
■放送日時
昭和60年(西暦1985年)4月20日(土)午後6時
■オープニング・クレジット
プロデューサー
加藤守啓 (テレビ朝日)
鈴木武幸 (東映)
富田泰弘 (東映エージエンシー)
原作
八手三郎
連載
テレビマガジン
てれびくん
テレビランド
脚本
曽田博久
音楽
矢野立美
主題歌
電撃戦隊 チェンジマン
NEVER STOPチェンジマン
作詞 さがらよしあき
作曲 大野克夫
編曲 矢野立美
唄 KAGE
(コロムビアレコード CK-738)
チェンジドラゴン/剣飛竜 浜田治希
チェンジグリフォン/疾風翔 河合宏
チェンジペガサス/大空勇馬 和泉史郎
チェンジマーメイド/渚さやか 西本ひろ子
チェンジフェニックス/翼麻衣 大石麻衣
伊吹長官 藤巻潤
鈴木玄秀
庄司浩和
渡辺実
野本奈穂子
菊池香里
金子早苗
秦暎花
服部賢悟
(声の出演)
星王バズー 加藤精三
副官シーマ 飯田道郎
航海士ゲーター 増岡弘
新堀和男
的場耕二
喜多川務
赤田昌人
蜂須賀祐一
日下秀昭
(ジャパン・アクション・クラブ)
アクション監督
山岡淳二
(ジャパン・アクション・クラブ)
ナレーター
田中信夫
ギルーク司令官 山本昌平
星王バズー 桑原一人
副官ブーバ 岡本美登
副官シーマ 藤枝かな
監督
山田稔
■今週のあらすじ
●Aパート
団地の前の公園を黒い毛むくじゃらの化け物に追われて逃げ惑う子供達 ⇒ 見慣れたオートバイ二台と乗用車一台が合流して停車 ⇒ 〈サブタイトル表示〉 ⇒ 剣と疾風はバイクで、大空は車で、さやかと麻衣は車から降りて、それぞれ走り出す ⇒ 団地のベランダで洗濯物を干している女性。どこかから吹き矢のようなものが飛ぶ。それが頭に刺さった女性は悲鳴を上げ、次の瞬間、冒頭に出てきた毛むくじゃらの怪物に変身してしまう。それを目撃したさやか。そこに宇宙獣士バンバが現れ、問答無用で襲い掛かってくる。しばらくすると、先程見たのと同じ怪物が周囲から五体も集まってきた。それらは、シーマの指示でさやかを取り囲み圧迫してくる。折よくドラゴンら四人が加勢に駆け付け、さやかから怪物を引きはがすが、さやかはそれらが元々人間であるとして攻撃を止めさせる。シーマ曰く、宇宙獣士バンバは、人間の女を“ヒトバンバ”に変えるという。幸せな親子が大嫌いな彼女は、子供達から母親を奪ってやりたいのだとも。ヒトバンバに言葉は通じず、為す術のないチェンジマン。バンバはヒトバンバを浮かび上がらせてどこかへ移動させると、自分達も姿を消した ⇒ ギルーク司令官がゴズマード艦橋にて、今回の作戦趣旨を星王バズーヘ上申している。すなわち、人間の幸せの中心は家庭であり、そこから母親を奪い取れば、人間達は悲しみのどん底に叩き込まれるのだと ⇒ 八百屋で買い物する子連れの母親。吹き矢を受け、ヒトバンバにされる。それを間近で見て悲鳴を上げた女性(第8話でぺあもーるのブティック店員をしていた彼女)、二人の子供の手を引いて逃げ出す ⇒ 団地に帰宅したランドセルの少女。玄関の扉を開けると、中からヒトバンバが ⇒ 台所でネギを切ろうとしている最中に頭を抱えて倒れる母親、子供の見守る前でヒトバンバとなる ⇒ 子供達におやつを用意して席を外した母親、戻ってくるとヒトバンバに ⇒ 団地の公園では、母を奪われた子供達が何人も泣いている。屋上からそれを見下ろし、愉悦に浸るシーマ。一方、公園にやってきたさやかは、悲しむ子供達を見渡して途方に暮れていた。と、そこへ、森のくまさんを歌いながら元気にスキップしてくる姉弟が。彼らはメソメソ泣いている子供らを叱咤し、遊びに行こうと誘うが、誰も聞く耳を持たないので二人だけでどこかへ行ってしまった。この町の母親が誰もいなくなったのに、いまだ元気な彼らを見て不思議に思うさやか。それはシーマも同様だ。彼女の脳裏に思い出が蘇る ⇒ シーマの回想。ウーバ(第4話参照)にミルクを与えられる赤ん坊 ⇒ 「おのれ、許せん!」苛立つ様子のシーマ。さやかが気付くと、シーマはどこかへ去っていった。それを見て、彼女の行動を先読みするさやか ⇒ 電撃戦隊基地作戦室。伊吹長官はさやかから、シーマが件の姉弟を狙うであろうという推理を聞かされる。長官は、他の仲間達には自分が連絡しておくからと、さやかにその姉弟の護衛を許可した ⇒ 後楽園ゆうえんち。パラシュート的な屋根の付いたカゴが高く上昇し、やがて降りてくる、スカイフラワーというアトラクションに乗っている姉弟。その様子をベンチに座って見上げている変装したシーマ。また、姉弟の隣のカゴに乗っているさやか。こちらもいつもの服から着替えている ⇒ ジェットコースターに乗る姉弟。その二つ後ろの席に座る楽しそうなさやか ⇒ さやかは階段を降りる姉弟に話しかけた。そこで、父親は出張中であり、母親は随分前に病死していたことを知らされる。それを聞き、事件に対する二人の反応に合点がいくさやか。三人は一緒に行動することに。他方、離れてそれを見ていたシーマは、さやかを母親だと勘違いする ⇒ ベンチに腰掛け、さやかは姉弟に弁当を振る舞う。彼らの様子を見て「許せない」とつぶやいて去るシーマ。姉弟の弟、としおは、さやかに今日だけママになってほしいと頼む。さやかは笑顔でOKした ⇒ 〈アイキャッチ〉
●Bパート
追いかけっこをするとしおとさやか ⇒ としおが野外劇場の客席へ通りかかると、そこにシーマ、そしてバンバとヒドラー兵が現れる。シーマの指示でバンバは吹き矢を放つが、さやかはショルダーバッグでそれをガード。「まんまと罠に引っかかったわね」さやかはいつもの服装に戻って、正体を明かした。ジェットコースターのレーンからドラゴンら四人も援護に登場する。交戦に入るが、姉弟を保護する為に、さやかだけは戦線を離脱した ⇒ 追いかけてきたさやかに向かって、としおは「嘘つき!」と言い放って走り去る。姉のたかこも非難。「利用してただけじゃないの。いくら悪い奴を捕まえる為だからって」その時、助けを求めるとしおの声が。見れば、シーマがとしおを片手に抱いてどこかへ連れ去ってゆく。さやかはたかこに向き直って言った。「信じて! 一日だけママになってあげると言った気持ちは本当よ。としお君は必ず助けてみせるわ!」 ⇒ 浮上走行したまま移動するシーマを車で追うさやか。シーマの攻撃を受けて車から振り落とされるも、さやかは走って追跡を続ける ⇒ 行く手を妨害するヒドラー兵、そしてバンバの攻撃で窮地に立たされるさやか。だが彼女は諦めず、汗を滴らせながら立ち上がる。たった一日といえど母親になると言った誓いを果たすべく。そこへオートチェンジャーで追いついてきた仲間達。彼らの作った隙を利用し、ブレスレーザーでシーマを攻撃したさやかは、無事にとしおを保護すると、マーメイドにチェンジ! マーメイドアタックとタイフーンウェーブのコンボでバンバに攻撃を畳みかければ、ヒトバンバにされていた母親達が元に戻った。後顧の憂いの無くなったチェンジマンはパワーバズーカで一気に勝負を決める ⇒ 巨大戦も難なく勝利 ⇒ 再び遊園地。いくつものアトラクションが映る。メリーゴーランドで遊ぶ姉弟とさやから五人。さやかはとしおと一緒に馬に乗っている ⇒ 最後は一人200円のティーカップ(アトラクション)に、女性陣と姉弟の組と、男三人の組で分乗した。
■今週のお当番
渚さやか
一人で遊園地にいくさやか。作戦に夢中の本人は気にしていないだろうが、幾つもの乗り物に独りで乗る妙齢の女性は周囲の目にどう映ったのか。そこを不審に思わせない子供らへの近づき方は、さすがの手腕である。ちなみに、ジェットコースターに独りで乗っているさやかさんは、警戒する様子も怖がる様子もなく、満面の笑みを浮かべていた。
以下、仲間によるさやかの人物評。
麻衣「さやかって、きっといいお母さんになるタイプね」
疾風「んだども、うっかり夫婦喧嘩でもしたら大変だべさ」
剣「それは言えるよ」
■今週のゲスト
●タカコ (秦暎花) トシオの姉。母は病没。父は出張中。弟と二人だけで遊園地に行く子。
●トシオ (服部賢悟) タカコの弟。さやかに、今日だけママになって、と頼む。
■今週の宇宙獣士
バンバ
人語を話さない宇宙獣士(第9話のオーズ以来)。大きな口を開き、中から吹き矢のようなものを発射。それを打ち込むことにより、人間の女をヒトバンバという、全身黒い毛で覆われた生き物に変える。ヒトバンバは母親であることを忘れ、シーマ曰く「鬼のような化け物」になる。ヒトバンバに言葉は通じないが、殊更襲いかかってくるわけでもなく、元は人間であるが故に、こちらから攻撃出来ないことが最大の難点。バンバが大ダメージを受けるとヒトバンバは元の人間に戻る。バンバの攻撃方法としてはほかに、触手を伸ばして相手に巻き付け、そこに電流のようなものを流すことも行う。作戦補佐はシーマ。彼女は幸せな親子が大嫌いな故に、子供達から母親を奪おうと企んだのである。作戦の立案者がシーマなのか、ギルークなのか厳密には不明。
■今週キャッチしたゴズマ情報
●ギルークが語る所によると、シーマはアマンガ星の姫となる為に、幼くして母親と切り離され、愛よりも憎しみを、平和よりも戦うことを教え込まれて育った。ゲーターはそれを聞き、「不幸せな生い立ちやなあ」と述べた。
●シーマは、第4話に登場した宇宙獣士ウーバに、彼女のミルクを飲まされていた場面を回想している。その時のシーマは、地球人とそっくりな人間体の赤ん坊であった。
●バズーは、今回の作戦を「地球征服計画の一つとして認めよう」と評し、ややトーンを下げた表現を使っている。
●今週のシーマの変装は、白のジャケットとセットのスカート、胸元がリボン調のブラウス、ウェーブのかかったロングヘアー、真っ赤な口紅、そして、淡い紫色のサングラスである。
●シーマは遊園地でタカコらと一緒に居るさやかを見つけて、子供らの母親だと勘違いしている。遠目で分からなかったのかと思いきや、さやかがいつもの春服に戻ると、その正体を知り驚いていた。さやかをフルネームで呼び、その顔自体は覚えているようなので、単純に彼女がこれまでと違う格好をしていた為に気づかなかったようだ。
●シーマは手に持ったタクトを輝かせると、空中浮遊したまま直線移動することが出来る。
■今週のゴズマによる被害者
母親達 ヒトバンバにされた
ヒトバンバにされる過程が描かれたのは四名。過程がなかったのは五匹。なお、ヒトバンバが集合するシーンでは最大五匹しか出てこない。
■今週の初出装備
●マツダの白い自動車 さやかが初運転。一人で乗車。車自体はおそらくいつものもの。
●ブレスレーザー さやかがシーマに対して放つ。
■今週登場した地名
●アマンガ星 シーマが王女を務める星。
■今週のレッツ・チェンジ
さやかの初単独変身、「チェンジ・マーメイド!」。今週の変身ポーズはこの1回のみ。
■今週の技&特殊武器
●マーメイドアタック (2回目)
●マーメイド・タイフーンウェーブ (初登場。マーメイドアタックから連続コンボ。テレビ版では唯一の使用回)
●パワーバズーカ (12回目)
●チェンジロボミサイル (9回目)
●チェンジシールド (4回目)
●チェンジバルカン (6回目)
●電撃剣スーパーサンダーボルト (12回目)
■今週の名言
●さやか「我が子を見捨てる親はいないわ。母親というものは、どんなことをしてでも我が子を助けようとするものなのよ」
●さやか「シーマ、あなたは母の愛や幸せとは程遠い生き方をしたようね。かわいそうな人だけど、許さないわ」
シーマの傷口を容赦なくえぐるさやか。ゴズマが生んだ哀しき運命のすれ違い。
■今週のファッション
遊園地におけるさやかさんは、黄色系の地に緑系の大きめチェック柄ワンピースに黒の細いベルト姿。白のショルダーバッグ所持。髪の毛は後ろでまとめている。
■今週の挿入歌
●電撃戦隊チェンジマン (2番を初使用。曲自体は11回目。決めポーズから)
●ファイト! チェンジロボ (6回目。シャトルベース発進から)
■ゲームに引用されたセリフ
さやか「許さないわ」
スーパー戦隊レジェンドウォーズにて使用。ありがちな言葉の為、厳密にはこの回からか分からないが初出ではある。
■今週の疑問
●さやかは遊園地で子供らに、おにぎり、サンドイッチ、唐揚げ(?)、何かをベーコンで巻いたもの(?)、ラディッシュ等を皿に取り分け、また、傍に置いてある大きな黄色の水筒から注いだらしき飲み物を紙コップに入れて渡しているが、弁当箱のようなピンク色のタッパーウェアや「まだ沢山あるのよ」の台詞から類推されるように、これらは現地で調達したものでなく、彼女が持ち込んだ物であるらしいにもかかわらず、肩から下げていたバッグには到底入りきらない分量である。コインロッカーに預けていたのだろうか。それともサポートする裏方がいたのだろうか。
●シーマは、ゴズマの侵略故に不幸せな生い立ちを辿ったのか、それともアマンガ星の王家のしきたりが元々そういうものだったのか。
■今週の羨望
頬っぺたに付いたご飯粒をさやかさんに食べてもらったり、シーマに抱っこされるトシオくん……
■エンディング・クレジット
撮影 いのくままさお
照明 斉藤久
美術 山下宏
キャラクターデザイン 出渕裕
録音 上出栄二郎
効果 大泉音映
選曲 石川孝
編集 山口一喜
制作担当 山本康郎
進行主任 奈良場稔
計測 黒須健雄
記録 勝原成子
助監督 小中肇
制作デスク 寺崎英世
装置 東映美術センター
操演 船越幹雄
美粧 サン・メイク
衣裳 鷹志衣裳
装飾 装美社
撮影協力 後楽園ゆうえんち
企画協力 企画者104
キャラクター制作 レインボー造形企画
合成 チャンネル16
現像 東映化学
車輛協力 MAZDA
オートバイ協力 スズキ自動車
ビデオ合成 東通Ecgシステム 山本博司 近藤弘志 前岡良徹
(株)特撮研究所
操演 鈴木昶 白熊栄次
美術 藤田泰男
撮影 高橋政千
照明 加藤純弘
特撮監督
矢島信男
制作
テレビ朝日
東映
東映エージエンシー
チェンジマン12話で、渚さやかは母親のいない姉弟の為に母親代わりを務めるが、失言から姉弟に母親代わりになる振りをして利用したと誤解される・・・・・・という事ですが、よく考えて下さい。
確かに姉弟を利用した形にはなりましたが、子供の味方であるチェンジマンが子供に嘘をついて何になります?姉弟は何故そんな捉え方をするのでしょう?母親を奪われた大勢の子供達の事は考えないのでしょうか?
母親を奪われ泣いている子供達に対する姉弟の態度ですが「何よ、ママがいなくなったぐらいで!」とか「ほっといて遊びに行っちゃおうか?」とか、何かきついというかデリカシーが無いんですよね。母親がいない寂しさが分かるのなら、その様子を見て心を痛めたり、早く誰かがみんなのママを取り戻して欲しいとか思っても良い筈なのに、この姉弟は何か楽しそう・・・・・・。
きっと自分達と同じ境遇の「痛みの分かる友達」が増えた事が嬉しかったのでしょうね。だから渚さやかがチェンジマンと分かった時、自分達の「友達」を奪う為に利用された、騙されたと捉えたのでしょうね。
満たされない子供の心を理解できなかったさやかさんの失態も痛いですが、最後まで母親を全うしてくれましたね。姉弟も他者の為に体を張って尽くすさやかさんの姿を見た姉弟の心の中にも大切な物が芽生えたと思います。やっぱり、人と人との触れ合いは大切ですね。