～英霊のかたがたに～ 青山繁晴

日本をこんな国にしましたと
英霊のかたがたに
話せるだろうか。



日本は二千数百年の永い歴史の国です。だから、ほとんど昨日のような七十数年前に、ふつうの若者、中年の庶民が、自分のためはかけらも無くて、ただひとのため、それも永遠に会えない未来のぼくらのためにも命を、絶対に取り戻せないご自分の命を捧げてくださいました。
このかたがたを美しい日本語で、英霊と呼びます。
英霊がいま、この日本をご覧になれば、どうでしょうか。繁栄に驚けば驚くほど、その繁栄のなかで子が親をあやめ、親が子をあやめ、苛められた子が自死すること、それに僕らが慣れてしまっていることに、どれほどか悲しまれるでしょうか。
みんな、もう一度、目を覚ましませんか。これがぼくらの国ですか。共に頂く理想が無ければ、共に生きる実感が喪われて、その不安から、身近な存在ほど生け贄にされることを知り、地域と家庭と学校のなかで立ち上がりませんか。



青山繁晴 哲学カレンダー20日より