6月中席※寿真打昇進披露興行)。
寄席チャンネルのラインナップを見ていて、これはめずらしい噺を演っているなと思って録画した。「いが栗」は、百均の<ダイソー>で買った落語CDシリーズの桂歌丸に入っていたのを聞いたのが初めてで、その後、三遊亭圓丸が演った(横浜にぎわい座、2017年6月3日/第百七十七回「にぎわい座名作落語の夕べ」)のを聞いたのみである。

なお、「いが栗」は、上方落語「五光」を、三代目三遊亭圓馬が東京に移したものらしい。その「五光」だと、桂米朝で聞いたことがあるけれど、それでも、「五光」も米朝以外の他の落語家では聞いたことがなく、やはり上方落語を含めても、「いが栗」「五光」は珍品だと言える。

今回聞いた演者夏丸は、桂幸丸の弟子。そして、幸丸は桂米丸の弟子である。新作派の米丸が「いが栗」をもっているとは考えにくい。したがって、幸丸が「いが栗」を演るかどうかは知らないが、いずれにしても、継承の元はやはり桂歌丸だろう。歌丸から直接夏丸に伝わったか、または、あいだに幸丸を経由しているか。

というのも、例のダイソーCDに、歌丸が「いが栗」に登場する坊主を評して、「顔中髭だらけで、それはもう脱会する前の談志みたいなもんで……」と言うところがあり、今回の夏丸も「三十年前の立川談志みたいな……」と言っていたから、このクスグリごと、歌丸からの継承のように思えたのである。

「いが栗」(「五光」)は民話のような噺で、あまり笑いどころがない。そういう意味では「田能久」「鬼の面」などと同列になるだろう。
歌丸のCDでは、この「脱会する前の談志……」で、客席はどっと大ウケにウケていたが、所謂笑わせどころはここだけだったとも言える。<ダイソー>CDは百均商品だから、公演情報などまるでわからない。けれど、昭和のなかばころか、たぶんかなり古い時代のものだろう。
立川談志が落語協会を脱会して立川流を創始したのは昭和58(1983)年。だから、客席がどっとウケたのは、おそらくその時期に近かったからではないだろうか。今回、夏丸が「三十年前の立川談志みたいな……」とのクスグリでは、さざ波程度のウケだった。昭和は遠くなりにけり。または、去る者は日々に疎し。

◆桂夏丸「懐かしのCM」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
池袋演芸場、平成30(2018)年6月20日(2018年池袋演芸場6月中席※寿真打昇進披露興行)。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久扇・二代目林家三平・六代目三遊亭円楽・林家たい平(日本テレビ『笑点』第2762回)。
長崎県佐世保市アルカスSASEBO、令和3(2021)年4月10日収録(5月23日OA※長崎国際テレビ開局30周年記念)。
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