10年後のキミへ贈る大切なこと

わたしのタイムカプセル

vol.1 小さな町工場のブランディング奮闘記 

2020-07-19 09:27:00 | 日記
【姉さん、事件です】

改めまして。

株式会社安心堂代表取締役 丸山有子です。

2020年4月に代表に就任しました。

4月と言えばコロナ真っ只中。

壊滅的な状況の中、代表に就任することとなりました。

思えば昨年から続く、試されてるかの如く次々と沸き起こる難題。

あまりにも色んなことがあったので、箇条書きに…

●10月に父が病に侵されていることが判明。

●3つの病院へ通院するための送り迎えや、入院手術などの手続きを、毎日の業務の中で追われる日々が続く。

●1月下旬に、安心堂が登記上解散状態にあることが判明。(みなし解散というらしい)

●一度解散になったため、急遽2月中に決算をしなければならなくなり、決算業務に追われる。

●2月下旬、新型コロナウイルスの影響で、受注が完全ストップ。

●3月電話が一切ならず、壊滅的な状況に陥る。

●4月、二度目の決算の準備(安心堂は3月決算)と、役員改定の申請。
相変わらず壊滅的な状況は続く。

●登記が完了するまで謄本が取れないため、緊急対策融資の申請ができず、じっと耐え忍ぶ日々が続く。

●ひとつの会期中に2回の決算、そして安心堂の解散継続の手続き及び役員改定の手続きなどの費用が、約70万円にもなり大ピンチ。

●それに加えて、償却資産の検査対象になり、未加算分が判明し4年分約10万円の課税を課せられる。(毎年申請してるのに、都税事務所で気付かないのが腑に落ちない)

これはもう事件です。

「姉さん、事件です!」

このセリフが幾度となく、頭の中にぐるぐると浮かびました。

コロナ禍真っ只中、安心堂の預金を全て取り崩し、なんとか支払いを続ける日々。

それでも、司法書士さんの尽力のおかげで4月の初旬には登記が完了し(通常申請後3週間くらいかかるらしい)、緊急対策融資の申し込みができた。

しかし、融資の審査が通るのか通らないのかわからない緊張した日々は続く。
(これは1ヶ月以上に及ぶ)

とは言え、止まっていても何も変わらない。

いつ会社が無くなるかもしれないという危機的状況の中、私が最初に起こした行動は「デザイン会社に足を運ぶ」ということでした。

社長就任前からやろうと決めていた、安心堂のブランディング。

やるなら今だ、と決意した。

入社してから、安心堂の強みは何かをずっと追求し続けてきたから、未来への構想はすでにある。

お金なんてない。
でも、ここで止まったら間違いなく安心堂は終わる。
まだ融資は決まってない。
しかし、待っていられない。

構想をカタチにしていくためのプロデュースを、どこにお願いするかはすでに決めていた。

荒川区町屋にある「株式会社ROOM810

どう考えても、ここしかない。

社長の丸山慎二郎さんと、副社長の鈴木友子さんの人間性に、憧れに近い信頼を寄せている。

本格的な仕事の相談をするのは、はじめてのこと。

4月2日、ROOM810に向かいました。

小さな町工場が、ブランディングに資金を投入することに、意味があるのかないのか。

私の経営の全ては、実験だと思ってる。

結果は想定しているけど、もちろんそんなのやってみなければわからない。

でも実験を繰り返し、成長し結果を出していけばいいと思ってる。

見とけ、私の背中を。

数年後、あの時の決断は間違っていなかった。
 
私はきっと、そう言ってる。

そうやって、自分が自分に言っている。

未来へ

2020-04-16 00:50:00 | 日記

少し前のこと。

近所の取引先に向かうため、自転車に乗っていた。

通り道、娘たちが通っていた中学校の前を通りかかり、校庭の桜が満開になっているのを目にした。

つい、自転車を止めた。

この学校は、次女が中学二年生の時に統廃合され、卒業と同時に廃校となった。

校庭には雑草が生え、誰もいない校庭は傷んでいるようだった。

近いうちに解体される予定の校舎は、人気がなくなると、あっという間に寂れていった。

なのに桜の木だけは堂々と、誇り高く、当たり前のように咲き誇っていた。

生きているんだ。

この桜の木は、どうなるのだろう。

形あるものはいつか壊れる。

だけど、桜は生きている。

満開の花が、人間の身勝手さを訴えてるように思えた。

でもきっと。

この場所がどんな風に変わっていこうとも。

この場所で過ごした子どもたちの体温や、感情や、喜怒哀楽や、息遣いや、人影は。
残像となり、思い出として残っていく。

それは誰にも、何にも変えられない、証のようなものなんだと思う。

近頃私たちの生活は、コロナウイルスの猛威に押され、瞬く間に変わっていった。

外出自粛を要請され、人と会ってはならなくなった。

でもそれは、ウイルスから身を守るために必要不可欠なこと。

つい数ヶ月前まで、こんな事態になろうと誰が思っていただろう。

世の中は刻一刻と変わっていく。

SNSが駆使され、リモートワークやリモート会議が定着しつつある。

世の中は変化していくものだ。

その時世にあった生き方を、していかなければならないのも事実だ。

世の中はもっと変わっていくだろう。

生きるために必要なことを、みな粛々と守り続けている。

そして戦っているのだ。

ただ。

みんなも気付いてるはず。

生きるために必要なこととは何か。

それはただ単に、衣食住があればいいのではないということを。

人間の生活を豊かにしていたのは何なのかを。

生命を維持するためだけなら、必要ではないかもしれない音楽や芸術。
イベントやアミューズメントが、どれほど私たちの生活を豊かにしてくれていたのか。

私も、体が、感覚が覚えている。

娘に連れられて行った、東京ドームで開催されたジェネレーションズのドームツアー。

場外は大混雑。
入場するためだけに長蛇の列に並ばされた。

だけど。

LIVEが始まったときのあの高揚感と大歓声。

今でも忘れられない。
あの胸が震えたときの感覚。

それから、絵画などには疎いけど。
モネの睡蓮がずっと好きで。

東京美術館で開催された、モネ展を観に行ったとき。

実際に目にしたのは、私の好きな睡蓮の絵ではなかったけど。

他の睡蓮の絵も素晴らしく、他の作品にも圧倒され、魅了された。

絵画の素晴らしさは、観た人にしかわからない…ということを知ることができた。

人が生きるということは、ただ空気を吸い、栄養や水分を摂り、睡眠することだけではないのだ。

自然の中で大好きな仲間とバーベキューしながら飲むビールの美味しさや。

娘たちの笑顔に包まれ、夢心地で過ごしたディズニーランドの楽しさや。

苦しさと疲労を乗り越え、天空の頂上に達成し、下界を見下ろしたときの爽快感や。

晴天の下、汗をかきながら、音楽に耳を傾け、その歌声に涙を流したときの感動や。

大勢の人たちに押されながらも、竹笛の音色に包まれて、ワッショイワッショイとお神輿を担いだ時の誇らしさや。

ものづくりのワークショップで、子どもたちの最高の笑顔に出会えたときの高揚感や。

そうやって、人と人とが繋がっていくことが、人生を豊かにしていくんだ。

息遣いや体温。
鼓動や、声の振動。
感情や感動。
悲しみや苦しみ。
喜びや、幸福感。

ともに過ごすことで、感じるんだよ。

だから、分かち合おう。
喜び合おう。

どんな谷底に堕ちようとも。
生きていれば這い上がれる。

また、いつか。
必ずやってくるよ。

あの時の感動が。
あの、幸せなひと時が。

だから。

夢を忘れるな。
希望を捨てるな。

それまで生きよう。
生き続けよう。

もう一度。
いや、何度でも。
あの時の笑顔を取り戻そう。

あなたを守るために、私は守る。
私を守るために、あなたも守ってほしい。

さあ進もうよ。

輝かしい未来へ。

3月10日

2020-03-10 23:38:00 | 日記
娘たちに、愛してるよって伝えてから、布団に入った。

今日がもうすぐ終わる。

9年前の今日のことは、なにも覚えてない。

でも、9年前の明日のことは、よく覚えている。

毎日の生活の中で、当たり前のことなど、ひとつもなかったんだ。

9年。

人の醜さを知った。
人の美しさを知った。
人の卑劣を知った。
人の優しさを知った。
人の儚さを知った。
人の強さを知った。

自然の厳しさを知った。

そして自分も強くなった。

どんなに願っても、どんなに手を伸ばしても。

叶わないことがあるってことを知った。

終わりの見えない哀しみに、泣きはらした夜が続いた。

絶望を抱えたままに、迎えた朝もあった。

でも、すべて乗り越えたから今があるんだね。

忘れてはならないこともある。
でも、忘れなければならないこともある。

とにかく前を向こう。

みんな幸せでありますように。



大丈夫

2020-02-11 07:00:00 | 日記
先週の土曜日。

あだち若者サポートステーションの保護者向けセミナーの講師として招かれ、保護者の皆さんと、サポステ利用者の皆さんにお話しさせて頂きました。

サポステからの依頼で、一度社会から離脱してしまった若者たちの職場体験の受け入れをしています。

そしてその体験の参加者から、2人の若者が、いま安心堂にアルバイトとして就業してくれています。

サポステからの依頼は、その受け入れた側の立場で、保護者の皆さんに向けて話して欲しいとのことでした。

その講師のもう一人が、ザオー工業株式会社 の国ちゃんでした。

当日、部屋に足を踏み入れるまで知らなかった(笑)

国ちゃんとの付き合いも、随分と長くなったもんだ。

だけど真面目な話など、殆どしたことのない国ちゃん。

講師として、参加者の方々に話した内容がとても良かった。

彼は子供の頃から、ザオー工業の後継ぎになるという意識があったそうだ。

後を継ぐために大学に行き、後を継ぐために外で就職し、経験を積んで家業に入った。

だけどお父さんから、会社を継いで欲しいとも、継いでくれとも、一度も言われたことはないそうです。

自ら背負った責任を、悩み苦しみながらも前を向き、紡ぎ繋ぎ続けている国ちゃんの思いを知り、その男気にとても感動しました。

たまにセクハラ気味だったり、パワハラ気味だったり、バリバリ昭和の男だけれど…(笑)

彼は本当に律儀で義理堅い。

年末年始の挨拶も必ず来てくれる。

言ったら怒られるから詳しくは言わないけど、色々な人への心遣いが半端ない。

私のことも、いつも何かと気にかけてくれている。

の父の体調ことも、誰よりも心配してくれているのは国ちゃんじゃないかと思うくらい、親身になって会長の調子はどうだ?と聞いてくれる。

不器用で自分の気持ちを素直に表わすことが苦手で、強がりで、ぶっきら棒だけど。

誰に対しても心底優しい人でもある。

そんな国ちゃはかっこいい。

一緒に講師として、セミナーに参加できて良かったです。

様々な思いを聞けて、よかったです。


一度社会から離脱してしまった若者たちが、もう一度社会復帰を目指し、やり直したいと言う気持ちを抱えて足を踏み入る場所が「若者サポートステーション」です。

私が保護者たちに伝えたのは、子どもの人生は子どもの選択で決まるし、そうでなければならないのではないかと言うこと。

子どもたちの選択が、親の見据えた未来と違うとしても、見守ってあげて欲しい。

親として、子どもたちが後悔してもいい、という覚悟をして欲しい。

だけどもし、何か助けを求めてきたときには、全力で受け止めてあげて欲しい。

ここに帰ってくれば安心なんだと言う、唯一無二の存在であり続けて欲しいと伝えました。

そして「皆さんが思っているよりも、お子さんたちはしっかりしてます」と言うこと。

だから安心して送り出してあげてくださいと。

みんなしっかりしてる。
本当にそうなんだもの。

サポステに来ている子たちは「もう一度働きたい」という、勇気とやる気があるのは間違いないのだから。

みんな大丈夫なんだよ。


若者たち。

悩め、惑え、疑え、抗え、苦しめ、戸惑え。

それでいいよ。

失敗しろ、後悔しろ、挑戦しろ。

失敗のない人生こそが失敗だよ。

失敗のない人なんていないし。

自分の全てを受け入れて、全てを許して。

堂々と前を向いて歩いて行け。

全部楽しめ。

人生の全てを楽しめ。

思いっきり楽しめ。

大丈夫だよ。

みんな、大丈夫。



バナナスプリット

2020-02-02 14:16:00 | 日記
昨日久しぶりに、帝国ホテルに足を踏み入れた。

バレンタインのディスプレイかな。

真っ赤な薔薇がびっしり。
ため息しかでない。

予定まで時間があったので、絶対高いだろうなーと思いながらランデブーラウンジへ。

コーヒー1,430円…やはり(笑)

せっかくだからとバナナスプリットを注文した。

こんなの想像してたんだけど。


え、いや、これ、バナナスムージーでしょ?っていうのが出てきてびっくり(笑)
こんな感じの。

でもね、めちゃくちゃ美味しかったから、まいっか。

一人ラウンジでバナナスムージー。
あ、バナナスプリット的な。

周りを見渡すと当然のことながらハイソサエティな方々ばかり。

お隣に座ったご婦人の注文の仕方が、とても丁寧で上品だった。

あー、やっぱり本物のお金持ちって、偉ぶったりしないんだな。

優雅というか、穏やかというか。
並々ならぬ裕福さと余裕を感じた。

一杯1430円のコーヒーは、この方々からするとスタバの一杯のコーヒの価値と変わらない。

あー、そうか。
そういうことか。
と、なんだか納得。

生きてる場所が違うんだな。
そちらも素敵だなって思う。

時には、こんなにも優雅な、落ち着いたハイソな空間に、身を置くのもいいね。

でも、北千住で焼き鳥も好き。

フライデーズのケイジャンチキンサラダも好き。

ローリーズのローストビーフも好き。

帝国ホテルのバナナスプリットも好き。

要は、その時の気持ちのままに、選択できる人生がいいなと思った。

楽しいことしかやらないし。
やりたいことしかやらない。
でも、その目的を達成する中で、立ちはだかったてしまった壁は乗り越えるよ。

振り返ってみれば、それもまた楽しいんだ。

ということで。
今日も絶賛決算準備中。
頑張ります。