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プジャリさんの卵と南インドごはん

2017-09-17 22:08:45 | インド

マンジャクディでは将来儀式を司るプジャリさんの卵たちがマントラの練習に励んでいるところも見学させてもらいました。

プジャリさんとは訳すなら司祭さんまたは祈祷師さん(?)といわれる方のことです。神様に一番近いところで働く方々ですから、ブラフミンといわれる司祭職の家柄に生まれないとなることができません。でも現代ではそのような家系に生まれてマントラを授けられても、一日も休むことなくチャンテイングをしたり、決められた儀式を手順にのっとってやり続けなければならない、あるいは縫製された服を着ることが許されない(体にまとうものはドーティ―といわれる布だけだそうです!)ので、現代社会でやり続けるのはたやすいことではないでしょう。転向して一般的な仕事に就く方も多いと聞きます。ですが、私が見学したプージャスワミジの故郷の町の少年たちは息苦しいくらい暑い部屋・薄暗い灯りの下で膨大な量のマントラを唱え続けていました。

この少年達はこれが使命なので普通の教科の勉強はしなくてよいそうです。とはいえ、毎日毎日サンスクリット語のマントラを一日何時間も音読し続けるのですから、相当のヴィヴェーカ(自分にとって何が大切なのかといった価値基準が整うこと)がないとできません。

他にもっと派手なお楽しみや願望が尽きないと思われるこのお年頃の男の子たち。彼らをここまで自分の役割に向かわせるものは何なのでしょう?

 

プージャスワミジは、ヴェーダーンタの勉強をする生徒たちに決してプレッシャーを与えたりされませんでした。逆に、いつもジョークばかりおっしゃって、皆を笑いの渦に巻き込んでいました。私が受けた2015年春の最期のキャンプもまさにそうでした。その、日本でいうなら国宝級の噺家さんの話芸(?)といってもいいくらいの見事なお話の展開に何もかも忘れて笑っているうちにあっという間に時間がたったものでした。ところがもちろん、スワミジのお話はジョークで終わるのではありません。クラスのラストには見事に一ミリのズレもなく着地点に着地するのでした。難解と思える話題も楽しく腑に落ちるように教えて下さるのがスワミジでした。

ヴェーダーンタは本当にロジカルで矛盾がない学びなので、生徒からの質問は全てウェルカム。先生は偉そうに難しい顏をして話すもの、あるいは生徒はかしこまって聞くもの、といったステレオタイプのやり方は必要ありません。中でもプージャスワミジは現代の私たちにも納得がいくよう、不要な恐れや密教性をもたらさない楽しい雰囲気作りを意識していらしたのだと思います。

そのようにして、自然に学びたいと思い儀式をしたいと思った人が儀式をするし、本当に学びたいと思ったものは誰であれ受け入れてくれる、それがヒンドゥーの文化だと私は理解しています。

 

プジャリさんの卵の少年たちも、きっと心から楽しんでいるからこそ、誰に強いられることもなくあのような修行に自ら身を投じることができるのだと想像します

 

話は変わりますが、こういった少年たち、家族みなを支えるのはおかあさんのおいしいごはんです。

インドのご飯は野菜の下ごしらえなどに相当な手間と時間がかかっていて、本当に、美味しい!の一言です。

南インドの食事には日本のご飯によく似た白いご飯も多くみられました。キチュリと呼ばれるお粥がとてもおいしかったです。少しスパイシーですがもっと辛いサンバル(=酸味のあるカレー=南インド料理の代表的存在)などと比べるとマイルドでほっとする味でした。

ヴェーダの文化ではごはんは神様にお供えしてから食べる神聖なものなので、基本的に外食ということはしません。日本では街には飲食店だらけですが、インドでは本来食事は売り買いしてはいけないもの。食べ物が身体や心となっていくことを考えれば、お金を払えばそれ(身体や心)が手に入ると安易に思い込むことへの疑問が見えてきます。

 

←一度だけレストランで外食しました。ミールスと言われる定食。色々な味のカレーが食べられておなかいっぱいです。南インドではバナナの葉をお皿代わりにして使います。

←グルクラム(学びのための宿泊所付きの施設)ではこのようなごはんが毎食提供されました。すべてのお料理が本当においしく、心を込めてつくられサーヴされていることをしみじみありがたく思いながら頂きました。インドのごはんは苦味や酸味、辛み、甘み、全ての味の要素が詰まっていてとても深い味わいです。ついつい食べ過ぎてしまいました。

 

食べ物はとても重要なトピックなので、また機会があれば書きたいと思います。

 

 

 


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